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擁壁工事中。隣地への立ち入りを断られた。

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ご相談内容

相談年月:2012年6月

当家の敷地は隣家より50センチ程度低くなっており、現状は斜面になっています。境界に土留めの設置をしたいと思い業者に相談したところ、「コンクリートで擁壁を作る場合は型枠を組む等の作業を行うために、壁の両面からそれぞれ20センチ程度スペースが必要で、工事に当たり隣地への立ち入りが必要」と言われました。そこで、隣地所有者に了解を求めたところ、当初は了承していたにもかかわらず、工事直前になって「工事に際して一歩も敷地内に入らないように」と言って断られました。土留めは境界から5センチ程度こちら側に寄せて築造することも検討しています。また、境界には杭が入っており、近隣住民立会いの下で確認した測量図もあります。
1.擁壁工事に当たり隣地に立ち入ることは可能でしょうか。また、掘削する場合はどうでしょうか。
2..境界から、擁壁の施工に必要なスペース約20センチ分後退した場合、塀と境界の間の土地がなし崩し的に相手のものになってしまうことはないのでしょうか。

回答

1.改正された民法第209条(2023年4月施行)に基づき、境界またはその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去または修繕するため、必要な範囲内で、隣地の使用として立ち入ることが可能です。ただし、隣地所有者への事前の通知や必要な範囲内という条件がありますので、掘削の必要性に関しては、事前に隣地所有者へ十分な説明が必要になると思われます。掘削寸法に関しては、可能な限り小さくするよう、施工者と十分相談した方がいいでしょう。
なお、境界杭に関しては、工事で動いてしまう、あるいは、動いたと指摘される可能性もあります。トラブルを防ぐため、工事の影響を受けない位置に仮設杭を2本設置して三角形を形成し、その寸法をあらかじめ関係者で確認しておくことが考えられます。
隣家との関係は大切ですが、敷地境界に関してはもめ事になるケースも多いので、工事に際しては丁寧に説明して了解を得てから進めることが望ましいと思います。
2.土留めの位置が境界より内側になったからといって境界が移動する訳ではありません。ただ工事によって杭が移動したり杭の位置が不明確になったりしないように十分注意する必要はあります。境界を越えて隣地所有者が使用してきた場合にきちんと対応すべきことは言うまでもありません。

相談ID:575

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