ご相談内容

相談年月:2000年12月

住宅雑誌を見て設計事務所を選び、口頭で住宅設計を依頼しました。その際、やはり口頭で、もし解約をする場合はどうなるかと聞いたら、製作する模型の代金と交通費のみ支払ってくれればよいと回答を受けました。
その後、2案の平面図、立面図および模型が提出されましたが、結局、解約することになり、模型代金と交通費に加えて、基本設計料も請求されました。設計事務所には当初の約束と異なるので、支払は模型代金と交通費だけであると口頭で伝えたのですが、先方は「法律に決められていることであるから裁判に訴えてもよい」と言っています。
請求に応じなければならないのでしょうか。

回答

口頭であっても設計契約は成立していますが、「法律に決められていることであるから裁判に訴えてもよい」という意味が不明です。設計事務所との契約内容は、基本設計図を作成する前に解約するならば、模型代金と交通費のみ支払えばよいということではないかと思われます。これは、2案の平面図、立面図および模型では、基本設計図の作成の資料を準備した程度であり、決定案や決定図ではないと思われるからです。
基本設計図とは、建築物を設計する段階で建築物の基本的な内容を確定する第一段階のものであり、細部について付加すれば、実施設計図になるべき図面です。これには（設計概要）・配置図・平面図・立面図・断面図・標準的な詳細図、仕上表、その他の図面等が含まれています。
いずれにせよ、どのような合意がなされたのかを確定する必要があると思いますので、模型の代金と交通費のみで良いとはどういう意味だったのかを確認した方が良いでしょう。

相談ID：56