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売却した中古住宅のリビングのドアが変形していたとして、買主から無償による補修を請求されている。

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ご相談内容

相談年月:2013年2月

売主ですが、築6年の木造2階建て住宅を、不動産業者の仲介により売却しました。売買契約の当事者は、売主・買主とも個人です。売買契約書には、「売主は雨漏りとシロアリの被害についてのみ瑕疵担保責任を負う」と書いてあります。引き渡して2週間が過ぎたころ、買主から、リビングのドアの上部に反りがあり、はめ込みガラスにもひび割れがあるので、これを無料で直してほしいとの連絡を受けました。補修をする必要があるのでしょうか。仲介業者に連絡して確認しましたが、「ドアに反りやひび割れはなかった」と言われました。

回答

中古住宅を買う場合は「現状有姿」といって、建物や土地の状況をよく見て、その状態で納得して買うことになり、あとから補修や損害賠償を請求することは基本的にできません。ただし、民法では、契約時に外見からは確認できなかったような瑕疵(隠れた瑕疵)が、あとになって発見された場合には、瑕疵担保責任期間内であれば、売主は買主に対して損害賠償などの義務を負うと定められています。
しかし、個人間の売買(売主が宅建業者ではない場合)においては、民法上の瑕疵担保責任は、契約により責任を負う範囲や期間を限定することや、瑕疵担保責任を負わない旨の定めをすることも可能です。もっとも、そのような定めをした場合であっても、売主が知りながら告げなかった瑕疵については、売主はなお責任を負うとされています(民法第572条)。
本件は、雨漏りとシロアリの被害についてのみ瑕疵担保責任を定めてあるとのことです。個人間の売買ですので、このような規定も有効です。また、ドアの反りやガラスのひび割れは外見から確認できるものであり、売主である相談者がこれを隠して売却していたとの事情もないようですので、隠れた瑕疵として瑕疵担保責任を主張されることもありません。したがって、仮に本件のようなドアの不具合が引渡時にあったとしても、今から買主のドアの補修請求に応じる必要がないと思われます。 

(参考)中古住宅を売買する場合は、中古住宅の検査と保証がセットになった「既存住宅売買かし保険」の利用をおすすめします(検査業者等が保険に加入します)。

※ 2020年4月以降に締結した売買契約については、瑕疵担保責任から契約不適合責任に代わりました。引き渡された目的物が契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補等による履行の追完や損害賠償を請求することができます(民法415条、562条)。そのため、瑕疵が「隠れた」ものであるかどうかではなく、契約に適合したものか否かが売主に責任を問う前提となります。

相談ID:603

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