調査方法編

バルコニーからの漏水

1.バルコニーの防水の考え方

バルコニー(ベランダも同様。)の防水は、対象部位がはね出しバルコニーであるかルーフバルコニーであるか等の形式確認と、対象部位の防水下地がコンクリート系(*1)であるか木質系(*2)であるかの確認を行い、該当する項目を適用する必要がある。
ただし、すのこ状や格子状など防水性能を必要としない床面のバルコニーは本項を適用しない。
(*1):現場打ち鉄筋コンクリート又はプレキャストコンクリート部材で造られた防水下地(参考1)
(*2):木質系ボード又は無機質系のボード類で造られた防水下地(参考2、参考3)

なお、バルコニーは、床面にエアコン室外機等の設備機器やプランターの設置などの防水以外の性能が要求されることがあるため利用目的に応じた防水工法が選択される。
また、勾配が緩やかなため、水を溜めることなく速やかに排水させる設計が求められる。

2.バルコニーの形式・防水下地と防水種別の組み合わせ

(1)
バルコニーの形式
バルコニー形式には、はね出し式、方づえ式、既製品を用いるもの、ルーフバルコニーなどさまざまな形式がある。(引用1)
特に、ルーフバルコニーは下階屋内空間の屋根に求められる性能を兼ねているため、「陸屋根」と見なすこともできる。
(2)
バルコニーの防水下地と防水種別の組み合わせ
防水工法の選択は主に適用部位・用途や下地等により判断される。コンクリート系の防水下地のバルコニーの場合は、合成高分子系シート防水又は塗膜防水が採用されることが一般的である。(参考4)
木質系ボード又は無機質系のボード類で造られた防水下地のバルコニーの場合は、施工効率の良さから(参考5)FRP系塗膜防水(*)又はFRP系塗膜防水と改質アスファルト防水又はウレタン塗膜防水を組み合わせた工法が採用されることが多い。(参考6)
(*):FRPとは、繊維補強した合成樹脂のことで、強化プラスチックとも呼ばれている。一般にはガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂の複合材が多く、これを建築の防水に適用したものをFRP防水という。(参考5)
参考1
  • 「建築工事標準仕様書・同解説」 JASS8 防水工事(2014年版)p106解説表1.8((一社)日本建築学会編集、発行)
参考2
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(第2版)2章2.1解説p20、21((社)日本建築学会編集、発行)
参考3
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」p112,p165(住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
引用1
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」p113(住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
参考4
  • 「建築工事標準仕様書・同解説」 JASS8 防水工事(2014年版)p106解説表1.8((一社)日本建築学会編集、発行)
参考5
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(第2版)序(2000年6月),1章1.2 p1、3章3.1解説p32((社)日本建築学会編集、発行)
参考6
  • 「まもりすまい保険設計施工基準・同解説(2012年版)第4版」p41(住宅瑕疵担保責任保険法人住宅保証機構(株)発行)

3-1.コンクリート系下地バルコニーの防水材料・防水工法

  • コンクリート系下地バルコニーの防水材料、防水工法については[陸屋根からの漏水]の「2.防水材料・工法の分類」を参照する。

3-2.木質系下地バルコニーの防水材料・防水工法

(1)
防水材料
木質系ボード又は無機質系のボード類を床面材としたバルコニーの防水において、FRP系塗膜防水工法又はFRP系塗膜防水との複合工法の実績が多いため、FRP系塗膜防水の防水材料を対象とする。
FRP系塗膜防水の主材料は、防水用ポリエステル樹脂、防食用ポリエステル樹脂、防食用ビニルエステル樹脂、硬化剤、防水用ガラスマット、通気緩衝シート、保護・仕上材、トナーなどである。
防水用ポリエステル樹脂
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」
のCD-ROMをご参照ください
防食用ポリエステル樹脂
防食用ビニルエステル樹脂
硬 化 剤
防水用ガラスマット
引用2
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(2010)p2~3((社)日本建築学会編集、発行)
通気緩衝シート
防水材と併用して下地の湿気を拡散させる機能を持ち、かつ下地の動きに対し防水層を追従させる機能を持つ下張り緩衝材。(引用3)
保護・仕上材
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
ト ナ ー
(2)
防水仕様
防水層の仕様には、密着仕様と通気緩衝仕様がある。
密着仕様
下地面にFRP系塗膜防水材を全面にわたって塗り付ける仕様である。
通気緩衝仕様(参考7)
密着仕様の場合は、下地水分などが影響してFRP系塗膜防水層のはく離やふくれにつながる場合がある。その対策として、改質アスファルト等の通気緩衝シートをFRP系塗膜防水層と下地の間に配置して通気層と緩衝層を設けることにより、下地に対する追従性と下地の水分を脱気させることを可能とした仕様である。
密着仕様の例<L-FF仕様(JASS8標準仕様)>(引用4一部加筆)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
引用3
  • 「木造住宅バルコニー FRP防水施工標準仕様書<平成24年改定版>」p2(FRP防水材工業会技術委員会編集、FRP防水材工業会発行)
参考7
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(2010)p40(4)3行目((社)日本建築学会編集、発行)

引用4
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(2010)p5((社)日本建築学会編集、発行)表3.1をもとに作成
通気緩衝仕様の例<L-FS仕様(指針仕様)>(引用5一部加筆)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
引用5
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(2010)p6((社)日本建築学会編集、発行)一部加筆
(3)
下地の構造
木質系又は無機質系のボード類を下地張りとしたバルコニーは、下地板のたわみ、目違い、水平方向のずれなど、防水層の割れや破断に結びつく変形が生じやすい。
また、バルコニーの下地には排水のための勾配が求められる。長方形の平面を成すバルコニーの床排水は、バルコニーの先端に向けた排水勾配を設けて一度排水溝に雨水を集め、勾配が付けられた排水溝を流れて排水ドレンに導くしつらえが排水の基本的な考え方である。
<下地構造の参考例>(引用6)
6.
FRP塗膜防水仕上げの下地板張りは次による。
イ.
下地板はJASに適合する普通合板の1類、構造用合板の1類もしくは特類、又は構造用パネルとする。
ロ.
下地板を受ける根太間隔が350㎜以下では、下地板は厚さ12㎜を2枚張り又は15㎜を1枚張りとする。
ハ.
下地板を受ける根太間隔が500㎜以下では、下地板は厚さ15㎜と12㎜の2枚張りとする。
ニ.
専用の勾配付断熱材を用いる場合は、下地板は厚さ12㎜を1枚張りとする。
ホ.
イからニによらない場合の下地板張りは特記による。
7.
下地板は1/50以上の勾配を設け、溝部分では1/200以上の勾配を設ける。2枚以上重ねる場合は継目が重ならないようにし、目違い、段差及び不陸が生じないようにする。
引用6
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」p112~113(住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)

バルコニー床防水例(引用7)
引用7
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」p167(住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)

4-1.コンクリート系下地バルコニーからの漏水の発生しやすい箇所

  • コンクリート系下地バルコニーからの漏水の発生しやすい箇所については[陸屋根からの漏水]の「3.陸屋根からの漏水の発生しやすい箇所」を参照する。

4-2.木質系下地バルコニーからの漏水の発生しやすい箇所

陸屋根同様、バルコニーからの漏水の浸入経路を特定することは容易でない。これは、室内側の壁面及び天井面の漏水によるしみ等が発生している位置から屋外側の防水層の不具合箇所を単純に推定することが難しいためである。
木質系バルコニーの床防水は、防水床面、防水立上り部、サッシとの取合い部、排水ドレンの納まり部等において、コンクリート系のように下地が一体化されていないため、他の構成部材との取合い部で動きが生じ、以下のような防水箇所から漏水する場合が多い。(参考8)
  • 防水下地板の突き合わせ部
  • 床及び排水溝の勾配不足による床面一般部
  • 防水層の立上り部
  • 防水層の端部処理部
  • サッシ下枠及びサッシ縦枠取り合い部
  • 防水層の排水ドレン納まり部
  • オーバーフロー管の防水層貫通部
  • 防水層の出隅・入隅・それらの交点等
参考8
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」p166(住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)

5-1.コンクリート系下地バルコニーの防水層からの漏水の発生原因

  • コンクリート系下地バルコニーの防水層から漏水の発生原因については[陸屋根からの漏水]の「5.防水層からの漏水の発生原因」を参照する。

5-2.木質系下地バルコニーの防水層からの漏水の発生原因

(1)
不適切な防水層の設計
木質系下地バルコニーの防水層の設計段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。
防水工法の選択
防水層端部の設計上の納まり
排水ルート、排水勾配、ドレン等の設置箇所
(2)
不適切な防水層の施工等
木質系下地バルコニーの防水層の施工段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。
防水層及び防水下地の品質
防水層及び防水下地の施工(防水層端部の納まり等)
排水ルート、ドレン等の施工
(3)
不適切な使用・メンテナンス
居住者の使用・メンテナンスに以下のような不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。
本来の目的以外の使用
想定した荷重以上の重量物の設置等
ドレン等排水部分のメンテナンス不良
植物等の繁茂
事前確認等
  • 0 事前確認等」によるほか、調査に先立ち「陸屋根からの漏水」の「0 事前確認等」に例示しているヒアリングシートを参考に居住者へのヒアリングを行う。

1-1 コンクリート系下地バルコニーの漏水の発生状況の確認

1-2 木質系下地バルコニーの漏水の発生状況の確認

調査の視点

  • バルコニーからの雨水の浸入による漏水は、浸入経路を特定することが容易でない場合が多いが、バルコニー面の防水の状況を観察することにより、大まかに発生原因を推定することは可能である。
  • バルコニーの直下階の天井面及び外壁の室内壁面にあらわれた漏水が、必ずしもバルコニー面および取合い部からの水の浸入とは限らない場合もあり、外壁、庇等に生じるひび割れ等の拡大、バルコニー手すり笠木の取付不良などによってバルコニー平面部および取合い部以外からの水の浸入もある。また、排水管等の結露の可能性も念頭に入れて調査を行う。

調査方法

1.漏水発生部位の確認

(1)調査方法

  • 漏水(又は漏水によるしみ、はがれ等)が住戸内部のどの部分に発生しているかを目視にて確認する。必要に応じて、バルコニー床の下階上げ裏点検口等よりバルコニー下面の漏水の発生部分を目視にて確認する。
  • バルコニー面の防水層の変形、ひび割れ、はがれ等がないかを目視等により確認する。部位ごとに確認する主な項目を以下に列記する。

    防水層の一般部(平面部および排水溝)
    1)
    防水層にひび割れ等が生じていないか。ひび割れが生じている場合には、位置を記録し、幅をクラックスケール等により測定する。
    2)
    防水層の下に水が回っていないか(指触により確認)、又は下地板の目違い、ずれ、たわみなどの変形がないか(下階上げ裏点検口等から目視により確認)。
    3)
    防水層のはがれ、塗り継ぎはく離等が生じていないか。はがれ、塗り継ぎはく離の位置及び範囲を目視又は指触により確認する。はがれ、塗り継ぎはく離の箇所において防水層の下に水が回っていないかを指触などにより確認する。
    4)
    防水層にふくれが生じていないか。目視又は指触により、ふくれ発生の位置及び範囲を確認する。ふくれ箇所において、防水層の下に水が回っていないかを指触により確認する。
    5)
    防水層にピンホールがないか。目視により確認する。ピンホール箇所において、防水層の下に水が回っていないかを指触により確認する。
    6)
    防水層の表面が凹凸状や網目状になっていないか。目視又は指触により、ガラスマットの露出やトップコートのはく離がないか確認する。ガラスマットの露出やトップコートのはく離箇所において、防水層の下に水が回っていないかを指触により確認する。
    防水層の端部
    <外壁や腰壁の防水層立上り部分>
    1)
    防水層の一般部と同様の不具合が生じていないか。目視又は指触により確認する。不具合が生じている箇所において防水層の裏に水が回っていないかを指触などにより確認する。
    2)
    立上り防水層の端部が下地からはく離していないか。目視又は指触により、はく離発生の位置及び範囲を確認する。はく離箇所において、防水層の裏に水が回っていないかを指触により確認する。

水切り金物がある場合

水切り金物がない場合
壁の防水立上り端部納まりの例(引用8)
引用8
  • 「木造住宅バルコニー FRP防水施工標準仕様書<平成24年改定版>」(2010)p7~8(FRP防水材工業会技術委員会編集、FRP防水材工業会発行)
<サッシ部の防水層立上り部分>
1)
防水層の立上り範囲にサッシが設置されている箇所は、防水層がサッシの下枠および縦枠まで達していない状態になっていないか。目視又は指触、必要に応じて調査機器を用いてサッシの枠部分を確認する。防水層とサッシの枠が密着していない箇所において、防水層の裏に水が回っていないかを指触により確認する。
2)
サッシと防水層の接触部分は、シール材又はパッキング材等の止水材料が脱落していたり、破断、はく離している状況になっていないか。目視又は指触により、サッシと防水層の接触部分を確認する。サッシと防水層の接触部分において、防水層の裏に水が回っていないかを指触により確認する。
ドレン等および排水部分
1)
防水層がドレンおよびオーバーフロー管(以下、「ドレン等」という。)からはく離していたり、ドレン等まで達していない又はドレン等の周囲でひび割れ、破断が生じていないか。目視又は指触により、ドレン等と防水層の納まりを確認する。ドレン等と防水層の納まり部分において、防水層の裏に水が回っていないかを指触により確認する。
2)
バルコニー床面および排水溝に水がたまっている箇所がないか。ドレンの位置、排水方向、不陸の程度を目視、スケール等で確認する。
3)
ドレン部にごみや泥によるつまりがないか、植物等の繁茂はないか確認する。
4)
オーバーフロー管の取付高さが、最も低い防水層立上り高さより低い位置に取り付けられていることを確認する。

(2)注意事項等

  • 目視調査等は降雨時又は降雨の直後がわかりやすい場合もあるので、想定される漏水原因によって、調査日を検討する。
  • 居住者へのヒアリングにより事前確認をし、漏水時期等を把握しておくことも重要である。新築直後か、経過年数が長いか、又は漏水発生の直前に防水改修工事や設備機器設置等の工事を行ったか等を調査する。
  • 結露による漏水の発生も想定されるため、漏水の発生した居室等の使用状況(暖房、換気等)またドレン、樋が部屋内に配管されていないか確認する。
  • バルコニー手すり壁の上端に取り付けた手すり笠木や、バルコニー手すり壁に設けた開口部又はスリット等の笠木の取付不良などにより漏水が発生することもあるため、これらの取付状況についても確認する。

調査結果の考え方

  • バルコニー平面部の防水層のひび割れ、はがれ等が生じている場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。
  • 防水層にふくれや浮きがあり、かつ防水層の内部に水が回っていることが確認された場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。
  • 防水層端部(外壁やサッシの立上り部等)のはく離、シール材の切れが生じている場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。
  • ドレン部のつまりや、植物が繁茂している場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。

使用する検査機器

2-1 コンクリート系下地バルコニーの設計内容の確認

  • コンクリート系下地バルコニーの漏水の設計内容の確認は[陸屋根からの漏水]の「2 設計内容の確認を参照する。

2-2 木質系下地バルコニーの設計内容の確認

調査の視点

  • 設計段階において、防水対策が適切に行われているかを確認する。

調査方法

1.防水層の設計内容の確認

確認のポイント(参考9,参考10)
防水工法の選択
防水層端部の設計上の納まり
排水ルート、排水勾配、ドレン等の設置箇所

(1)調査方法

  • 当該住宅の設計図書(設計図、仕様書等)を対象として、防水層に係る設計が適切に行われているかを確認する。なお確認にあたっては建設住宅性能評価関連図書等が参考となる。
  • <確認のポイント>に沿って確認する主な項目を示す。
    防水工法の選択
    • バルコニーの使用目的に照らして適切な工法が選択されているか。(エアコン室外機等の設備機器の設置の有無、重いプランターの設置の有無等)
    • 防水下地の変形等(目違い、ずれ、たわみなど)の構造的性能に照らして適切な工法が選択されているか。
    防水層端部の設計上の納まり
    • 外壁や腰壁の防水層立上り部・寸法、サッシ周囲の防水層立上り部・寸法、ドレン等排水部等の防水層および止水のための納まりの設計が適切に行われているか。
    排水ルート、排水勾配、ドレン等の設置箇所
    • バルコニー床面および排水溝の排水勾配は適切に確保されているか。
    • 排水方向、排水溝、ドレンがバルコニーの面積・平面形状に応じて適切に設置されているか。
    • オーバーフロー管は、防水層の立上り高さに応じて適切に設置されているか。
    • 建設地の過去の最大降雨量を考慮してそれに対応した排水管径と設置箇所数が確保されているか。

(2)注意事項等

  • 特になし
参考9
  • 「FRP防水工事施工指針・同解説」(2010)p3~10((社)日本建築学会編集、発行)
参考10
  • 「木造住宅バルコニー FRP防水施工標準仕様書<平成24年改定版>」(FRP防水材工業会技術委員会編集、FRP防水材工業会発行)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な設計が行われていない場合は、バルコニーの防水対策上の配慮不足が原因で漏水につながっている可能性が高い。
    ① 防水工法の選択
    ② 防水層端部の設計上の納まり
    ③ 排水ルート、排水勾配、ドレン等の設置箇所

使用する検査機器

  • 特になし

3-1 コンクリート系下地バルコニーの施工状況等の確認

  • コンクリート系下地バルコニーの漏水の施工状況等の確認は「陸屋根からの漏水」の「3 施工状況等の確認」を参照する。

3-2 木質系下地バルコニーの施工状況等の確認

調査の視点

  • 防水工事が適切に施工されているかを確認する。
  • 防水施工の不備により、防水層に不具合事象が発生している可能性があるため、書類及び目視等により、施工状況を確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
防水層及び防水下地の品質

(1)調査方法

  • 施工記録(施工計画書、工事状況報告書、工事写真等)及び建設住宅性能評価関連図書等により、把握できる範囲において施工が設計どおりに適切に行われているかを確認する。
    ○防水層の材料の品質、規格(JIS規格、JASS8 M規格等)
    ○防水層の仕様(標準仕様、通気緩衝仕様、複合仕様等)
    ○施工の工程

(2)注意事項等

  • 特になし

2.目視等による施工状況の確認

確認のポイント
防水層及び防水下地の施工(防水層端部の納まり等)
排水ルート、ドレン等の施工

(1)調査方法

  • 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを目視等により確認する。
  • 不適切な箇所が発見された場合には写真等で記録する。
  • 記録した結果を設計図書等と照らし合わせて確認する。
  • 防水の部位は、バルコニー床面の「平面部」と外壁、腰壁、サッシ等の立上り部およびドレン納まり部等の「防水層の端部」とに分けられる。漏水の事故例によると、防水層の端部にその発生原因がある場合が多く、まず漏水の発生しやすい外壁、腰壁、サッシ等の立上り部およびドレン納まり部等の防水層の端部から確認していくと効率が良い。
  • バルコニー手すり壁に取り付けた手すり笠木の取付不良や、手すり壁仕上げ材等のシーリング不良、防水紙および防水テープの張り方不良などにより漏水が発生することがあるため、必要に応じて仕上げ材等をはがしてこれらの施工状況についても確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、設計どおりの施工が行われていない場合、又は不適切な施工が行われている場合は、防水の施工不良等が原因で漏水につながっている可能性が高い。
    ①防水層及び防水下地の品質
    ②防水層及び防水下地の施工(防水層端部の納まり等)
    ③排水ルート、ドレン等の施工

使用する検査機器

  • スケール
  • カメラ

4-1 コンクリート系下地バルコニーの使用・メンテナンス状況の確認

4-2 木質系下地バルコニーの使用・メンテナンス状況の確認

調査の視点

  • バルコニー防水は、バルコニーの使用目的により適切な工法、仕様が選択される。設計、施工が適切に行われても、当初予定されていた目的以外の使用がなされた場合は、漏水につながることがある。
  • 定期的なメンテナンスが行われていない場合は、ドレンのつまり等により排水不良が生じ、漏水につながることもある。

調査方法

1.使用状況等の確認

(1)調査方法

  • 事前確認等を参考にして、バルコニーが当初予定されていた目的以外に使用がされていないか、また、使用・メンテナンス状況が適切かを目視により確認する。
    バルコニーが当初予定されていた使用目的以外の使われ方をしていないか。
    重量物の設置・移動等による防水層又は保護層の破損につながる行為がなかったか。
    ドレン等が落葉やゴミによってつまっていないか。

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの状況がある場合は、使用・メンテナンスの不備が原因で漏水につながっている可能性が高い。
    当初予定されていた目的以外の使用
    想定した荷重以上の重量物の設置等
    ドレン等排水部分のメンテナンス不良
    植物等の繁茂

使用する検査機器

  • 特になし
外的要因の確認

5 外的要因の確認」による。

詳細調査の必要性の検討

6 詳細調査の必要性の検討」による。