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屋上の防水層にふくれが生じた。どのように補修したら良いか。

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ご相談内容

相談年月:2014年2月

33年前に鉄筋コンクリート造4階建てのマンションを新築して、2〜4階の住宅を賃貸しています。今回、屋上防水層の改修工事を実施しました。
屋上防水層の改修工事は、新築時に施工した防水層の保護コンクリートを残したまま、その上に防水層(改質アスファルトシート)を施工する工法により実施しました。
工事完了後しばらくして屋上にあがったところ、今回の改修工事によって施工した防水層がふくれ上がっていることを発見しました。
施工業者は、保証期間内なので、補修工事を行ってくれると言っていますが、どのように補修すればいいでしょうか。

回答

相談内容では、33年前の新築時に屋根のコンクリートスラブ(図中[1])の上に防水層(図中[2])が施工され、その上に保護コンクリート(図中[3])が施工されていました。今回の改修工事では、既存の保護コンクリート(図中[3])を残したまま、この上に新たな防水層(改質アスファルトシート図中[4])が施工されたようです。そして、新たに施工した防水層(図中[4])がふくれたとのことです。
屋上の防水層の工事を既存の保護コンクリートを残したまま、その上に新たなに防水シートを張り付けると、下地となる保護コンクリートのひび割れや継目部分の動きにより、防水層が破断する恐れがあります。また、保護コンクリートに含まれた水分を完全に乾燥させることが難しいため、防水層を施工した後に保護コンクリートに含まれた水分が気化・膨張し、これによって防水層のふくれが発生する場合があります。
防水層のふくれを防止するためには、多く絶縁工法が用いられています。絶縁工法とは、防水層を下地に全面的に密着させずに部分的に密着させる工法を基本として、屋上防水に用いられています。この絶縁工法によれば、下地のひび割れや動きによって生じる防水層の破断は、起きにくくなります。また、日射によって気化・膨張した水分が、防水シートと防水シートの下地との間を自由に拡散・移行できるようになるため、防水層のふくれが起きにくくなります。さらに、日射によって気化・膨張した水蒸気等を排出させるために脱気装置等(図中[5])を適切な間隔で設置することによって、いっそう、ふくれが起きにくくなります。
今回の改修工事が絶縁工法や脱気装置を設置する等の一般的な工法により施工されたのか、他に防水層のふくれを引き起こす原因があったのか等を調査し、ふくれの原因を明らかにしてから補修工事を行う必要があります。
施工業者が補修工事をする前に、施工業者にふくれの原因等を調査をしてもらい、施工される補修工法について納得のいく説明を受けてから工事を発注することをお薦めします。施工業者の調査や説明に納得できない場合には、建築士等の専門家に図面や現場の調査を依頼し、ふくれの原因と適切な補修方法について助言を受けることをおすすめします。また、補修工事の実施に際しては、写真や書面により工事を記録することを求めるとよいでしょう。さらに、施工業者は工事完了後に保証書を発行するのが一般的ですので、もし保証書が交付されていない場合には、保証書も提出するよう求めることをおすすめいたします。

※参考図:既存の保護コンクリートを残した防水改修工事の例

相談ID:618

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