補修方法編

補修方法シート

【木造住宅(在来軸組工法)】

勾配屋根の変形(はがれ、ずれ、浮き)屋根下地材・ふき材の交換R-1-601
木軸・木枠・S造
工事概要

屋根ふき材および野地板を撤去し、新しいものに交換する。


屋根下地(木造)の例
(引用:参考文献1)


金属板かわら棒ぶき(心木なし)(木造)の例
(引用:参考文献1)

「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」
のCD-ROMをご参照ください
かわらぶき(J形全数緊結)の例
(引用:参考文献2)

「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」
のCD-ROMをご参照ください
スレートぶき(標準工法)の例
(引用:参考文献2)
対応する不具合と原因 不具合
  • 勾配屋根の変形(はがれ、ずれ、浮き)(R-1)
  • 降雨による漏水(W-1)
原因
  • 下ぶき材・屋根ふき材等の取付け不良、選択不良、品質不良
  • 屋根工法・屋根材料の選択・品質不良
  • 屋根の各部位の納まり、施工不良
  • 下地材、小屋組材の腐朽
適用条件
  • 屋根勾配に適した仕上材であること。
  • ふき材等は建基法告示昭46建告第109号(最終改正H12.5.23)「屋根ふき材、外装材及び屋外に面する帳壁の構造方法を定める件」第一の構造方法に適合すること。
工事手順の例
1.事前調査
現場調査により適用条件を満たしていることを確認する。
不具合の状況から交換が必要な範囲を確認し、工事計画を立てる。
  • 必要に応じて足場を設置して高所の確認を行う。
2.足場の設置
該当部分に足場を設置し、撤去時発生する粉塵や吹付け塗布が隣地に拡散しないようにその外回りに防塵シートを張る。
3.当該部分の屋根ふき材、野地板の撤去
必要に応じて雨どいを取り外す。
残す部分の屋根材の重ね方や納め方をできるだけ壊さないように注意しながら、当該屋根ふき材及びかわら桟等の下地材をていねいに剥がす。
  • 軒先部の納め方にも注意する。
下ぶき材の重ね方や巻き込み方に注意して、下ぶき材を剥がす。
野地板を撤去する。

金属板かわら棒ぶきの場合の例(引用:参考文献1)
4.野地板の敷き込み、取り付け (屋根ふき材のみ交換する場合、本程を省略できる。)
5.下ぶき材の張直し
アスファルトルーフィング類の下ぶき材は、軒先と平行に敷き込み、軒先から上へ向かって張る。上下(流れ方向)100mm以上、左右(長手方向)200mm以上重合わせ(参考:参考文献1)、重合わせ部分は間隔300mm内外に、その他は要所をステープル(足長さ16mm以上)等による留め付け(参考:参考文献1)とし、しわ、緩み等のないように張り上げる。ただし、留め付け箇所は重ね合わせ部とし、むやみにステープル等を打たない。
むね部は、棟頂部より両方向へそれぞれ250㎜以上重ね合わせ、棟頂部から左右へ一枚ものを増張りする。(参考:参考文献1)
谷部は、谷底から左右へ一枚ものを先張りし、その上に下ぶき材を左右に重ねて、谷底から250㎜以上のばす。(参考:参考文献1)
壁面立上げ部の高さは、250㎜以上かつ雨押さえ上端より50㎜以上とする。(参考:参考文献1)
  • 下ぶき材の張直しで外壁等に取り合う箇所は、必要に応じて外壁の解体、復旧をする。
6.屋根材ぶき
軒先仕舞→けらば仕舞→雨押さえ取付→むね包を取付ける。
  • 金属板ぶきの場合、屋根板の折曲げは、めっきおよび地肌に、ひび割れを生じないように行い、切目を入れずに折り曲げる。
  • 屋根ふき材に劣化や問題が生じていない場合には、取り外したものを再設置することも可能なことがある。
7.雨樋取付け直し
雨樋を付け直す。
8.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
  • 屋根ふき材の不陸、浮き等がないことを確認する。
降雨時に浸水がないことを確認する。
  • 止水を確認するまで仮設は撤去しないことが望ましい。
足場の撤去、片付け、清掃を行う。
備考 施工上の注意点
  • 建物の構造計算をする場合、屋根に関しては建基法告示平12建告第1458号「屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件」の基準に適合すること。
  • 屋根ふき材等を交換する場合は、「公共建築改修工事標準仕様書」、「建築物等の解体・改修工事等における石綿障害の予防(建設業労働災害防止協会)」等の文献等をもとに、石綿障害を予防するために必要な対策を講じる必要がある。
  • 屋根の不具合では、漏水により小屋組材に腐朽が発生している場合があるため、小屋組材の取り替え等も必要な場合がある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 平成28年版[p115(6.2.2),p116図6.2.2-1、p125図6.3.4] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 建築工事標準仕様書・同解説JASS12-2004屋根工事[p118図6.8、p142図8.3] (社)日本建築学会 (社)日本建築学会
3 公共建築工事標準仕様書 平成28年版(第1版)[建築工事編p188~216](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一社)公共建築協会 (一社)公共建築協会
4 建築工事監理指針(平成28年版)下巻[p198~218、231~238](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一社)公共建築協会 (一社)公共建築協会
5 公共建築改修工事標準仕様書 平成28年版(第1版)[建築工事編p345(9.1.5(b))](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一財)建築保全センター (一財)建築保全センター
6 建築物等の解体・改修工事等における石綿障害の予防(平成26年初版)p49~52 建設業労働災害防止協会 建設業労働災害防止協会
7 建築物の解体等に係るアスベスト飛散防止対策マニュアル(平成27年8月) 東京都 環境局 環境改善部大気保全課 東京都 環境局 環境改善部大気保全課
8 「石綿(アスベスト)含有建材データベース」2015年2月版 国土交通省・経済産業省 国土交通省・経済産業省HP