補修方法編

補修方法シート

【鉄筋コンクリート造住宅】

降雨による漏水防水層平場の再施工(アスファルト系露出防水)W-1-319
RC造
工事概要

スラブにひび割れがある場合は、補修した上で、漏水箇所のアスファルト系防水層の再施工を行う。
(ここでは、アスファルト防水および改質アスファルトシート防水を「アスファルト系防水」という。)


補修の概念図
対応する不具合と原因 不具合
  • 降雨による漏水(W-1)
原因
  • 防水層の品質及び施工不良
  • 防水下地のひび割れ
適用条件
  • 漏水位置がほぼ確定できた場合に適用できる。
  • 押えコンクリートがある場合は、W-1-304による。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場での原因調査により、適用条件を満たしていることを確認する。
2.破損部を含む施工箇所の指定
不具合部について、防水層を切開し、下面に水が回っているか確認する。
3.防水層の不良部分の撤去
防水層が破損している場合には、立上がり、床面とも、重ね張りできる健全部分を残し、不具合部分を撤去する。(*1)
撤去後、コンクリートスラブ面を充分乾燥させる。
4.コンクリートひび割れ面の補修
ひび割れは、Uカットシール材充填工法等で補修する。
ひび割れの補修は、ルーフィング類の増張りとすることもある。(参考文献1)
5.防水層の補修
防水層の部分的な破損箇所は、プライマー塗布乾燥後防水層を張り付け、補修する。(*2)
防水層が部分的に剥離している箇所は、剥離部分を張り直し、補修する。(*2)
補修範囲の下地補修を十分行い、新設防水層を防水工法および補修方式の手順に基づき張り付け、補修する。(*1)
6.最終確認
降雨時に浸水がないことを確認する。
備考
  • 工事に伴う騒音(ドリル使用時)、臭気、振動、粉塵、降雨時における漏水、廃材の排出等が問題となる可能性があるため、工事の実施にあたっては、居住者に工事内容を十分に説明し、合意を得ることが重要である。
  • 既設の防水層や保護層(施工されている場合)を撤去せずに防水改修を行う場合は、当該地域の最大降雨量などを考慮して必要な排水ドレンの径が確保できるように注意する必要がある。(参考:参考文献5)

*1 アスファルト系防水層の部分修繕工法は、健全な部分を残してこの上に新設防水層を施工するかぶせ方式と、対象範囲の防水層を撤去して新設防水層を施工する撤去方式がある。(参考:参考文献1)

露出アスファルト防水部分修繕工法の工程例(引用:参考文献1,一部加筆)
注1:( )内の数値は既存防水層がアスファルト常温工法の場合に適用する。
注2:工程5にトーチ工法又は常温粘着工法を使用する場合は、工程3及び工程4を省略する。
注3:工程5に複合工法を使用する場合は、工程2を省略する。

下図は、かぶせ方式の例を示す。かぶせ方式は、原則として施工する範囲の境界内側に下図①の絶縁帯を設ける。ただし、絶縁帯を設けない場合は下図②の一般部の工程とする。
撤去方式の場合は、下図①の断面の既存防水層部分を撤去して工程1、3及び5を施工する。


屋根伏せ図

①の断面(絶縁帯部)
・接着型(複合工法)の場合は、工程1.は省略
・溶着型(トーチ工法)、自己接着型(自着工法)の場合は、工程2.は省略
・自着工法は常温接着工法を指す
②の断面(一般部)
露出アスファルト防水部分修繕かぶせ方式の例図(引用:参考文献2)

*2 アスファルト系防水層の部分的なふくれ、切り傷、口あきなどの補修方法は、次のような例がある(主に改質アスファルトシート防水の場合の方法を示す)。(参考:参考文献3)
「ふくれ・浮き」の補修例:ふくれ部分を切り取り(※1)、下地と切り取った防水層裏面を乾燥させて、トーチバーナーであぶって押さえ密着させる(※2)。その上に、既存防水層各層と同じ改質アスファルトルーフィングシート類を同じ張り付け順序で張り付ける。
「切り傷」の補修例:損傷部分の凸部をトーチバーナーであぶり(※2)、均し、損傷部を覆うかたちで既存防水層各層と同じ改質アスファルトルーフィングシート類を同じ張り付け順序で張り付ける。
「口あき」の補修例:改質アスファルトルーフィングシート相互の口あき部分に、焼いた金ごてを差し込んで開き、トーチバーナーであぶってシート相互の改質アスファルトを溶融させて密着させ(※2)、端部をトーチバーナーで焼いた金ごてで押さえ、段差をなくす。

※1ふくれ箇所をたち切り包丁やカッター等の用具でH形又は十文字に切開する方法もある。(参考:参考文献4)
※2アスファルト防水の場合は、防水層裏面を乾燥させて溶融アスファルトを流し込み、押さえて密着させる。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 保全工事共通仕様書(平成26年版)[p30(2.1.2),p31 2.1.1表, p34(2.2.2),p36 2.2.1表](独立行政法人都市再生機構住宅経営部) (一財)都市再生共済会
2 機材及び工法の品質判定基準仕様登録集(平成26年版)[p368](独立行政法人都市再生機構住宅経営部) (一財)都市再生共済会
3 防水施工法(七訂版)[p75(2.1 g),p133(2.2 g),p179(2.3g)] (社)全国防水工事業協会 (社)全国防水工事業協会
4 建築改修工事監理指針 平成28年版(第1版)(上巻)[p194](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一財)建築保全センター (一財)建築保全センター
5 空気調和・衛生工学会規格 SHASE-S206-2009 給排水衛生設備規準・解説[P131、132、281~286] (社)空気調和・衛生工学会 (社)空気調和・衛生工学会