調査方法編

水による不具合

1.水による不具合とは

水による不具合とは、以下に示す住宅(建築物)を取り巻く水により引き起こされる外壁、屋根、バルコニー、外部開口部等からの水の浸入、または設備機器・配管からの水漏れなどの現象の一つであり、室内仕上面を汚損し、または室内に水滴を発生させるものをいう。

<住宅(建築物)を取り巻く水>
雨や雪などの降水
設備機器・配管類の設置不良、破損、使用上の不注意等によって漏れた生活水
地中に含まれる水分
結露となってあらわれる大気中の水分

漏水は、日常生活での居住性に支障をきたすだけでなく、以下に示すように住宅の耐久性や構造安全性の低下や、カビ等の発生原因となる場合もある。従って、漏水を発見した場合には、速やかに原因箇所を突き止めて必要な措置を講じることが重要である。
また、結露水による不具合は降水(雨水など)や設備機器・配管からの漏水などとは性格が異なるが、住宅においては漏水などと類似した不具合として生じることが多い。

<漏水などによりもたらされる影響>
水のしみ出しによる室内部材、家財等の汚損(カビ、しみ等)、仕上材のはがれ等
木材等の有機部材の腐朽
鉄筋・鉄骨の錆発生
乾湿の繰り返しに起因する材料の伸縮による変形等の不具合

参考
上記の漏水などによりもたらされる影響の他にも、住宅(建築物)に影響を及ぼす水の現象として、以下のようなものがある。
コンクリートの成分が溶け出し表面に現れる白華現象
流水等による外壁の汚損
コンクリート等の細孔に浸入した水分の凍結融解の繰返しに起因するコンクリート表面の剥離等

2.発生箇所による「水による不具合」の分類

「水による不具合」は、発生箇所により以下のように分類される。
※1
降水には雨水以外にも雪、ひょう、あられなどがあり、多雪地域においては雪の問題も大きいが、本資料集は一般地域を対象としているため、「雨水による漏水」について記載している。
※2
掲載する防水工法は、木造住宅工事仕様書(住宅金融支援機構)、FRP防水工事施工指針・同解説((一社)日本建築学会)等において木造住宅のバルコニーを適用対象としたFRP系塗膜防水とする。その他の工法は、各製造所の仕様等を参考にする。
※3
防水を施したコンクリート系下地のバルコニー(ベランダも同様に扱う。)からの漏水は、陸屋根からの漏水の合成高分子系シート防水からの漏水又は塗膜防水からの漏水による。