補修方法編

補修方法シート

【木造住宅(在来軸組工法)】

降雨による漏水窯業系サイディング幕板の再施工W-1-516
木軸・木枠
工事概要

幕板とこれに取り合う上下のサイディングを撤去し、下地から再施工する。


補修前の例(chord作成)

補修後の例(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 降水による漏水(W-1)
原因
  • 外壁仕上材の割付け不良・支持不良
適用条件
  • 漏水が地盤沈下や基礎の問題、軸組の問題が要因でない場合に適用が可能。
工事手順の例

[サイディング横張りの例で示す]

1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場での事前調査により、適用条件を満たしていることを確認する。
漏水の状況・原因を確認する。
幕板の下地になっているサイディングの板幅を調べ、補修後の幕板の取付け高さが補修前と同じに施工できるか確認する。補修後の幕板の取付け高さが補修前と変わる場合は、幕板と取り合う他の部材との取り合いを確認し、工事計画を立てる。
  • 必要に応じて足場を設置して高所の確認を行う。
2.足場の設置
該当部分に足場を設置し、解体時に発生する粉塵や吹付け塗布材が隣地に拡散しないようにその外回りに防塵シートを張る。
3.外壁の状況確認
幕板およびサイディングの張り方の状況やくぎの位置関係等を確認する。
4.幕板と外壁の撤去 以下の方法により幕板および必要範囲の外壁を撤去し、縦胴縁を露出させる。
雨どい、水切、関連する外壁面に付属しているものを一時取り外し、シーリング材を除去する。
くぎ抜き等を利用して幕板および必要範囲のサイディングを取り外す。
  • 外壁材(サイディング)の撤去時に、間柱、縦胴縁、胴縁受け等の躯体を傷つけないようにすること。
5.縦胴縁および防水紙の撤去
外壁の撤去後、防水紙(透湿防水シート)の状況を確認し、不具合の範囲が広がっている場合は、さらに範囲を広げて外壁を撤去する。
必要範囲の縦胴縁を取り外し、防水紙を撤去する。
6.透湿防水シートの施工
防水紙(透湿防水シート)横張りとする。透湿防水シートの上下の重ね幅は90㎜以上、左右の重ね幅は150mm以上とする。(参考:参考文献1)
既存防水紙(透湿防水シート)との重ね幅も同様とする。上下の重ねは、上の防水紙が下の防水紙に被さる張り方とする。
7.縦胴縁を鉛直方向に設置
縦胴縁は、下地材の位置および既存の縦胴縁に合わせて取り付ける。(*1)
  • サイディングの縦目地の部分は縦胴縁をダブルまたは幅90mm以上で設置する。(参考:参考文献2)
8.サイディングと幕板の取り付け
サイディングの割付を確認し、サイディング横目地(相じゃくり目地)と幕板の取付け高さの関係から、幕板の取付け回りの納まりを決める。


相じゃくり目地の上に幕板を
かぶせて納める場合

相じゃくり目地を切断して
幕板を納める場合
幕板の取付け納まりの例(引用:参考文献2)

木造G-3-101(サイディングの張替え)に準じてサイディングを張る。
手順1で計画した納まりで幕板を張る。
  • 相じゃくり目地の上に幕板をかぶせて納める場合は、幕板上部とサイディングとの入隅にシーリング材を施す。
  • 相じゃくり目地を切断して幕板を納める場合は、サイディング施工時に幕板を張り、製造所の指定する水切を取り付けてから上部のサイディングを張る。
    また、水切上部のサイディングは、水切に対して突付けにならないようすき間をあけて納める。(参考:参考文献2)
9.外壁に付属していた部材の取り付け
雨どい、水切、関連する外壁面に付属している部材を再度取り付ける。
10.足場の撤去
防塵シートを取り外し、足場の撤去を行う。
11.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
片付け・清掃を行う。
降雨時に浸水がないことを確認する。
  • 止水を確認するまで仮設は撤去しないことが望ましい。
備考 施工上の注意点
  • 幕板が下階の屋根、出窓、上階のバルコニーなどと取り合う箇所は、撤去の範囲、復旧の方法等について事前に計画を立て、納め方、施工順序等を明確にして施工する必要がある。
    (*1)防腐処理された胴縁を使用する場合は、防腐処理に使用している薬剤が透湿防水シートの性能を低下させることがあるため、施工中は胴縁を濡らさないようにし、胴縁の施工後は速やかに外装材を施工するよう留意する。(参考:参考文献1、3)

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)[p153~154] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 窯業系サイディングと標準施工(第2版2刷)
[p13,p24,p39](NPO法人住宅外装テクニカルセンター)
日本窯業外装材協会
3 JIS A6111:2016透湿防水シート[p解5~6(解説7)] 揖斐敏夫 (一社)日本規格協会