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屋根の塗装工事をしたが、終了直後に雨漏りが発生した。費用を払いたくない。

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ご相談内容

相談年月:2012年11月

築10年の木造2階建て住宅に住んでいます。先日、屋根(住宅屋根用化粧スレート)の全面塗装をリフォーム業者に頼みましたが、なんと工事が終了した翌日に雨漏りをしてしまいました。リフォーム業者は「屋根のドーマ(採光・換気のために屋根に付ける小窓)から漏っているようだ」と言い、その周辺にシーリング材を充填して補修しましたが、数日後にまた、同じところから雨漏りがありました。これまで雨漏りはなかったので、塗装工事が悪かったのだと思い、塗装費用は払わないでいます。
知り合いの建築士に尋ねると、「リフォーム業者が縁切りをしなかったのが原因ではないか」と言いますが、業者は「縁切りの必要はないと考えてやらなかった」と言っています。いったいどちらが正しいのでしょうか。こんな工事にお金を払いたくありませんが、このまま支払いを止めておくことはできますか。

回答

屋根材の重なり部分には、雨水の排出や通気性の確保のための隙間があります。屋根材である住宅屋根用化粧スレートを塗装したことにより、その隙間を塗料で塞いでしまうと、雨水の排出ができなくなり、下地材の腐朽や雨漏りの原因となることがあります。
「縁切り」とは、塗装工事の完了後に工具を使用して隙間を塞いでいる塗料に切り込みを入れ屋根材の隙間を開けていく作業ですが、最近では屋根材の隙間にあらかじめスペーサーを挿入して排水スペースを確保してから塗装する工法も用いられています。雨漏りの防止の観点からは、縁切りすることが望ましいと思いますが、住宅屋根用化粧スレートであっても屋根の形状や屋根材の状況によっては縁切りを必要としない場合もあります。
築10年間、雨漏りは生じていなかったということですので、雨漏りが、塗装工事に原因があると考えることは十分に理解できます。しかし、塗装工事の翌日、直ちに雨漏りが発生したということからすると、縁切りをしなかったことに原因があるとは断定できず、塗装工事中に屋根材や下ぶき材(※)を破損したことが原因であるということも考えられます。また、それ以外にも築10年の屋根からの雨漏りの原因としては、屋根材の老朽化によるズレや割れ、下ぶき材の劣化や露出、ドーマまわりのシーリングの劣化など塗装工事とは別の原因も考えられますので、今回の雨漏りが塗装工事に起因するものと断定することもできません。
以上のことから、まずは雨漏りの真の原因を突き止めることが重要であると考えます。雨漏りの原因を調べるには、目視調査により塗装による屋根材の隙間の閉塞状況、屋根材や下ぶき材の破損・劣化状況、ドーマまわりの状況などを確認して雨漏りが疑われる部分に見当をつけ、散水調査をして雨漏り箇所を特定することが考えられます。そのような調査を行なわずに、屋根のドーマ周りにシーリング材を充填して補修しても、根本的な解決にはなりません。そこで、まずはリフォーム業者に雨漏りの原因について調査するよう要求するのが良いでしょう。もし、リフォーム業者が調査に応じない場合は、第三者の建築専門家に調査依頼することを検討する必要もあります。
工事代金の支払いを止めておけるかどうかは、雨漏りの原因が何かによって異なります。塗装工事に原因がある場合は、雨漏りを修繕するまでは工事代金を支払わないと主張することができますが、屋根材等の劣化が原因である場合には、工事代金に遅延損害金を加算した金額を支払わなければなりません。また、工事代金を未払いのままにすると、リフォーム業者から法的な措置をとられる可能性もありますので、早目にリフォーム業者と話し合いをするなどして、原因調査を実施することをおすすめいたします。

※下ぶき材:屋根仕上材の下地として、雨水の浸入を防ぐために使われるもので、主にアスファルトルーフィングなどがある。

相談ID:594

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