地盤調査なしの施工による2階建て住宅の不同沈下
相談年月:2001年3月
7年前に新築した在来木造2階建ての住宅ですが、入居直後から窓の閉まり具合が悪く、数年後にメンテナンスに来てもらったところ、クロスに亀裂が生じていました。施工業者へ申し入れ、地盤調査をしてもらったところ、最大7cmの沈下が見られました。契約書は工事請負契約約款を用いていますが、23条に地盤調査をすることが契約内容に盛り込まれているので、当然地盤調査をしたものと思っていました。
ところが、最近になって実は調査しないで建てたことを施工業者の担当者が口にしています。なお、契約約款の23条2項には、地盤調査をしなかったときは、構造体に不具合を生じたとしても施工業者が責任を負わない旨記載されています。
現在、補修の交渉中ですが、費用を折半にしてほしいと言われています。施工業者がミスを認めているのに、費用負担を求められるのは納得できません。交渉は口頭で行っていますが、今後、どのように交渉すればよいでしょうか。
地盤調査が契約内容に盛り込まれているにもかかわらず、地盤調査をしないで建築していることから、施工業者の瑕疵担保責任が問題となります。裁判や調停になった場合の証拠資料とするため、今後は交渉経過を文書で記録して残しておくことです。施工業者への請求内容を明確にし、内容証明郵便を用いて請求したらよいでしょう。
施工業者には地盤に見合った基礎工事をする責任があるので、施工業者が補修費用について折半にしてほしいという主張には、根拠がないと思われます。強く交渉してよいでしょう。
交渉が進展しない場合は、契約書に記載のある建設工事紛争審査会の調停を利用してはどうでしょうか。調停の場合、相手が調停の場に出てこなければ不調となってしまいます。しかし、契約書にも同審査会を用いることが記載されているので、施工業者が調停の場に出てくる可能性が高いのではないでしょうか。
相談ID:9
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