トップページ 相談事例を探す 床の結露を理由に賃貸住宅の契約を解除したい。
  • 電話相談事例

床の結露を理由に賃貸住宅の契約を解除したい。

  • 共同住宅
  • 賃貸借契約
  • 水漏れ(結露・排水不良)
  • 契約解消
ご相談内容

相談年月:2014年2月

東北地方で新築の木造2階建アパートの1階住戸を賃借していますが、内壁や硬質塩化ビニル製タイル(※)張りの床の結露がひどく、靴下が濡れてしまうほどです。それを管理会社に伝えたところ、貸主と管理会社が結露の状況を見に来てくれましたが、「コストを削減して新築したため床下に断熱材がないようです。それが結露の原因だと思われますが、我慢して住んでください。」と言われました。
入居以来、玄関ドアの不具合や便器の汚れ、洗濯機用水栓の給水不良など不具合が多く、その都度連絡して、補修してもらいました。不具合の多さにうんざりしています。
管理会社に解約を申し入れたところ解約金が発生すると言われました。貸主は交渉に一切かかわらず、会ったこともありません。結露の改善が行われないことを理由に、解約金なしで解約したいのですが、どうしたらよいでしょうか。

回答

内壁や床の結露の原因として、断熱不足、換気不足、屋内で洗濯物を干したり観賞用植物を設置したりすることなどが考えられます。まずはよく換気を行い、湿気を抑える等ご自身でできることを実践し、結露の発生を抑えるような生活をして様子をみてはいかがでしょうか。それでも結露がおさまらないようでしたら、建物に原因がある可能性が高いことになります。
不具合を理由に解約が可能かどうかについては、賃貸借契約の内容を踏まえて判断する必要があるので、契約書で解約に関する事項がどのように定められているかを確認してください。
民法では、賃貸人は建物の使用及び収益に必要な修繕義務を負う(606条1項)とされています。修繕義務の有無は、単に結露等の不具合があるというだけでなく、契約の趣旨やその他の事情も考慮して、建物の使用及び収益に支障があると評価できるかどうかで決まります。賃借人が賃貸人に対して修繕請求を行い、賃貸人に修繕義務が認められるにもかかわらず、修繕を行わない場合、契約の目的が達成できないとして、債務不履行を理由とする契約の解除ができることがあります。契約の目的が達成できないときとは、住宅の間取りや居住条件によっては、住戸内の居住室全てに結露が生じており、通常の生活ができない場合等が考えられます。このような理由で賃貸人の債務不履行を理由とする契約の解除を行った場合は、解約金の支払いをしなくてよいと思われます。
上記のとおり、賃貸人が負う建物の使用及び収益のための修繕義務(民法606条)の程度については、不具合があるというだけでは決まらず、争いになる可能性が高いため、弁護士の対面相談を受けることをおすすめします。また、結露の状況や原因の特定が必要となれば、結露の状況が分かる写真を撮影し、それを持って建築士に結露の原因などを調べてもらうといいでしょう。
なお、退去する際、結露による建物損傷があった場合の原状回復費用の負担を求められる可能性がありますので、契約を解除するか否かにかかわらず、結露の不具合があることを貸主に報告したうえで、日常生活で結露をふきとるなどの対応をしておくべきでしょう。

※硬質塩化ビニル製タイル:塩化ビニル樹脂を主原料として製造された床仕上げ材

相談ID:617

参考になりましたか?

チャットでご相談

チャットサポート