補修方法編

補修方法シート

【鉄筋コンクリート造住宅】

外壁のひび割れ・欠損塗装・吹付け直しG-2-311
RC造
工事概要
  • 既存塗膜を除去して新規に再塗装する工法である。
  • 既存塗膜を全面除去する方法と既存塗膜の活膜部分を残してその上に再塗装する方法がある。
塗替え補修後の概念図
(引用:参考文献3(一部加筆))
対応する不具合と原因 不具合
  • 外壁のひび割れ・欠損(G-2)
原因
  • 下地調整層の不良
  • 外壁仕上材等の選択・品質不良、養生不良
適用条件
  • 仕上材に生じたひび割れ及び剥落に適用する。
工事手順の例
1.事前調査
現場調査により適用条件を満たしていることを確認する。
ひび割れ・欠損の状況を確認し、工事計画を立てる。
浸透性強化材、下地調整塗材、シーラーの選定を行う。
2.足場の設置
必要に応じて足場を設置し、除去時に発生する粉塵や吹付材が隣地に飛ばないようその外回りに防塵シートを張る。
3.既存塗膜の清掃・除去(※1)
既存塗膜を残す場合は、施工範囲をブラシ等で清掃する。必要に応じて、高圧洗浄(水圧3~7MPa程度)により表面の汚れ等を除去する。また、必要に応じて既存塗膜と新塗膜の界面をパテまたは主材により段差修正する。
既存塗膜を全面的に除去する場合は、施工対象の壁全面に対して行う。
4.下地調整
既存塗膜に適合した下塗材(シーラーまたはプライマー)による下地調整を行う。
  • 十分な乾燥時間がとれない場合や天候不順の場合には下地面が含水率10%以下、pH10以下(引用:参考文献2(表4.6.6))であることを確認する。(※2)
既存塗膜除去跡には段差が生じ、後の仕上がりに影響を与える場合も想定されるため、必要に応じセメント系下地調整材等を使用し良好な下地を確保する。
既存塗膜を全面除去する場合は、素地ごしらえの工程から下地調整を行う。
5.塗装
既存塗膜に適合した下塗材(シーラーまたはプライマー)による下地調整を行い、既存塗膜と同一品種の塗料をローラー、刷毛又は、スプレーガンを用い塗装する。塗装工程の中で既存塗膜層との段差調整、模様合わせを行なう。
既存塗膜を全面除去する場合は、塗装面となる下地との適合性を考慮して塗料を選択し、塗装する。
6.養生
7.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
防塵シートを取外し足場を撤去の上、片付け・清掃を行う。
備考
  • 既存塗膜の活膜部分を残してその上に塗装する場合は、施工対象壁面中の全面ではなく、ひび割れが生じている部分に塗装することにより補修することも可能である。
  • 既存塗膜を完全に除去することができれば、新塗膜の施工は新築工事に準じたものになるが、改修工事の場合、周囲の環境、工期等の制限があり、活膜を残して行うケースが多い。
(※1)既存塗膜の除去には、「サンダー工法」「高圧水洗工法」「塗膜はく離剤工法」および「水洗い工法」がある。(参考:参考文献2)
(※2)一般に含水率の測定方法には水分計、pH(水素イオン濃度)の測定には、pH指示薬溶液、pH試験紙、万能指示薬(ユニバーサルインジケーター)、pHコンパレーター等が用いられている。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 建築の改修積算・施工の進め方[p136~141] BELCA改修委員会
改修施工小委員会
(社)建築・設備維持保全推進協会
2 建築改修工事監理指針 平成28年版(第1版)(上巻)[p462~477(4章6節)](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一財)建築保全センター (一財)建築保全センター
3 外壁仕上げの損傷事例 原因と対策[p32] 日本建築仕上学会 (株)技術書院