調査方法編

結  露

1.結露とは

結露とは、水蒸気を含む空気が壁などに触れて冷やされ、露点温度以下となり、過剰な水蒸気がその表面で凝結する現象(引用1)をいう。これらの空気の状態変化は、「湿り空気線図」から読み取ることができる。
結露被害は、この結露水が適切に処理されず、湿潤状態が続いたり含水率が上昇したりした場合に生じる問題である。
住宅では、他の用途の建物に比べ生活の中で発生する水蒸気の量が多い。主な発生源として、人体から発散されるもの、炊事・入浴・洗濯等の行為上発生するもの、開放型暖房器の使用により発生するもの等がある。
最近の住宅は、省エネルギー等を目的に断熱効果を高め気密化される場合が多く、計画的な換気が行なわれない限り生活の中で発生する水蒸気を外部に排出することはむずかしい。
また、竣工直後には建材からの放湿により発生する水蒸気量が多い。特に鉄筋コンクリート造の場合は、気密性が高いことや水分放散等により竣工直後の結露(初期結露)が発生しやすい。

壁体の温度分布と湿り空気線図の見方(chord作成)
引用1
  • 「日本建築学会環境基準AIJES-H0003-2013 建物における湿害の診断と対策に関する規準・同解説」p5((一社)日本建築学会編集、発行)

湿り空気線図(引用2)
引用2
  • 「空気線図の読み方・使い方」p16((公社)空気調和・衛生工学会 編)
湿り空気線図は、空気の状態や熱的な変化を表した線図であり、結露が発生する露点温度をこの線図から読み取ることができる。
なお、ここでは「省エネ法」に基づく、「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成25年経産・国交告第1号)の「別表第4の地域区分5及び6」又は「建築物省エネ法」に基づく、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項」(平28年国交告第265号)の「別表第10の地域の区分5及び6」の一般的な住宅を対象としている。
参考
この節において、「平成11年基準」は、「省エネ法」に基づく、「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断基準」(平成18年経産・国交告第3号)又は「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針」(平成18年経産・国交告第378号)のことをいう。
「平成25年基準」は、「省エネ法」に基づく、「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成25年経産・国交告第1号)又は「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針」(平成25年経産・国交告第907号)のことをいう。
「平成28年基準」及び「平成28年誘導基準」は、「建築物省エネ法」に基づく、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」(平成28年経産・国交告第1号)のことをいう。また、両基準に関する計算方法及び仕様基準は、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等に係る事項」(平28年国交告第265号)及び「住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準」(平28国交告第266号)の2つの告示で定められている。(引用3)

Ⅰ.住宅性能表示制度の改正
ⅰ.「平成25年基準」の見直し等に伴う改正
  • エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づく住宅に係る省エネルギー基準の改正(平成25年10月)および都市の低炭素化の促進に関する法律に基づく低炭素建築物認定基準の制定(平成24年12月)に伴い、日本住宅性能表示基準および評価方法基準の温熱環境・エネルギー消費量に関する部分が次のように改正された。
    ①設備を含めた一次エネルギー消費量を評価する基準を導入
    ②外皮性能の計算方法の変更への対応
  • 一次エネルギー消費量については、「平成25年基準」よりも水準の高い低炭素建築物認定基準相当を最上位等級(等級5)に設定している。

「平成25年基準」の見直し等に伴う住宅性能表示制度の改正概要(引用4)

ⅱ.「平成28年基準」等に伴う改正
  • 「建築物省エネ法」の制定に伴い、「断熱等性能等級」及び「一次エネルギー消費量等級」について、「建築物省エネ法」に基づく基準を引用するため、表示基準および評価方法基準が改正された。
    「平成28年基準」「平成28年誘導基準」・住宅性能表示基準の関係
    建築物省エネ法断熱等性能等級一次エネルギー
    消費量等級
    平成28年
    基準相当
    等級4等級4
    平成28年
    誘導基準相当
    等級4等級5
※平成29年3月31日までは、「平成25年基準」によることができる。

Ⅱ.「平成25年基準」の見直し等の概要
ⅰ.外皮性能基準の変更
  • 外皮平均熱貫流率:壁、床、天井および開口部などの熱的境界からの熱損失の合計を、外皮等面積で除した値。
    「平成11年基準」までは、外皮の断熱性能に係る基準として熱損失係数(Q値)が採用されていた。「平成25年基準」では外皮平均貫流率(UA値)が採用されており、住宅性能表示制度においても当指標により評価を行うこととしている。(引用5)
  • 冷房期の平均日射熱取得率:冷房期(夏期)における入射する日射量に対する室内に侵入する日射熱の割合を外皮全体で平均した値。
    「平成11年基準」までは、日射熱遮蔽性能に係る基準として夏期日射取得係数(μ値)が採用されていた。「平成25年基準」では、平均日射熱取得率(ηA値)が採用されており、住宅性能表示制度においても当指標により評価を行うこととしている。(引用5)

外皮性能の計算方法の変更概要(引用6)
ⅱ.一次エネルギー消費量基準の考え方
  • 評価対象となる建物において、地域区分や床面積等の共通条件のもと、実際の建物の仕様で算定した設計一次エネルギー消費量が、基準仕様(「平成11年基準」相当の外皮と標準的な設備)で算定した基準一次エネルギー消費量以下となることを基本としている。
  • 一次エネルギー消費量は、暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備等のエネルギー消費量を合計して算出する。また、太陽光発電設備等のエネルギー利用効率化設備により生み出されたエネルギーは、エネルギー削減量として差し引くことができる。


一次エネルギー消費量算定の考え方(引用7)

Ⅲ.「平成28年基準」の見直し等の概要

主な変更点は以下の通りであり、「平成25年基準」との枠組みに大きな変更はない。
ⅰ.性能基準における外皮性能の計算に関する事項
  • 窓の日射熱取得率ηの評価をガラスのみの性能からサッシの枠を考慮した数値に変更
ⅱ.性能基準における一次エネルギー消費量の計算に用いる外皮性能の指標に関する事項
  • 単位温度差当りの外皮熱損失量q、単位日射強度当たりの日射熱取得量(冷房期)mC、単位日射強度当たりの日射熱取得量(暖房期)mH値の入力から、外皮平均熱貫流率UA、冷房期の平均日射取得率ηAC、暖房期の平均日射取得率ηAH値の入力へ変更
ⅲ.仕様基準における適用条件に関する事項
  • 開口部比率による制限を受けない区分の追加、外皮面積比率の撤廃
ⅳ.誘導基準の新設
  • 「平成28年基準」では、いわゆる努力義務としての省エネ基準、住宅事業建築主に代わる基準に加え、新たに誘導基準が新設された。
建築物省エネ法に基づく基準の水準(引用8一部加筆)
「平成28年基準」「平成28年誘導基準」住宅事業建築主基準※4(トップランナー制度)
「平成28年基準」H28.4.1以降に新築された建築物H28.4.1以降に新築された建築物上段:~H31年度
下段:H32年度~
一次エネルギー消費量※1 ※21.00.90.9
0.85
外皮(UA、ηA)住戸単位※31.01.0
1.0
※1
一次エネルギー消費量の基準については、「設計一次エネルギー消費量(家電等を除く)」/「基準一次エネルギー消費量(家電等を除く)」が表中の値以下になることを求める。
※2
共同住宅の一次エネルギー消費量の基準については、住棟全体(全住戸+共用部の合計)が表中の値以下になることを求める。
※3
外皮基準については、平成25年基準と同等の水準である。
※4
住宅事業建築主基準は、平成28年度中の公布および平成29年度施行の予定。
Ⅳ.省エネルギー告示・フラット35技術基準・住宅性能表示基準の関係(引用9)

Ⅴ.省エネ法による省エネ措置の届出
  • 一戸建ての住宅を新築する住宅事業建築主を除き、床面積の合計が300㎡以上の住宅の新築などをしようとする者には、所管行政庁に省エネ措置を届け出る義務がある。
引用3
  • 「住宅性能表示制度 日本住宅性能表示基準・評価方法基準技術解説(新築住宅)2016」p293(国土交通省住宅局住宅生産課、国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所監修/日本住宅性能表示基準・評価方法基準 技術解説 編集委員会 編集、工学図書(株)発行)
引用4
引用5
  • 「住宅性能表示制度 日本住宅性能表示基準・評価方法基準技術解説(新築住宅)2016」p298,299(国土交通省住宅局住宅生産課、国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所監修/日本住宅性能表示基準・評価方法基準 技術解説 編集委員会 編集、工学図書(株)発行)
引用6
  • 「住宅・建築物の省エネルギー基準 平成25年改正のポイント」p4(国土交通省住宅局住宅生産課監修、(一社)日本サスティナブル建築協会発行)
引用7
  • 「住宅の平成25年省エネルギー基準の解説」p7 (一財)建築環境・省エネルギー機構
引用8
  • 「住宅性能表示制度の見直しについて(一部加筆)」p16(国土交通省
引用9
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」p250(表1-1.1)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
(1)
結露の種類
発生箇所による分類
結露は発生箇所により、「表面結露」と「内部結露」に分けられる。
  • 「住宅の調査と補修 -平成28年度版
    住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
    ただし、前記のほかに、建築技術者間では、小屋裏(天井裏を含む)、壁体内、床下の日常目にふれない空間内の表面結露も「内部結露」と称している場合がある。なお、本節での「内部結露」は構造体の材料内部でおこる結露とする。
  • 内部結露は表面結露のように表面に現れないため発見されにくく、注意が必要である。ほとんどの場合、カビが発生し異臭がしたり、仕上材料の裏面から色が変わったりして発見されることが多く、内部が腐朽してから発見される場合もある。
引用10:
  • 「建築学用語辞典(第2版)」p545,625((一社)日本建築学会編集、(株)岩波出版技術)
発生状況による分類
結露は発生状況により、季節要因による「冬型結露」「夏型結露」と季節要因以外の結露に分けられる。
  • 「住宅の調査と補修 -平成28年度版
    住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
    (引用11)であり、「夏型結露」は、梅雨・夏季の絶対湿度の高い外気が建物内に流入、もしくは温度の上昇に伴って木材等から放湿された水分により、低温室や地下室の地盤に面した壁等の建築物内の低温部位で発生する結露(参考1)である。
  • 季節要因以外の結露には、「建材からの放湿による結露」や「放射冷却による結露」などがある。(参考1)
引用11
  • 「日本建築学会環境基準AIJES-H0003-2013 建物における湿害の診断と対策に関する規準・同解説」p55((一社)日本建築学会編集、発行)
参考1
  • 「日本建築学会環境基準AIJES-H0003-2013 建物における湿害の診断と対策に関する規準・同解説」p55,56,59((一社)日本建築学会編集、発行)
(2)
結露の影響
結露水は、壁、天井や床面へのしみ、汚れやカビ等のさまざまな影響をもたらす。また、結露水による湿潤状態が続くと単に美観上支障があるばかりでなく、建物の寿命を縮めたり、ダニやカビを介して呼吸器にアレルギーを誘発するなどの人体に影響を与える可能性がある。
結露水は、適切に処理されていれば実害を生じない場合も多い。
(3)
発生部位
住宅における結露は、発生部位により以下の5つに大別される。
壁の結露
  • 外壁や間仕切壁の室内側表面に発生する表面結露及び壁体内部で発生する内部結露
天井等の結露
  • 天井の仕上面に発生する結露及び小屋裏に発生する結露
床の結露
  • 床の仕上面に発生する結露及び床下に発生する結露
開口部の結露
  • 外部建具のサッシ・ガラス等に発生する結露
設備配管等の結露
  • 設備配管や設備機器等の表面等に発生する結露

2.発生原因

「内部結露」も「表面結露」も発生原因は同様であり、以下の条件のいずれか、又は両方が重なって発生する。
  • 空気中の水蒸気量の増加
  • 部分的な温度低下
結露の発生防止には、この2つの現象を引き起こす原因を解明する必要がある。しかし、結露の発生は一つの原因によらず複数の原因によっていることも多い。

(1)
不適切な設計
設計段階において、結露対策上以下の事項に不適切な点がある場合には、結露につながることがある。
平面計画(外気等で低温となる部位に面した押入れ等の配置、断熱施工の難しい形状等)
外部開口部の仕様(サッシ、ドアの断熱・気密・結露水処理仕様、ガラスの断熱仕様)及び外部開口部回りの納まり
床、壁、天井等の断熱・気密・防湿、通気層の仕様、及びそれらの材の設置箇所
熱橋対策(躯体貫通金物回り、壁と天井や床の取り合い部等)
換気計画(室内・小屋裏・床下)
設備配管等の防露措置
(2)
不適切な施工等
施工段階において、結露対策上以下の事項に不適切な点がある場合には、結露につながることがある。
外部開口部の仕様、断熱・気密・結露水処理の施工、及び外部建具回りの納まり
竣工時におけるサッシの建付け調整
床・壁・天井等の断熱・気密・防湿及び通気層の施工
熱橋対策(躯体貫通金物等の熱が伝わりやすい材が貫通している部位の対策)
換気設備等の施工
設備配管等の防露措置
施工中の養生等(施工部位への雨水の浸入、建材の水濡れ等)
(3)
不適切な使用・メンテナンス
適切な設計・施工が行われていても、居住者の使用に、以下のような状況があった場合には、結露につながることがある。
室内空気中の水蒸気量の増加
  • 締め切った室内での開放型暖房器具等の使用
  • 暖房器具等を利用した湯沸かし
  • 換気設備がない居室で行う鍋料理
  • 厨房換気設備を稼動させない状態での調理
  • 水回り(浴室、洗面所、キッチン等)で発生した水蒸気の居室空間への流入
  • 室内での洗濯物の乾燥
  • 加湿器の利用
  • 室内の観葉植物や熱帯魚水槽の設置
不十分な換気(排湿)
  • 近年、木造や鉄骨造住宅の気密化が進んだため、居住者が意識して換気を行わない限り、排湿に必要な換気を得ることは難しい状況にある。
  • 換気設備を適切に稼動していても、換気設備のフィルターの目詰まりや、ダクト内部の汚れ等のメンテナンスを実施しないと必要な換気量を確保できず結露につながる場合がある。
建築基準法の改正(平成15年7月1日施行、第28条の2 石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)により、換気設備の設置が義務づけられ、これは結露対策にも有効である。
部分的な温度低下
  • 主居室の個別暖房による非暖房室との温度差(低温室の発生)
  • 不適切な家具等の配置(家具を外周壁に密着して配置)
  • 保温のために断熱性能の高いカーテンなどの設置
  • 冷房の過多あるいは冷風の吹きつけ
設備の結露に関する配慮事項

住宅設備においては、温度の低い流体を搬送する配管やダクトが湿度の高い空間を通過する際に、配管表面に結露を起こすことが多い。そのために配管やダクトの周りには防露材や保温材を巻き、結露することを防止している。
ダクトの場合には、温度の低い空間に設置される場合で、内部に高温の湿度の高い気体が搬送されるときには、ダクト内部に結露を起こすことがある。また、衛生陶器などで、冷水が貯水されているタンクなどが湿度の高い空間に設置されているときには、その表面が結露することがある。

住宅の不具合として取り上げられる主な設備の結露に関しての、発生の原因、調査の方法等については、「設備に関する不具合 設備の結露」の項を参照のこと。
事前確認等

調査の視点

現場調査等にさきがけて、発生原因特定のための調査に必要な情報を把握し、調査の進め方の詳細等を検討しておく。

調査方法

  1. 居住者及び住宅供給者へのヒアリング並びに次の「2.」により、主として以下のような情報を確認し、整理しておく。
    住宅の構造・建て方、契約の内容等(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造/戸建、集合 等)
    不具合事象の状況、発生部位、施工の状況等
    不具合事象の発見時期(新築後経過年数)
    不具合事象の程度の進行状況
    不具合事象の発生と季節・天候等との相関関係
    他の種類の不具合事象の発生状況
    周辺の住宅における同様の不具合事象の発生状況
    住宅の立地条件(気候・地形等)、近隣の状況
    不具合事象の発生後の処置の有無及び状況
  2. 住宅性能表示制度に基づき、建設住宅性能評価書が交付された住宅の申請図書等は、規定された期間、登録住宅性能評価機関等に保存される。
    したがってその保存期間内であれば、それらの申請図書等を、住宅紛争処理支援センターを経由して当該評価機関等から取り寄せることが可能である。
    (1)
    登録住宅性能評価機関に保存される帳簿は、以下の通りであり、業務の全部を廃止するまで保存される。(品確法第19条第1項、同法施行規則(以下「規則」という。)第20条第1項三号)
    住宅性能評価書に記載した事項を記載した帳簿
    (2)
    登録住宅性能評価機関に保存される図書は、以下の通りであり、建設住宅性能評価書が交付された日から20年間保存される。(品確法第19条第2項、規則第21条第1項・第3項、第15条第1項第一号ロ)
    建設住宅性能評価申請書(変更建設住宅評価申請書を含む)
    建設住宅性能評価申請書の添付図書
    • 設計住宅性能評価書
    • 設計評価申請添付図書
      住宅性能表示制度に基づく認定又は認証を取得した住宅又は住宅の部分については、以下の書類が添付される。
      * 住宅型式性能認定書の写し
      * 型式住宅部分等製造者等認証書の写し
      * 特別評価方法認定書の写し
      * 建築基準法に基づく確認済証
    施工状況報告書
    規則第6条第4項に規定する図書
    検査に際し評価機関が評価申請者に提出させたもの
    (3)
    登録住宅型式性能認定等機関、登録外国住宅型式性能認定等機関、登録試験機関又は登録外国試験機関に保存される図書は、以下の通りであり、認定又は認証が失効した又は取り消されたときから20年間保存される。(規則第68条第3項、規則第94条第3項)

    <住宅型式性能認定の場合>(規則第68条第1項第一号)

    住宅型式性能認定申請書
    住宅型式性能認定申請書の添付図書
    住宅型式性能認定書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <型式住宅部分等製造者の認証(更新)の場合>(規則第55条第1項第二号(第三号))

    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書
    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書の添付図書
    型式住宅部分等製造者等認証書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <特別評価方法認定の場合>(規則第94条第1項、第82条第1項)

    特別評価方法認定のための審査に係る試験申請書
    特別評価方法の概要を記載した書類
    特別評価方法により代えられるべき部分を明示した書類
    平面図等その他の試験を実施するために必要な事項を記載した図書
    試験の結果の証明書の写し
    その他審査の結果を記載した書類
    上記資料に基づき、住宅の性能表示項目に関して調査する場合には、該当する等級毎の基準を参照する。
    なお、評価方法基準の詳細については、平13国交告第1347号による。
  3. 以上の情報に基づき、調査の方法・進め方の詳細等を検討しておく。
結露の発生状況の確認

調査の視点

  • 結露は、さまざまな原因で発生するため、結露の発生場所・時期等の状況を入念に調査する。

調査方法

1.結露発生部位の確認

(1)調査方法

  • 結露の発生時期や発生状況について居住者にヒアリングし情報を収集する。
  • 結露(または結露によるカビ、汚れ)がどの部分から発生しているかを目視にて確認する。室内側表面だけでなく、床下や天井裏等から構造材や断熱材等の状況も目視にて確認する。

(2)注意事項等

  • 換気不足で結露が発生している場合があるため、注意を要する。
  • 他の漏水や雨漏りと誤認する場合もあるため、注意を要する。
  • 壁体内部で生じる内部結露等で床や床スラブに流下した水が床下に留まることがあるので、畳等をあげる等して床下の状況を確認する。
  • 外部建具のガラス面に生じた結露水が、サッシの結露受けからオーバーフローして外部に流出または構造体内部に流入している場合がある。
  • 集合住宅等で結露が発生した場合は、複数の住戸で状況を確認し比較することで原因が建物側にあるか、生活側にあるかを判別できる場合がある。
  • 結露が発生している部屋等に連続記録できる温湿度計を設置して測定することで、居住者の部屋等の使用方法(住まい方)と結露の発生との関係を把握することができる場合がある。なお、表面温度計等を用いることによって、より的確に把握することができる。

調査結果の考え方

外壁の室内側表面の結露
  • 隅角部は空気のよどみにより室内空気からの熱が伝わりにくくなることと熱容量が相対的に大きくなることから表面温度が低くなり、結露が発生しやすい部位である。
    また、外壁の断熱性能の不足又は断熱施工の不備(欠損、隙間等)により結露が発生する場合がある。
  • 壁体の熱橋部(※)により壁の隅角部や壁面に線状、点状に結露する場合がある。
構造部材、下地材などが断熱構造部を貫通する部分で、断熱性能が周囲の部分より著しく劣る部位をいう。(引用12)

熱橋部等の結露(木造の例)
(chord作成)
外壁とT字型に交わる戸境壁または床スラブの外壁ぎわ等の結露(特にRC造の場合)
  • 断熱補強の不備等により、戸境壁または床スラブが熱橋部となり、外壁との交差部から熱が伝わって壁または床の表面温度が下がり結露が発生する場合がある。
  • その他、断熱欠損や断熱補強の不備等によりエレベーターシャフト等の外気が流入する空間に面する壁に結露が発生する場合がある。
参考2
  • 「建築技術1996年12月号」p92((株)建築技術編集、発行)
引用12
  • 「住宅の平成25年省エネルギー基準の解説」p49  (一財)建築環境・省エネルギー機構
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
熱橋により結露が発生する部位の例(引用13)
引用13
  • 「建築工事標準仕様書・同解説書JASS24断熱工事2013年版」p77 解説図4.1(一部加筆) ((一社)日本建築学会編集、発行)
外壁と天井、床との取合い部の結露(特に木造の場合)
  • 外壁と天井、床との取合い部は断熱材が不連続になりやすい箇所であり、断熱材・気流止めの施工不良等により結露が発生する場合がある。

    外壁と天井、床との取合い部の結露
    (木造の例)(引用14)

    気流止めの施工不良の例(chord作成)
引用14
  • 「建築技術1996年12月号」p102 ((株)建築技術編集、発行)
外壁に接して置いた家具の裏面や外壁に面した押入の壁等の結露
  • 家具と壁又は床との間や押入の内部は、暖房による暖かい空気が届きにくいことから、表面温度が下がりやすく、露点温度以下になり結露が発生する場合がある。

    家具やカーテンの背面の結露(chord作成)
居室の天井面の結露

  • 天井断熱材が欠損している例
    屋根・天井面の断熱不足(小屋裏断熱、屋根断熱を含む)や、断熱施工に対応していないダウンライトの設置等による断熱材の不連続、欠損(隙間)等の施工不良等により天井表面に結露が発生する場合がある。
  • 天井付近の隙間等から、室内の水蒸気を含む暖かい空気が、小屋裏へ漏気することで小屋裏内に結露が発生し、天井面にしみをつくることがある。また、小屋裏の換気不足も結露を助長する原因となる。
  • 室内の空気が小屋裏に漏気する主な原因は、天井と壁の取合い部分(廻り縁付近)にすき間がある、天井の防湿層が無い、又は不連続であること等が考えられる。
  • ただし、天井や壁の場合は雨漏りと誤認する場合があるため、しみ等が発生した季節や降雨との関係を居住者へのヒアリングによって確認する必要がある。
参考3
  • 「建築技術1994年5月号」p140~141((株)建築技術編集、発行)
参考4
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書 平成22年改訂」 p122(12)、p182(20.5)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
浴室(ユニットバス)天井面等の結露(使用後の結露がおさまらない)
  • 浴室使用後の換気不足の他、換気扇の不良(換気量不足、目詰まり等)が原因である可能性が高い。
  • 躯体の断熱不足、ユニットバス天井裏への床下を通じた冷気の流入等により結露が発生する場合がある。

断熱構造のユニットバスによって床下の冷気が天井裏等へ
流入しない納まりの例(引用15)

ユニットバス回りを基礎内張断熱とし、土台と基礎の取り合い部分
の気密を確保することで、床下に冷気が流入しない納まりの例(引用15)
引用15
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」 p254(参考図  1-2.2.2-2断熱構造となっているバスユニット下部の施工例) p255(参考図1-2.2.2-3床断熱の住宅でバスユニット床下を基礎断熱とする場合の施工例(独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
居室の床面の結露
  • 床の断熱不足や部分的な欠損、断熱材の脱落等により結露が発生する場合がある。

    落下防止のための受け材を使用していないため、垂下り及び脱落した床断熱材の例

    耳なし断熱材を使用する場合の例(引用16)
開口部(サッシ)周辺の結露
  • サッシ枠、ガラスが結露していることは、通常でも起こる現象である。結露の程度が大きい場合は、サッシまたはガラスの断熱性能上の問題等が原因である可能性が高い。
  • サッシ枠部が熱橋となって結露を生じ、周辺の外壁内あるいは断熱材を濡らす場合がある。
  • サッシ枠取付け下地周辺の断熱材欠損により結露が発生する場合もある。
    外部サッシ回りに断熱材を充填する前(点線範囲) 外部サッシ回りに断熱材を充填した後
    ※防湿フィルムを張り付ける前の状態
引用16
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」 p268(参考図  1-1.4.6-2(A)耳なし断熱材を使用する場合)
複層ガラスの中空層の結露

  • 複層ガラスの中空層に結露水が滞留した例
    極稀ではあるが、複層ガラスの封着材の劣化や製品不良により、中空層に結露が発生することがある。この場合は、住宅供給者を通じて、複層ガラスの製造所者に連絡を取り、保証の条件や期間等を確認する。
設備配管等の結露
  • 設備配管の防露措置の不良により、壁体内に設置されている給水管等の附近の室内側壁面等に結露が発生する場合がある。
地下室の結露
  • 梅雨や夏季に、地盤の影響を受けて低温化した地下室の土間床・地中壁等に結露が発生する場合がある。(参考5)
  • また、地下室に浸入した地下水と誤認する場合があるため、地中壁等に地下水が浸入するひび割れ等がないか確認する必要がある。
参考5
  • 「日本建築学会環境基準AIJES-H0003-2013 建物における湿害の診断と対策に関する規準・同解説」p55,56((一社)日本建築学会編集、発行)
参考
住宅の断熱工法では、木造は充填断熱工法、外張断熱工法のどちらかによる場合が多く、鉄骨造では外張断熱工法、内張断熱工法に加え、外張・内張断熱以外の構法も多く行われており、鉄筋コンクリート造等は内断熱工法と外断熱工法に大別される。下記にそれぞれの工法の概要を示す。(参考6)

■木造、鉄骨造等
  • 充填断熱工法(引用17)
    軸組の間、構造空隙に断熱材を充填する断熱工法をいい、戸建住宅などでは一般的な断熱手法。住宅デザイン等への制約も少なく、比較的安価で断熱化できる特徴を有する。しかし、断熱化を図るには気流止めの設置、防湿層の連続性の確保等、留意すべき点も少なくない。
  • 外張断熱工法(引用17)
    軸組、構造体の外側に断熱層を設ける施工法をいい、発泡系のボード状断熱材を用いることが多いため外張断熱工法と呼ばれている。充填断熱工法に比べ、断熱工事上の省力化が図れ、熱橋が少なくでき、断熱施工上の留意点が少ないことが特徴である。
  • 内張断熱工法(引用17)
    鉄骨造において軸組より室内側に断熱材を施工する方法で、充填断熱に比べ柱等で発生する熱橋を少なくできるメリットがある。ただし、横架材が断熱層を貫通した部分で多くの熱橋が生じやすいことは充填断熱と変わらないことから、充填断熱と同様の注意が必要である。
  • 外張・内張断熱以外の構法(引用17)
    鉄骨造住宅を対象とし、構造躯体である柱、梁等の間に断熱施工され、柱、梁等が断熱材を貫通する熱橋となる工法をいう。

充填断熱工法(引用18)

外張断熱工法(引用18)
  • その他の断熱工法(引用17)
    前述の断熱工法のほかに、充填断熱では不足する断熱性能を充填断熱の外側に断熱材を付加することで補う断熱工法(充填+外側付加断熱工法)や外張断熱で不足する断熱性能を充填断熱により補う断熱工法(外張+充填付加断熱工法)などもある。

    充填+外張付加
    断熱工法(引用17)

    外張+充填付加
    断熱工法(引用17)
■鉄筋コンクリート造等
  • 内断熱工法(引用19)
    内断熱工法とは、鉄筋コンクリート造などの構造躯体の内側に断熱層を設ける工法をいい、この構造においては最も一般的な断熱方法である。外断熱に比べて、断熱工法のバリエーションが豊富で、安価なことが特徴である。しかし、構造熱橋が生じやすいため、断熱補強する必要があるなど、施工上の留意点が多い。
  • 外断熱工法(引用19)
    外断熱工法とは、鉄筋コンクリート造などの構造躯体の外側に断熱層を設ける工法をいう。構造熱橋の発生箇所を減じる事が可能で高断熱化する際にも居住面積を圧迫しないなど、熱的に多くの利点を有している。しかし、外壁に適用するには、外装デザイン上の制約、コスト、寒冷地では外装劣化等の技術的課題も多く、適用には注意が必要である。
○印:構造熱橋
内断熱工法(引用19)
外断熱工法(引用19)
参考6
  • 「住宅の平成25年省エネルギー基準の解説」p319  (一財)建築環境・省エネルギー機構
引用17
  • 「住宅の平成25年省エネルギー基準の解説」p320、321図6.1.4  (一財)建築環境・省エネルギー機構
引用18
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」 p262 (参考図1-1.3断熱の施工方法)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
引用19
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」 p262 (参考図1-1.3断熱の施工方法)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)

使用する検査機器

設計内容の確認

調査の視点

  • 設計段階において、結露対策の配慮、断熱の設計・換気計画等が適切に行われているかを確認する。

調査方法

1.平面計画・断熱設計内容等の確認

確認のポイント
平面計画
外部開口部の仕様及び外部開口部回りの納まり
床・壁・天井等の断熱・気密・防湿、通気層の仕様及びそれらの材の設置箇所
熱橋対策
換気計画
設備配管等の防露措置

(1)調査方法

  • 当該住宅の設計図書(設計図、仕様書等)を対象として、上記確認のポイントに沿って、平面計画上結露対策の配慮が行われているか、断熱の設計等が適切であるかを確認する。なお、適切であるかの検討にあたっては、住宅金融支援機構監修「住宅工事仕様書」、「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」、その他の仕様書、基準等が参考となる。
  • 断熱の設計等の確認に当たっては、当該住宅の温熱環境に関する性能評価の等級を建設住宅性能評価書等にて確認する。また、住宅金融支援機構のフラット35S(優良住宅取得支援制度)の適用を受けているかを確認する。

    <確認のポイント>に沿って確認する主な項目を示す。
    平面計画(外気等で低温となる部位に面した押入れ等の配置、断熱施工の難しい形状等)
    • 北側外気に面する押入の設置(特にRC造の場合)
    • 浴室等から湿気が流入しやすい居室の配置
    • エレベーターシャフトやパイプスペース等に接する範囲
    外部開口部の仕様(サッシ、ドアの断熱・気密・結露水処理仕様、ガラスの断熱仕様)及び外部開口部回りの納まり
    • 性能の等級等に適合した断熱性能のサッシ・ガラスの選択
    • サッシの結露水対策(サッシ下枠の水抜き孔、結露水受け)
    床・壁・天井等の断熱・気密・防湿、通気層の仕様、及びそれらの材の設置箇所
    • 性能の等級等に適合した仕様の断熱材・防湿材(種類、厚さ)・通気胴縁(材料、寸法)の選択及び設置箇所
    熱橋対策(外皮をおおう断熱層の欠損・不連続や性能不足、躯体貫通金物回りの断熱処理・補強不足等)
    • 柱、梁やスラブ、間仕切壁など構造熱橋まわりの連続性確認
    • 接合金物、設備配管(ダクト)と断熱層との取合い処理・補強
    換気計画(室内・小屋裏・床下)
    • 住戸全体の機械換気の換気経路、換気量、ダクトの配置
    • 局所換気の水廻り(浴室、洗面所、便所)、台所の機械換気の換気量、ダクトの配置
    • 小屋裏換気、床下換気の適切さ(特に戸建住宅の場合)
    設備配管等の防露措置
    • 給水、排水管等の断熱材巻き

(2)注意事項等

  • 外部建具に複層ガラスや断熱サッシ等を用いる等の結露対策を講じていない場合は、ガラスやサッシに表面結露が発生することが多い。このような場合、結露水がサッシ枠から室内に流れ込まないよう、サッシ下枠から外部へ排出する結露水処理のための措置や結露受けの設置を行う必要がある。
  • 外壁を構成する断熱・気密・防湿等の各層の配置や材料の選定が不適切な場合、壁体内部で結露が生じる。特に木造住宅の場合、躯体に大きな被害を及ぼすことがある。
参考7
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」「枠組壁工法住宅工事仕様書 平成28年版(第1版)」((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
参考8
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書 平成22年版」((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
参考9
  • 「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成18年経済産業省・国土交通省 告示第3号)
参考10
  • 「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成25年経済産業省・国土交通省 告示第1号)附則第2条

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な結露対策が行われていない場合は、結露対策の配慮不足、部品・材料等の選択不良等が原因で、結露が発生している可能性が高い。
    平面計画
    外部開口部の仕様及び外部開口部回りの納まり
    床・壁・天井等の断熱・気密・防湿、通気層の仕様及びそれらの材の設置箇所
    熱橋対策
    換気計画
    設備配管等の防露措置

使用する検査機器

  • 特になし
施工状況等の確認

調査の視点

  • 結露対策に係る工事が適切に行われているかを確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
外部開口部の仕様、断熱・気密・結露水処理の施工、及び外部開口部回りの納まり
竣工時におけるサッシの建付け調整
床・壁・天井等の断熱・気密・防湿及び通気層の施工
熱橋対策
換気設備等の施工
設備配管等の防露措置
施工中の養生等の状況

(1)調査方法

  • 施工記録(施工図、工事状況報告書、工事写真、納品書等)により、把握できる範囲において結露対策に係る工事が設計どおりに行われているかを確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

2.目視等による施工状況の確認

(1)調査方法

  • 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを、目視等により確認する。
  • 不適切な箇所が発見された場合には、写真等で記録をとる。記録した結果を、設計図書等と照らし合わせて確認する。
  • 戸建住宅の場合、床は床下点検口等、天井・小屋裏は天井点検口等より目視等にて確認する。壁は結露が発生している部分の近くに設置されているコンセントボックスをはずして確認する方法もある。(コンセントボックスをはずす際には、感電や短絡等の危険のないように注意すること。)
  • 必要に応じ、結露が発生している部分の内装材の一部をはがし、または直径10㎜程度の孔をあけ、断熱材等の仕様、施工状況を目視や内視鏡により確認する。
  • 壁体内結露については、必要に応じ、壁下地板(ボード類)を10cm角程度はがし、温湿度計、含水率計を用いて壁体内部の温湿度、含水率を計測する。壁の室内側の温湿度、含水率を計測し、比較することにより結露の程度を推定する。
<確認のポイント>に沿って確認する主な項目を示す。
外部開口部の仕様、断熱・気密・結露水処理の施工、及び外部開口部回りの納まり
  • 設計で指定された仕様のサッシ・ガラスの設置
  • サッシ・ガラスの取付け状況
  • 構造体や下地材等との取合い部分の断熱・気密処理、及び結露受け、結露水排水口等の施工
  • 外部開口部と周辺部位の納まりの状況
竣工時におけるサッシの建付け調整
  • 気密材等によるすき間処理
床・壁・天井等の断熱・気密・防湿及び通気層の施工
  • 設計で指定された仕様と断熱工法に対応した施工方法
    • 設計で指定された仕様(種類と厚さ等)の断熱材、気密・防湿材の設置
    • 各部位及び取合い部の断熱材、気密・防湿材の取付け(欠損、すき間等の不連続の有無)
    • 断熱補強
    • 防湿層の設置箇所等
    • 設計で指定された仕様(材料、寸法)の通気胴縁の設置箇所
熱橋対策
  • 設計で指定された構造熱橋まわりの断熱補強
  • 接合金物、設備配管(ダクト)の断熱処理
換気設備等の施工
  • 設計で指定された仕様の機械換気の設置(浴室、洗面所、便所、台所)、及びダクトの配置
  • 設計どおりの小屋裏換気口、床下換気口等の設置
設備配管等の防露措置
  • 給水、給湯、排水管の断熱材巻き
施工中の養生等
  • コンクリート躯体や基礎の養生期間
  • 材料の品質(木造の場合の木材の含水率等)
  • 断熱材施工段階の養生(雨がかりの有無)

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、施工が設計どおり行われていない場合、または不適切な施工が行われている場合は、結露対策上の施工不良等が原因で、結露が発生している可能性が高い。
    外部開口部の仕様、断熱・気密・結露水処理の施工、及び外部開口部回りの納まり
    竣工時におけるサッシの建付け調整
    床・壁・天井等の断熱・気密・防湿及び通気層の施工
    熱橋対策
    換気設備等の施工
    設備配管等の防露措置
    施工中の養生等の状況

使用する検査機器

使用・メンテナンス状況の確認

「第Ⅰ章 本編の活用について」の「3.(2)4 使用・メンテナンス状況の確認」によるほか、以下の確認を行う。

調査の視点

  • 結露は、居住者の部屋等の使用方法(住まい方)に起因する場合も多いため、不適切な使用がなかったかを確認する。

調査方法

1.使用状況等の確認

(1)調査方法

  • 事前確認等を参考にして、結露の発生時期、部屋等の使用状況等を以下の点を中心に確認する。
    結露の発生時期
    部屋等の使用状況(水蒸気の供給、換気不足等)
    • 締め切った室内での開放型暖房器具等の使用の有無
    • 暖房器具等を利用した湯沸し等の有無
    • 換気設備がない居室で行う鍋料理などの有無
    • 暖房した室内での洗濯物の乾燥の有無
    • 加湿器の利用の有無
    • 室内の観葉植物や熱帯魚水槽の設置の有無
    • 水回り(浴室、洗面所、キッチン等)で発生した水蒸気の居室空間への流入の有無
    • 個別、間歇暖房による非暖房室の有無(暖房室から非暖房室に流れ込む、暖かく湿気を含んだ空気)
    • 不適切な家具等の配置の有無(家具を外周壁に密着して配置)   等
    部屋等の換気設備の作動状況
    • 24時間換気設備の運転状況の確認
    • 日中の居住者不在による無換気状態の有無
    • 給排気口の目詰まりの有無

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 冬季において開放型の暖房器具が使用され、水蒸気の供給過剰の場合には、結露する可能性が高い。
  • 当該部屋で、暖房器具を利用した湯沸かしをしている場合や暖房した室内で洗濯物を乾燥させている場合には、結露する可能性が高い。
  • 個別、間歇暖房による一部の部屋における開放型暖房器具等の使用の場合は、暖房室から非暖房室に流れ込む、暖かく湿気を含んだ空気によって結露する可能性が高い。
  • 家具を外周壁に密着して配置した場合は、家具の裏側の外周壁面での部分的な温度低下により結露する可能性が高い。
  • 浴室の結露の場合には、浴室使用後の換気不足の場合、結露が解消されない可能性が高い。
  • 日中、居住者が不在で適切な換気ができない場合は、換気不足となり結露の原因となる可能性がある。
  • 給気・排気口が適切に設置されていても、汚れによる目詰まり等により換気量が減少し、結露する可能性が高い。
  • なお、結露の原因はその特定が難しいため、発生原因が推定された後に以下のとおり換気の方法等を変え、結露の状況を観察する。
    • 水蒸気の発生する原因の減少
    • 換気の励行
    • 給排気口の詰まりの清掃
    • 暖房が行き届く家具の配置 等

使用する検査機器

  • 特になし
外的要因の確認

5 外的要因の確認」による。

詳細調査の必要性の検討

6 詳細調査の必要性の検討」による。