補修方法編

補修方法シート

【鉄骨造住宅】

騒音駐輪機からの音・振動の伝搬を防止する措置 V-3-005
木軸・木枠・RC造・S造
工事概要

駐輪機支柱とスラブとの間への防振ゴム及びラック衝突部位への緩衝材の設置を行うと共に、ラック可動車を緩衝材付可動車に交換する。


2段可動式駐輪機の施工例(chord作成)
防振対策を施している部分を赤色で示す。

上段ラック可動部の緩衝材付可動車 への交換例

当たりゴム設置の施工例
対応する不具合と原因 不具合
  • 設備からの騒音、振動(駐輪機の振動による固体伝搬音)(参考:参考文献3)(V-3)
  • 設備からの騒音、振動(駐輪機を稼働させた際に発生する空気伝搬音及び固体伝搬音)(参考:参考文献3)(V-3)
原因
  • 駐輪機本体の固定方法の不良
  • 駐輪機可動部の防振・防音措置不良 等
適用条件
  • あと施工アンカーを用いて駐輪機支柱を盛り替えるにあたり、既存ボルトが干渉しない位置に支柱を移動しても使用上支障がない場合に適用が可能である。
工事手順の例
防振ゴム及び緩衝材の設置等による補修方法の例を示す。
1.事前調査
当事者へのヒアリングを行うと共に、現場での騒音の発生状況を確認し、原因調査を行う。
自転車の出し入れ時に衝撃音が発生する部位を把握するとともに、原則として騒音測定を行い、実態を把握する。
2.必要対策量を満足する製品の選定
事前調査で得られた結果に応じて、必要対策量を満足する防振ゴムを選定する。(※1)
3.駐輪機の取り外し
対象となる駐輪機支柱の固定ナットを外し、駐輪機を取り外す。
既存アンカーの頭部を切断する。
切断箇所をモルタルにて埋め、平滑にする。
4.防振ゴム固定用アンカーの設置
防振ゴム固定用のあと施工アンカーを取り付ける穿孔位置を決定し、墨出しする。
コンクリートドリルで所定の深さまでスラブを穿孔する。
集塵機等を使用し、孔内の切紛を除去する。
防振ゴム固定用のあと施工アンカーをスラブに取り付ける。
5.駐輪機の再設置
防振ゴムを防振ゴム固定用のあと施工アンカーに取り付ける。
あと施工アンカーに取り付けた防振ゴムを挟み込むように駐輪機を再設置する。
6.緩衝材の設置
自転車の出し入れ時に衝撃音が発生する部位に、緩衝材を設置する。
ラックの可動車を緩衝材付のものに交換する。
7.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
片付け、清掃を行う。
原則として補修後の上階の騒音測定を行い、補修措置の性能向上効果の確認を行う。
備考
(※1)
防振ゴムは、設置可能な箇所数に応じて1ヶ所あたりの負担荷重とばね定数とを算定し、ラックの固有振動に対応した製品を選定することを原則とする。また、ボルト非貫通の防振ゴムを設置することによりラックの振動の躯体伝搬は減じるが、同時にラック自体に揺れが生じやすくなるため安全性の確認を行うこと。
  • 遮音補修は、許容できる騒音の程度には個人差があることに十分に注意して行う必要がある。少しでも音が聞こえている以上、うるさいと評価される可能性を持っている。
    したがって、遮音補修によってある一定の遮音性能を確保すれば万全ということではなく、ユーザーの要求や対象空間の音環境を十分調査する必要があるとともに、補修前に居住者等に十分に説明し、現状に対する騒音の低減の程度を理解してもらうことが重要である。(参考:参考文献2)
  • 駐輪機による音は、駐輪機の振動による固体伝搬音が問題となることが多い。しかし、住戸の外壁開口部等と駐輪機が近接している場合は空気伝搬音が問題となることがある。(参考:参考文献3)
  • 床と駐輪機支柱との間に挟み込む防振ゴムは躯体への固体伝搬音の低減に効果があり、自転車の出し入れ時に衝撃音が発生する部位やラック可動車に設置する緩衝材は空気伝搬音の低減に効果がある。
  • 防振ゴムはばね定数が設定されており、防振設計を行いやすいが、施工性のよい防振パッドを採用する場合もある。

    防振パッドの施工例

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 音響技術No.130 [p2 3.1②、p3 表1] (一社)日本音響材料協会 (一社)日本音響材料協会
2 部位別・図解 木造住宅の防音リフォームマニュアル [p140 7.3] (財)日本住宅リフォームセンター(現・(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター) (株)彰国社
3 集合住宅の遮音性能・遮音設計の考え方 [p158~159] (一社)日本建築学会 (一社)日本建築学会
4 集合住宅の騒音防止設計入門 [p144~146 6.9] NPO法人建築音響共同研究機構 (株)学芸出版社