補修方法編

補修方法シート

【鉄骨造住宅】

不具合事象の原因別補修方法リスト

基礎の沈下K-1
S造

原 因 不具合事象の発生している基礎の種類 補修方法 シートNo.
(シートNo.群)
補修工事の特性 居住条件
地盤条件の設定過程の不良

地盤条件設定値の不適合

施工方法の選択不良
布基礎

べた基礎
建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 表層より下の支持地盤に対してK-1-702は耐圧版を設け、直接支持する工法であり、K-1-402は鋼管で支持する工法である。
K-1-703は支持地盤に非流動性のグラウトを圧入し、建物を隆起させる工法である。基礎から建物を切り離せる場合には、K-1-401、K-1-403も考えられる。
いずれも専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402
基礎のジャッキアップ+耐圧版工法 K-1-702
建物のジャッキアップ
+基礎天端レベル調整
K-1-403
非流動性グラウト圧入工法 K-1-703
杭基礎 基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402 K-1-402は鋼管で支持する工法である。
K-1-701は支持地盤に杭が充分打ち込まれていない場合に適用する。
基礎と建物を切り離せる場合には、K-1-403も考えられる。
いずれも専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
基礎のジャッキアップ
+既設杭再圧入工法
K-1-701
建物のジャッキアップ
+基礎天端ならし
K-1-403
基礎形式選定の不適合 布基礎

べた基礎
建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 表層より下の支持地盤に対してK-1-702は耐圧版を設け、直接支持する工法であり、K-1-402は鋼管で支持する工法である。
基礎から建物を切り離せる場合には、K-1-401も考えられる。
いずれも専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402
基礎のジャッキアップ+耐圧版工法 K-1-702
基礎の断面寸法・配筋方法の不良

基礎の配置・間隔不良
布基礎 建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 表層より下の支持地盤に対してK-1-702は耐圧版を設け、直接支持する工法であり、K-1-402は鋼管で支持する工法である。
基礎から建物を切り離せる場合には、K-1-401も考えられる。
いずれも専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402
基礎のジャッキアップ+耐圧版工法 K-1-702
杭基礎 基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402 K-1-402は鋼管で支持する工法である。
専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
コンクリート、鉄筋、杭の規格不適・品質不良 布基礎

べた基礎・杭基礎
(専門家と個別に相談を行い、補修方法を決定する。)
敷地の安全対策の不備

既存擁壁への対応不備
布基礎

べた基礎
建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 敷地の安全対策の不備、既存擁壁への対応不備等を原因とする敷地地盤等の変状による基礎の沈下に対しては、 敷地地盤等を再施工又は、補強、補修し、地盤を安定させた上でK-1-401~K-1-703のいずれかの補修方法を適用する。
既設擁壁に対する建物位置等が不適切な場合には鋼管圧入(K-1-402)が考えられる。
いずれも専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402
基礎のジャッキアップ
+既設杭再圧入工法
K-1-701
基礎のジャッキアップ+耐圧版工法 K-1-702
建物のジャッキアップ
+基礎天端レベル調整
K-1-403
非流動性グラウト圧入工法 K-1-703
敷地の安全対策の不備

既存擁壁への対応不備
杭基礎 基礎のジャッキアップ+鋼管圧入工法 K-1-402 敷地の安全対策の不備、既存擁壁への対応不備等を原因とする敷地地盤等の変状による基礎の沈下に対しては、 敷地地盤等を再施工又は、補強、補修し、地盤を安定させた上でK-1-402、K-1-701、K-1-403のいずれかの補修方法を適用する。
既設擁壁に対する建物位置等が不適切な場合には鋼管圧入(K-1-402)が考えられる。
いずれも専門家により、現況の地盤及び基礎の状況を調査等により把握し、現況の地盤に適合した基礎とすることが重要である。
基礎のジャッキアップ
+既設杭再圧入工法
K-1-701
建物のジャッキアップ
+基礎天端レベル調整
K-1-403

基礎のひび割れ・欠損K-2
S造

原 因 不具合事象の発生している基礎の種類 補修方法 シートNo.
(シートNo.群)
補修工事の特性 居住条件
(「基礎の沈下」の原因) 基礎 「基礎の沈下」を参照して、
「基礎の沈下」の発生原因に対応した補修を実施し、併せて基礎のひび割れ、欠損の補修を行う
(K-1)
基礎の断面寸法・配筋方法等の不良

基礎の配置・間隔不良
基礎コンクリート 建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 ひび割れ(・欠損)の補修は、ひび割れ(・欠損)の原因が構造耐力上の問題によらない場合に適用する。また、 原因が構造耐力上の問題による場合は、補修工事の実施によりその問題が取り除かれていることが専門家の調査により確認された場合に限り適用する。
1.0㎜程度までの挙動(進行)がないひび割れ*には、樹脂注入工法、挙動(進行)のあるひび割れ*及びひび割れ幅が1.0㎜を超える場合にはシール材充填工法の 採用が一般的である。欠損部に対しては充填工法の採用が一般的である。鉄筋の腐食を伴う大きな損傷の場合にはコンクリートの打直しも想定される。
樹脂注入工法 K-2-401
Uカットシール材充填工法 K-2-601
シール工法 K-2-602
充填工法 K-2-402
打直し工法 K-2-403
増し打ち工法 K-2-404
コンクリート及び杭の規格不適・品質不良 基礎コンクリート (専門家と個別に相談を行い、補修方法を決定する。)
基礎の補強筋の不良 基礎コンクリート 建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 ひび割れ(・欠損)の補修は、ひび割れ(・欠損)の原因が構造耐力上の問題によらない場合に適用する。また、 原因が構造耐力上の問題による場合は、補修工事の実施によりその問題が取り除かれていることが専門家の調査により確認された場合に限り適用する。
1.0㎜程度までので挙動(進行)がないひび割れ*には、樹脂注入工法、挙動(進行)のあるひび割れ*およびひび割れ幅が1.0㎜を超える場合にはシール材 充填工法の採用が一般的である。欠損部に対しては充填工法の採用が一般的である。
鉄筋の腐食を伴う大きな損傷の場合にはコンクリートの打直しも想定される。損傷が基礎全体に及んでいる場合には、基礎の再施工も考えられる。
樹脂注入工法 K-2-401
Uカットシール材充填工法 K-2-601
シール工法 K-2-602
充填工法 K-2-402
打直し工法 K-2-403
増し打ち工法 K-2-404
モルタルの塗り替え K-2-603 鉄筋の腐食を伴う大きな損傷の場合にはコンクリートの打直しも想定される。損傷が基礎全体に及んでいる場合には、基礎の再施工も考えられる。
柱脚接合部の構造計画の不良

柱脚部アンカーボルトのかぶり厚さ不足
基礎コンクリート 樹脂注入工法 K-2-401 ひび割れ(・欠損)の補修は、ひび割れ(・欠損)の原因が構造耐力上の問題によらない場合に適用する。また、 原因が構造耐力上の問題による場合は、補修工事の実施によりその問題が取り除かれていることが専門家の調査により確認された場合に限り適用する。
1.0㎜程度までので挙動(進行)がないひび割れ*には樹脂注入工法、欠損部には充填工法の採用が考えられる。
充填工法 K-2-402
増し打ち工法 K-2-404
柱脚部の取替え、アンカーボルトの新設置 G-1-402
床下換気口等、開口部補強等の不良

施工方法の選択不良

コンクリートの打設不良

コンクリートの養生不良
基礎コンクリート 建物のジャッキアップ
+基礎の再施工
K-1-401 ひび割れ(・欠損)の補修は、ひび割れ(・欠損)の原因が構造耐力上の問題によらない場合に適用する。また、 原因が構造耐力上の問題による場合は、補修工事の実施によりその問題が取り除かれていることが専門家の調査により確認された場合に限り適用する。
1.0㎜程度までので挙動(進行)がないひび割れ*には、樹脂注入工法、挙動(進行)のあるひび割れ*及びひび割れ幅が1.0㎜を超える場合にはシール材充填工法の採用が一般的である。 欠損部に対しては充填工法の採用が一般的である。
樹脂注入工法 K-2-401
Uカットシール材充填工法 K-2-601
シール工法 K-2-602
充填工法 K-2-402
打直し工法 K-2-403
増し打ち工法 K-2-404
仕上材の施工不良 仕上げモルタル 樹脂注入工法 K-2-401 0.2㎜程度以下のひび割れには、シール工法が一般的である。1.0㎜程度までので挙動(進行)がないひび割れ*には、 樹脂注入工法、挙動(進行)のあるひび割れ*及びひび割れ幅が1.0㎜を超える場合にはシール材充填工法の採用が一般的である。欠損部に対しては充填工法の採用が一般的である。 仕上材の全面にひび割れが発生している場合等には、既設モルタルを剥がし、塗り替える手法も想定される。
Uカットシール材充填工法 K-2-601
シール工法 K-2-602
充填工法 K-2-402
モルタルの塗替え K-2-603
*参考:建築改修工事監理指針 平成28年版(第1版)(上巻) p390 表4.3.1
参考 基礎・地盤等の補修方法の選択に関する情報提供(S造 補修方法編)
基礎の補修に当たっては、まず、各部の損傷の状況と基礎及び地盤の沈下状況、基礎の構造方法と地盤条件の関係などを考慮して、沈下の要因を明確にすることが重要である。沈下修正に要する費用は、他の部位の修復と比較して一般に高額になることが多く、また補修方法の選択によっては補修の効果や費用も大きく異なる場合があるので、適切な調査と診断に基づいて補修方法を合理的に設定しなければならない。
既存擁壁の安定性が乏しい場合や新規の盛土地盤などの場合は、沈下修正工事によって一時的に補修できたとしても、時間の経過により不同沈下や傾斜が再度発生することもあるので、地盤条件や敷地の生い立ちなどの詳細を把握することが重要である。沈下の要因が、周辺の擁壁などの影響による場合は、住宅のみの補修では本質的な補修にならないことがあるので注意が必要である。沈下状況の評価に際しては、剛体としての基礎・床の傾斜や変形・歪みを伴う基礎の傾斜の双方を求めることが重要であり、基礎の一体性や基礎のひび割れの発生位置などを考慮して計測位置を適切に定めなければならない。
下図は、基礎の沈下を補修する方法として本書に記載された工法の適用条件等をまとめ、工法選択に際して、参考となる目次として作成したものである。なお、補修工法、補修費用、建物の使用性によっては、この目次を参考にすることが適切でない場合がある。