室内空気中の化学物質濃度のサンプリング・分析について

室内空気中の化学物質濃度は以下の手順でのサンプリングし、分析します。

換気・閉鎖 捕集

①現場の条件を整えた上で、化学物質を捕集する作業【サンプリング】

分析

②捕集した化学物質を分析して化学物質の濃度を求める作業

測定対象住戸の全ての窓及び扉(造付け家具、押入れその他これに類するものの扉を含む)を開けた状態で15~30分間換気を行った後、住戸の窓及び扉(屋外に面するものに限る)を規定の時間(5時間以上)閉鎖し、その状態で化学物質を捕集し、分析して化学物質の濃度を求めます。

室内空気中の化学物質を捕集する方法には「アクティブ法」と「パッシブ法」の2種類があります。

アクティブ法では、規定の時間の換気、閉鎖後に、ポンプを用いて規定の時間(30分程度)室内空気を吸引して目的とする化学物質を捕集します。

パッシブ法では、規定の時間の換気、閉鎖後に、ポンプを用いず、室内空気中の化学物質の拡散を利用して対象となる物質を規定の時間(8~24時間)捕集します。

参考1:厚生労働省が室内濃度指針値を定めている13物質

令和元年6月1日現在
物質名称 別称 主な用途 室内濃度指針値※1
(気中濃度25℃換算)※2
ホルムアルデヒド メタナール
  • 合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤等に用いられるユリア系、メラミン系、フェノール系等の合成樹脂、接着剤
  • 一部ののり等の防腐剤
  • 建築基準法の規制対象物質、住宅性能表示で濃度を測定できる物質
100㎍/㎥
(0.08ppm)
アセトアルデヒド エタナール ホルムアルデヒド同様一部の接着剤、防腐剤等 48㎍/㎥
(0.03ppm)
トルエン 内装材等の施工用接着剤や塗料等
  • 住宅性能表示で濃度を測定できる物質
260㎍/㎥
(0.07ppm)
キシレン 内装材等の施工用接着剤や塗料等
  • 住宅性能表示で濃度を測定できる物質
200㎍/㎥※3
(0.05ppm)
エチルベンゼン 内装材等の施工用接着剤や塗料等
  • 住宅性能表示で濃度を測定できる物質
3800㎍/㎥
(0.88ppm)
スチレン ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等
  • 住宅性能表示で濃度を測定できる物質
220㎍/㎥
(0.05ppm)
パラジクロロベンゼン 衣類の防虫剤、トイレの芳香剤等 240㎍/㎥
(0.04ppm)
テトラデカン 灯油、塗料等の溶剤 330㎍/㎥
(0.04ppm)
フタル酸ジ-n-ブチル DBP 塗料、接着剤等の可塑剤 17㎍/㎥※3
(1.5ppb)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル DOP、DEHP 壁紙、床材等の可塑剤 100㎍/㎥※3
(6.3ppb)
クロルピリホス しろあり駆除剤
  • 建築基準法の規制対象物質
1㎍/㎥
(0.07ppb)
小児の場合0.1㎍/㎥
(0.007ppb)
ダイアジノン 殺虫剤 0.29㎍/㎥
(0.02ppb)
フォノブカルブ しろあり駆除剤 33㎍/㎥
(3.8ppb)
  1. 空気1㎥中に存在する汚染ガスの重量濃度を示します。1000㎍/㎥ = 1㎎/㎥
  2. 空気1㎥中に1mlの汚染ガスが存在する状態を1ppmと表します。1ppbは1ppmの1000分の1を表します。1ppm = 1000ppb
  3. 平成31年1月17日に改定を行った室内濃度指針値を示します。(出典:「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 中間報告書―第23回までのまとめ」厚生労働省)

出典:「快適で健康的な住宅で暮らすために 改正建築基準法に基づくシックハウス対策」国土交通省住宅局