補修方法編

補修方法シート

【鉄筋コンクリート造住宅】

騒音大便器からの音・振動の伝搬を防止する措置 V-3-304
RC造
工事概要

便器底面に防振材を設置し、小便行為で発生する固体音を低減させる。


便器への防振材設置の例(chord作成)

便器取付け部(chord作成)
防振対策を施している部分を赤色で示す。
対応する不具合と原因 不具合
  • 設備からの騒音、振動(小用時の尿の衝突により便器が振動し、下階における固体伝搬音の発生)(引用:参考文献2)(V-3)
原因
  • 衛生設備機器構成部材の選択不良
  • 下階室用途に対する適切な仕様選択への配慮不足(上下階での間取りの相違による便所下階に居室が配置される場合等)(参考:参考文献2)
適用条件
  • 床上の壁排水便器に適用する。(※2)
工事手順の例
製品の選定及び施工方法は各製造所の仕様による。以下に基本的な手順を示す。
1.事前調査
当事者からのヒアリングを行うと共に、現場での騒音発生状況を確認し、原因調査を行う。
原則として騒音測定を行い、実態を把握する。
2.目標性能を満たした製品の選定
事前調査で得られた結果に応じて、適用条件及び必要対策効果量を満たす防振材を選定する。(※1)
3.パイプスペース壁の撤去、排水横枝管のかさ上げ
壁排水管の接続部があるパイプスペースの壁を撤去し、接続部を露出させる。
壁排水管を設置する防振材厚分高くなるように接続し直す。
4.壁下地の再設置
パイプスペース壁のせっこうボードを施工する。
5.便器底面へのシート張り付け
取り外した便器の裏面に、接着剤を塗布し防振材を設置する。
  • 便器裏面に防振材を設置する際には、防振材が剥がれないよう、シート張付け面を乾いた布等で埃や湿気を十分に取り除く。
6.便器の排水接続
便器を表向きにし、便器に接続パッキンを取り付け、排水管に便器を差し込む。
  • 便器の排水管接続時は、便器裏面の防振材がめくれないよう便器を持ち上げながら接続する。
7.便器の固定
ゴムワッシャー、化粧キャップで便器を固定する。
8.シーリング材の施工
防振材部にシーリング材を施工し、ゴム材を隠蔽する。
9.壁仕上材の施工
壁のせっこうボードに仕上材を施工する。
10.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
養生等を撤去の上、片付け、清掃を行う。
原則として補修後の上下階の騒音測定を行い、補修措置の性能向上効果の確認を行う。
備考
(※1)
目標性能については、CASBEE-住戸ユニット(新築)室内騒音レベルの評価レベルが参考になり、当該評価レベルと同等程度の性能が確認される工法によるものとする。なお、性能の確認は公的な試験機関等で行われたものであることが望ましい。
(※2)
便器を乾式二重床上に設置する場合は、床構造による緩衝効果が働き、発生音のレベルは低くなり問題となるケースは低下する。(参考:参考文献2)
  • 遮音補修は、許容できる騒音の程度には個人差があることに十分に注意して行う必要がある。少しでも音が聞こえている以上、うるさいと評価される可能性を持っている。
    したがって、遮音補修によってある一定の遮音性能を確保すれば万全ということではなく、ユーザーの要求や対象空間の音環境を十分調査する必要があるとともに、補修前に居住者等に十分に説明し、現状に対する騒音の低減の程度を理解してもらうことが重要である。(参考:参考文献1)

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 部位別・図解 木造住宅の防音リフォームマニュアル [p140 7.3] (財)日本住宅リフォームセンター(現・(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター) (株)彰国社
2 集合住宅の騒音防止設計入門 [p107,108] NPO法人建築音響共同研究機構 (株)学芸出版社