調査方法編

陸屋根からの漏水

1.陸屋根の防水の考え方

屋根は、防火性能及び荷重や外力を下部構造に伝達する等の観点があるが、雨水や日照、日射等の外部環境と建物内部を遮断するための防水性、断熱性等が要求される。陸屋根の場合は、屋根面に設備機器を設置したり、植込み又は庭園として利用されることがあり、防水・断熱以外の性能が要求されるため、利用目的に応じた防水工法が選択される。
また、勾配が緩やかなため、水を溜めることなく速やかに排水させる設計が求められる。

2.防水材料・工法の分類

参考1
  • 「建築技術1998年5月号」「屋根の設計術」(株)建築技術編集、発行)
(1)
材料による分類
陸屋根に代表される勾配の緩いフラットな屋根では、防水工法として、メンブレン防水等が一般的に選択される。メンブレン防水は、連続的な不透水性の被膜や層を作ることにより防水するものであり、JASS 8 に示される標準仕様の分類より、アスファルト防水、改質アスファルトシート防水、合成高分子系シート防水及び塗膜防水の4つに大別される。

アスファルト防水
アスファルト防水は、アスファルトルーフィングフェルト類又は、改質アスファルトシート類を溶融アスファルトで交互に積層して施工する防水工法である。
改質アスファルトシート防水
改質アスファルトシート防水は、シート状に成型された改質アスファルトシートを種々の方法により施工する工法である。ここで取り扱う改質アスファルトシート防水は、改質アスファルトシートをトーチバーナーを用いてシート裏面等を溶融して張り付けるトーチ工法、粘着層により張り付ける常温粘着工法である。
合成高分子系シート防水
合成高分子系シート防水は、合成高分子を主原料としたルーフィングシートを下地に張り付ける工法であり、一般的に露出防水に使用される。
下地へプライマー、接着剤を用いてシートを全面接着する全面接着工法、下地へ固定金具を用いて機械的にシートを固定する機械的固定工法がある。
塗膜防水
塗膜防水は、塗膜防水材を塗り重ねて連続的な膜を構成する工法である。防水の種類としては、材質の違いにより、ウレタンゴム系、アクリルゴム系、ゴムアスファルト系、FRP系などがある。
参考2
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版)」((一社)日本建築学会編集、発行)
参考3
  • 共建築工事標準仕様書 平成28年版」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築
防水工法の種類(注)(引用1)(参考4)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
(注)
上表はJASS8の「メンブレン防水層の種類・種別と記号」の表に、公共建築工事標準仕様書に掲載されている概ね同様の仕様の記号を併せて整理したものである。公共建築工事標準仕様書には本表以外の仕様も掲載されている。
メンブレン防水:連続的な不透水性被膜(membrane)により防水性能を確保する工法
引用1
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版)」p5(表1.1)<一部加筆>((一社)日本建築学会編集、発行)
参考4
  • 「公共建築工事標準仕様書 平成28年版(第1版)」p122~p149(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
(2)
密着仕様と絶縁仕様(参考5)
密着仕様
防水層を下地面の全体にわたって密着(接着)張りとする仕様で、従来から屋根防水や室内防水に多く用いられている。ただし、下地の不連続部分(下地コンクリートのひび割れや、版状下地の継目等)の動きによる防水層の破断、露出防水に見られる下地水分の気化・膨張による防水層のふくれ等が予想される場合には、次の絶縁仕様が用いられている。工法としてアスファルト防水(密着仕様)、改質アスファルトシート防水(密着仕様)、塗膜防水(密着仕様)、合成高分子系シート防水(接着仕様)がある。
絶縁仕様
一般部分は防水層を下地面に全面密着させず部分密着とし、周辺部及び立ち上がり部は密着張りまたは接着張りを基本(一部機械固定あり)とし、通常、屋上防水に用いられている。この仕様は、上記①で述べたように下地のひび割れや継目の動きによって生じる防水層の破断を防ぐことができる。
また、防水層押さえのない露出防水に用いた場合は、日射によって気化・膨張した水分が絶縁層の間を自由に拡散・移行するので、ふくれが起こりにくい。さらに脱気装置等を設置することで、ふくれ現象をより起こしにくくすることができる。工法としてアスファルト防水(絶縁仕様)、改質アスファルトシート防水(絶縁仕様)、合成高分子系シート防水(機械式固定仕様)、塗膜防水(絶縁仕様)がある。
(3)
断熱層
屋根には、断熱性が要求されるため断熱層を設けるが、一般的に、屋根スラブの室内側に設ける場合と屋外側に設ける場合の2つの構法に分類でき、前者を内断熱、後者を外断熱と呼んでいる。屋根スラブのムーブメントの大小という観点からすると、外断熱構法の方が望ましいが、防水層と断熱層が直に接するため、お互いに悪い影響を与えないかどうかの検討をしなければならない。また、内断熱の場合には、屋根スラブのムーブメントが大きくなり、従って防水層の下地クラック追従性が問題となる。
外断熱には、防水層の上に断熱材を置く工法と防水層の下に置く工法があり、平場における各層の組合せ順序を分類整理し、それらの種類に適用できる防水工法を選定する必要がある。
参考5
  • 「建築工事監理指針 平成28年版(上巻)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)p807~809
参考6
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版))((一社)日本建築学会編集、発行) p87~88

屋根の内断熱と外断熱の違い(引用2)
引用2
  • 「建築技術1998年5月号」p91屋根の設計術(岩井孝次、松本彰、鈴木博行、石川義雄)(株)建築技術編集、発行)
(4)
用途と保護層
防水には、工法の違いのほか、防水層の上にコンクリート等の保護層を設ける保護防水と防水層がそのままの露出防水がある。
保護層は、直射日光の遮断や外力による損傷を防止して、防水層の耐久性の向上を図ることと、歩行可能な用途に供することを目的に設けられる。(参考7)
保護層は、用途に応じて使い分ける必要があり、メンテナンス以外に原則として人が歩行しない場合には、砂利、コンクリートブロック、塗料またはなしとする。一般歩行の場合はコンクリート、アスファルトコンクリート、歩行用仕上塗材を、駐車場の場合はコンクリート、アスファルトコンクリート、特殊なウレタン舗装材をそれぞれ標準として適用する。
露出防水は、補修が容易であるとともに、保護層がないことによって荷重を軽減できるという利点がある。(参考7)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
この日射反射率の保持率を確認する試験方法として、JASS 8 T-701-2014 陸屋根用メンブレン防水層の日射反射率測定のための屋外暴露試験方法(案)及びJIS K5675:2011(屋根用高日射反射率塗料)の付属書Bがある。
参考7
  • 「建築工事監理指針 平成25年版(上巻)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)p808~810
参考8
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版))((一社)日本建築学会編集、発行) p106
引用3
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版))((一社)日本建築学会編集、発行)p509
<参考資料> 防水工法の選択(引用4)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
[補記]JASS8-2014の改定により、アスファルト防水層および改質アスファルト防水層に記載されていた保護・仕上げを砂利とする仕様は特記扱いとなった。
引用4
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事2014年版)」p 9~11,21,23,106解説表1.8((一社)日本建築学会編集、発行)
(5)
防水工法と納まり
防水材特有の性質や、防水・断熱・保護の各層の施工性を勘案すると、パラペットの形状・寸法などはある程度収歛してくるものである。
防水層端末部の納まりをあまり低い位置にすると、施工しにくいばかりでなく、直接目視点検しにくくなり施工管理の立場からも望ましいことではない。また、防水層の末端部は防水上の弱点になりやすい箇所であり、あまり低い位置にあると跳ね返りの水がそこから浸入する機会が増大し、漏水につながる恐れも多くなる。
参考9
  • 「建築技術1998年5月号」p91陸屋根防水排水計画(岩井孝次、松本彰、鈴木博行、石川義雄)(㈱建築技術編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
パラペットの構造(例)(引用5)
引用5
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事2014年版)」 p89解説図1.2((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
パラペットの下地の形状・寸法(例)(引用6)
(6)
排水計画
屋根防水の基本原則は、水が溜まることなく、できるだけ速やかに排出する必要がある。用途及び防水工法に応じた水勾配と排水計画が必要である。
引用6
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事2014年版)」 p90解説表1.4((一社)日本建築学会編集、発行)
  • 防水層の保護、仕上による水勾配の考え方(引用7)
    「住宅の調査と補修 -平成28年度版
    住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
    JASS8(2014年版)表1.3~表1.8、表1.9、表1.11~表1.15、表1.16~表1.24、表1.25~表1.28、表1.32、 p86~87(1.3防水下地の基本要件 b.下地の勾配と排水(1))による
引用7
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版)」 p86~87 ((一社)日本建築学会編集、発行)
  • 保護防水・露出防水の排水計画の考え方
    排水計画
    保護防水 片流れ屋根形式 ルーフドレンに向けて3次元的に下地勾配(1)
    切妻屋根形式
    保護層の厚さ変化で切妻形式に勾配をとり水下に側溝(3)
    露出防水 片流れ屋根形式 ルーフドレンに向けて3次元的に下地勾配(1)
    切妻屋根形式
    切妻屋根・軒樋形式(2)

    (1)
    (2)
    (3)
    RC屋根の排水計画(例)(引用8)

3.陸屋根からの漏水の発生しやすい箇所

陸屋根からの漏水の場合、その浸入経路を特定することは容易でない。
これは、室内側の天井面の漏水によるしみ等が発生している位置から屋外側の防水層の不具合箇所を単純に推定することが難しいためである。
しかし、一般的な建物の場合、陸屋根面(防水層の平面部分)から漏水する場合は比較的少なく、以下のような防水箇所の端部等から漏水する場合が多い。
  • 笠木、パラペット立上り回り
  • 電気、給排水等の設備配管の貫通部
  • 手すり等の支柱の根元
  • 入隅・出隅等平面形状が複雑な部分
  • 水勾配の水下部
  • 出入口等の開口部回り
  • ドレン回り    等

漏水発生箇所と雨水浸入箇所が異なる場合の一例(chord作成)
引用8
  • 「建築技術1998年5月号」p93図3陸屋根防水排水計画(岩井孝次、松本彰、鈴木博行、石川義雄)(㈱建築技術編集、発行)

4.各防水工法の概要

4-1.アスファルト防水の概要
(1)アスファルト防水工法の分類と特性
アスファルト防水は、アスファルトルーフィングフェルト類又は改質アスファルトシート類を溶融アスファルトで交互に積層して施工する防水工法である。
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください

密着仕様と絶縁仕様
  • 密着仕様
    「2.防水材料・工法の分類」の「(2) 密着仕様と絶縁仕様」による。
  • 絶縁仕様
    「2.防水材料・工法の分類」の「(2) 密着仕様と絶縁仕様」による。
    なお、アスファルト防水の絶縁仕様には、防水層の最下層に砂付あなあきルーフィング又は部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる方法等がある。
引用9
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p136 ((一社)日本建築学会編集、発行)

絶縁仕様の例示(引用10)

保護防水仕様と露出防水仕様(参考10)
  • 保護防水仕様
    防水層の上にコンクリート、コンクリートブロック等の保護層を設ける仕様で、アスファルト防水層の耐久性の向上と歩行可能な用途に供する。
  • 露出防水仕様
    防水層の上に保護層を設けず、最上層に比較的耐久性のある砂付ストレッチルーフィング等を張り付ける仕様で、一般の歩行には適していない。
    通常、防水層の保護と美観を目的として、砂付ストレッチルーフィングの上にシルバー系やその他の着色塗料を塗布する。
    「住宅の調査と補修 -平成28年度版
    住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
保護断熱防水仕様(参考10)
屋根スラブの外側に防水層と組み合せて断熱材を設ける仕様で、「外断熱防水」とも呼ばれている。アスファルト防水では、防水層の上に吸水性の特に小さい断熱材を設け、絶縁用シートを敷き、保護コンクリートを設ける。
引用10
  • 「建築工事監理指針平成28年版(第1版)(上巻)」p808(図9.2.5)(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考10
  • 「建築工事監理指針 平成28年版(第1版)(上巻)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)P808~809
引用11
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p124 ((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
アスファルト防水(密着保護防水仕様)の例示(引用12)
引用12
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p125(解説図1.8 AC-PF(1)) ((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
アスファルト防水(絶縁露出防水仕様)の例示(引用13)
引用13
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p131(解説図1.18 AM-MS(2)) ((一社)日本建築学会編集、発行)
4-2.改質アスファルトシート防水の概要
(1)改質アスファルトシート防水工法の分類と特性
改質アスファルトシート防水は、アスファルトにスチレン・ブタジエン・スチレン(熱可塑性ゴムの一種:通常SBS系と略す)やアタクチックポリプロピレン(非結晶性ポリプロピレン:通常APP系と略す)を添加し、アスファルトの性質を改良した改質アスファルトルーフィングシート(JIS A6013)を下地に張り付ける工法をいう。ここでは、トーチバーナーを用いた「トーチ工法」と「常温粘着工法」を対象とする。

密着仕様
「2.防水材料・工法の分類」の「(2) 密着仕様と絶縁仕様」による。
保護防水仕様と露出防水仕様
  • 保護防水仕様
    非露出防水用の改質アスファルトシートをトーチバーナーまたは粘着層により下地に全面密着させた防水層の上にコンクリート、コンクリート平板類等の保護層を設ける仕様で、防水層の耐久性の向上と歩行可能な用途に供する。
  • 露出防水仕様
    最上層に耐久性のある露出防水用の改質アスファルトシートをトーチバーナーにより下地に全面密着させる仕様(密着露出仕様)、または粘着層により下地に部分接着させる仕様(絶縁露出仕様)である。露出単層防水用改質アスファルトシートのみの単層防水の場合と、非露出複層防水用改質アスファルトシートと露出複層防水用改質アスファルトシートを組み合わせた複層防水があるが、露出防水は一般の歩行には適していない。
    また、通常、防水層の保護と美観を目的として、上層の露出防水用改質アスファルトシートの上にはシルバー系やその他の着色塗料を塗布するが、場所の状況等に応じて塗布しない場合もある。
参考11
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p177 ((一社)日本建築学会編集、発行)
断熱露出防水仕様
断熱材を接着剤により下地に接着し、その上に部分粘着層付シートを張り付け、さらに露出複層防水用改質アスファルトシートをトーチバーナーまたは粘着層により張り付ける仕様である。
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
改質アスファルト防水(密着露出防水仕様・トーチ工法)の例示(引用14)
参考12
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p186~187((一社)日本建築学会編集、発行)
引用14
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p179(解説図1.57 AT-PF)((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
改質アスファルト防水(密着保護防水仕様・常温粘着工法)の例示(引用15)
引用15
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p182(解説図1.60 AS-PF)((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
改質アスファルト防水(密着露出防水仕様・トーチ工法)の例示(引用16)
引用16
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p180(解説図1.58 AT-MF) ((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
改質アスファルト防水(絶縁露出防水仕様・常温粘着工法)の例示(引用17)
引用17
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p183(解説図1.61 AS-MS) ((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
改質アスファルト防水(断熱露出防水仕様・トーチ工法)の例示(引用18)
引用18
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p181(解説図1.59 AT-MT)((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
改質アスファルト防水(断熱露出防水仕様・常温粘着工法)の例示(引用19)
引用19
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防水工事(2014年版)」p184(解説図1.62 AS-MT) ((一社)日本建築学会編集、発行)
4-3.シート防水の概要
シート防水は、合成高分子系ルーフィングシート(JIS A 6008)を接着剤又は固定金具を用いて下地に張付ける防水工法である。ここでは主に鉄筋コンクリート造の住宅のシート防水を対象とする。
ルーフィングシートは合成ゴム又は合成樹脂を主原料としており、耐候性が優れているので、露出防水に適用できる。
シート防水は、アスファルト防水に比べ施工時に火を使わないことや施工が簡単、工期が短いなどの特徴がある。
(1)シート防水の種類(引用20)
種 類
略 称
主原料
均質シート 加硫ゴム系 均質加硫ゴム ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン など
非加硫ゴム系 均質非加硫ゴム ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン など
熱可塑性エラストマー系 均質TPE ポリオレフィン系 など
塩化ビニル樹脂系 均質塩ビ 塩化ビニル樹脂、塩化ビニル共重合体 など
エチレン酢酸ビニル樹脂系 均質エチレン酢ビ エチレン酢酸ビニル共重合体 など
複合シート 一般複合タイプ 加硫ゴム系 一般複合加硫ゴム ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン など
非加硫ゴム系 一般複合非加硫ゴム ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン など
熱可塑性エラストマー系 一般複合TPE ポリオレフィン系 など
塩化ビニル樹脂系 一般複合塩ビ 塩化ビニル樹脂、塩化ビニル共重合体 など
補強複合タイプ
補強複合 塩化ビニル樹脂、塩化ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、ポリオレフィン系、アクリル系 など
(2)主なシート防水工法の分類と特性
接着防水仕様
防水層を接着剤を用いて下地全面にわたって密着張りとする仕様で、冷工法となり比較的広範囲の屋根に施工が可能である。
断熱接着防水仕様
屋根スラブの外側に防水層と組み合わせて断熱材を設けるもので、防水層を接着剤を用いて断熱材の全面にわたって密着張りとする仕様である。
機械的固定仕様
接着剤の代わりに円盤及びプレート状の固定金具を用いて防水層を下地へ機械的に固定する仕様で、防水層を機械的に固定するため下地の水分の影響を受けにくく、また下地のひび割れ等の影響も受けにくい。
但し、固定金具で下地に固定されるため、耐風圧に対する強度を確保する必要がある。
断熱機械的固定仕様
屋根スラブの外側に防水層と組み合わせて断熱材を設けるもので、断熱材、および防水層を、接着剤の代わりに円盤状の固定金具を用いて下地に固定する仕様である。
但し、上記③と同様、固定金具は耐風圧に対する強度を確保する必要がある。
参考13
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」 ((一社)日本建築学会編集、発行)
参考14
  • 「公共建築工事標準仕様書平成28年版(第1版)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考15
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書 平成22年改訂」p91(9)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
引用20
  • 「合成高分子系ルーフィングシート JIS A 6008-2006」 ((一財)日本規格協会発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
引用21
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版)」 p231 ((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
シート防水(接着防水仕様)の例示(引用22)

「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
シート防水(断熱接着防水仕様)の例示(引用22)
引用22
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事(2014年版)」 p218(解説図1.85(S-RF) 解説図1.86 (S-RFT)) ((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
シート防水(機械的固定仕様)の例示(引用23)

「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
シート防水(断熱機械的固定仕様)の例示(引用23)
引用23
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」p224(解説図1.92(S-PM) 解説図1.93 (S-PMT)) ((一社)日本建築学会編集、発行)
4-4.塗膜防水の概要
塗膜防水層の種別は、JASS8に示される標準仕様から、防水材料の違いにより、ウレタンゴム系防水層、アクリルゴム系防水層、ゴムアスファルト系防水層、及びFRP防水層の4種類に大別できる。(参考16)ここでは、屋根防水において実績の多い「ウレタンゴム系塗膜防水層(以下、「ウレタン塗膜防水」という)」を対象とする。
(1)ウレタン塗膜防水の種類
ウレタン塗膜防水は、建築用塗膜防水材(JIS A 6021:2011)に適合するウレタンゴム系塗膜防水材(以下、「ウレタン塗膜防水材」という)をコテ又は吹付け機器を用いて下地に塗付ける防水工法をいう。
ウレタン塗膜防水材は、JISにより1類と2類に分類されていたが、2011年(平成23年)の改正により、2類が廃止され、高強度形が新設された。1類は高伸張形(旧1類)に名称変更され、仕様書等でウレタンゴム系1類の指定がある場合は、高伸張形(旧1類)で置き換えることができる。
また、JISの改正により、製品形態による区分が独立し、1成分形と2成分形による分類が明確になるとともに、多成分形の名称が2成分形に統一された。
1成分形は、あらかじめ施工に供する状態に調製したもので、湿気硬化型であり、空気中の水分を利用して常温下で硬化反応して、ゴム弾性のある塗膜を形成する。
2成分形は、主剤・硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤・充填剤・着色剤・希釈剤などを混合・塗布した後、常温下で硬化反応してゴム弾性のある塗膜を形成する材料である。主剤と硬化剤を用いる場合の混合比は、1対1、1対2などがあり、主剤の一定量と反応する硬化剤の量が決まっている。
また、2成分形の一種であるが、超速硬化ウレタン専用吹付け機を使用し、短時間でゴム弾性のある塗膜を形成して次の工程に移ることができる材料がある。
なお、塗膜防水は、防水層の美観保持と保護ならびに歩行を目的とした仕上塗料の塗布を行うものである。(参考17)
(2)主なウレタン塗膜防水工法の分類と特性
密着仕様
下地面にウレタン塗膜防水材を全面にわたって塗り付ける仕様で、現場打ち鉄筋コンクリート、プレキャストコンクリート部材を下地とする屋根・ひさし・開放廊下・ベランダおよび便所・機械室などに適用される。
絶縁仕様
通気緩衝シートを張付けた上にウレタン塗膜防水材を塗り付ける仕様で、通気緩衝シートを張付けることにより下地コンクリートの水分や挙動の影響を受けにくくなるため、比較的大面積の屋上に施工されることが多い。
参考16
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」p42~46((一社)日本建築学会編集、発行)
参考17
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」p257、258、266、267、272((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
ウレタン塗膜防水(密着仕様)の例示(引用24)
引用24
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」p259(解説図1.123(L-UFS))((一社)日本建築学会編集、発行)
「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
ウレタン塗膜防水(絶縁仕様)の例示(引用25)
引用25
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」p260((解説図1.125(L-USS))((一社)日本建築学会編集、発行)

5.防水層からの漏水の発生原因

(1)
不適切な防水層の設計
防水層の設計段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。
防水工法の選択
防水層端部の設計上の納まり
排水ルート、ドレン等の設置箇所
(2)
不適切な防水層の施工等
防水層の施工段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。
防水層の品質
防水層の施工
排水ルート、ドレン等の施工
(3)
不適切な使用・メンテナンス
居住者の使用・メンテナンスに以下のような不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。
本来の目的以外の使用
想定した荷重以上の重量物の設置等
ドレン等排水部分のメンテナンス不良
植物等の繁茂
事前確認等
  • 0 事前確認等」によるほか、調査に先立ち次のヒアリングシートを参考に居住者へのヒアリングを行う。

<参考資料:ヒアリングシートの例>(引用26)

建物名称
今までに漏水したことがありましたか?
有る 無い
有ると答えた方だけ③以降にお答えください。
漏水した場所を教えてください。
(1)漏水したのは、何階建ての何階部分ですか? (  )階建ての(  )階部分
(2)漏水したのは、どこの部屋ですか?(                 )
(例:北西の居室)
(3)漏水したのはどこの場所ですか?(                  )
(例:天井・北壁・窓下)
(4)漏水部に「ひび割れ」はありますか?(有る:        ・無い)
漏水した時を教えてください。
1.雨が降るとだいたい漏水してくる。
2.風向きによって漏水する。
3.大雨(長雨)の時漏水する。
4.冬の寒いとき、雨と関係なく漏水する。
5.漏水する部屋は、ほとんど換気しない。
6.漏水か、結露かはっきりしない。
7.雨が降り始めると,すぐ漏水する。
8.雨が降り始めてから、5~6時間してから漏水し始める。
9.雨が降り始めてから、半日以上たってから漏水し始める。
10.雨がやんだ翌日でもまだ漏水が続いている。
11.その他(                              )
1.バケツに溜まる位。
2.雑巾がビショビショになる位。
3.水滴がポタッと落ちる位。
4.シミで壁、天井が汚れる位。
5.その他(                              )
漏水について自由にお書きください。




  • 上記ヒアリングシートは、漏水・結露の別、漏水の場合の種類・箇所等の可能性を推定するための一例である。一般に降雨や風などの状況は実際の調査の際の参考となる。
  • 上記ヒアリングシートの項目のほかに、漏水が始まった時期を確認しておくとよい。
引用26
  • 「建築改修実務事典」p263(産業調査会 事典出版センター発行)
漏水の発生状況の確認

調査の視点

  • 屋根からの雨水の浸入による漏水は、浸入経路を特定することが容易でない場合が多いが、屋根面の防水の状況を観察することにより、大まかに発生原因を推定することは可能である。
  • 屋根の直下階の天井面にあらわれた漏水が、必ずしも屋根面からの水の浸入とは限らない場合もあり、外壁、パラペット等に生じるひび割れ等の拡大によって屋根平面部以外からの水の浸入もある。また、排水管等の結露の可能性も念頭に入れて調査を行う。

調査方法

1.漏水発生部位の確認

(1)調査方法

  • 漏水(又は漏水によるしみ、はがれ等)が住戸内部のどの部分に発生しているかを目視にて確認する。
  • 屋根面の防水層の変形、破れ、はがれ等がないかを目視、打診等により確認する。部位ごとに確認する主な項目を以下に列記する。

    ①防水層の一般部(平面部)
    <保護防水(コンクリート)の場合>
    1)
    保護コンクリートにひび割れ、欠損、せり上がり等が生じていないか。ひび割れが生じている場合には、位置を記録し、幅をクラックスケール等により測定する。
    2)
    伸縮調整目地の周辺を中心にひび割れや隙間が生じていないか。
    3)
    植物が繁茂していないか。
    4)
    屋上スラブにたわみが生じていないか。水溜まり等の有無で確認する。

    <露出防水の場合>
    1)
    防水層にひび割れ等が生じていないか。ひび割れが生じている場合には、位置を記録し、幅をクラックスケール等により測定する。
    2)
    防水層の下に水が回っていないか(指触により確認)、又は下地コンクリートのひび割れがないか(天井裏から目視により確認)。
    3)
    防水層の破れ、はがれ等が生じていないか。破れ、はがれの位置及び範囲を目視又は指触により確認する。
    破れ、はがれの箇所において防水層の下に水が回っていないかを指触などにより確認する。
    4)
    防水層にふくれが生じていないか。目視又は指触により、ふくれ発生の位置及び範囲を確認する。ふくれ箇所において、防水層の下に水が回っていないかを指触により確認する。

    ②防水層の端部
    <パラペットや塔屋の立ち上がり部分>
    1)
    コンクリート保護防水の場合
    • コンクリート保護層のひび割れ、欠損、倒れ、劣化
    • パラペットの押出し(外部から確認する。)
    2)
    露出防水の場合
    • 防水層のふくれ、ルーフィングの傷み、口あき、破れ
    3)
    手摺等が設けられている場合
    • 取付け部分にひび割れ等がないか。ひび割れが生じている場合には、位置を記録し、幅をクラックスケール等により測定する。
    • ひび割れにより防水層の下に水が回っていないか指触等により確認する。
    • 庇がある場合には下地コンクリートまでひび割れが達していないか、庇の上げ裏を目視により確認する。
    4)
    コンクリートのあご・笠木の割れ、剥離、シーリングの剥離、破断
<屋上に設置された設備機器等の周辺>
1)
アンテナ、太陽光発電システム等の設備機器の架台部分の防水層にひび割れ等が生じていないか。防水の平面部、立ち上がり部での設備配管等の状況を目視により確認する。
<屋上出入口枠、トップライト部分>
1)
当該部分に破断、損傷、シーリングの切れ等がないか。
③ドレン等排水部分
1)
ドレン部にごみや泥によるつまりがないか、植物等の繁茂はないか。
2)
ドレンと防水層の納まりが適切であるか。
3)
屋根面に水がたまっている箇所がないか。ドレンの位置、排水方向、不陸の程度を目視、スケール等で確認する。
参考18
  • 「建築技術1989年7月号」「防水層の診断」p132~135(久保公昭)、「漏水の診断」p158~163(川本建、佐野勇)((株)建築技術編集、発行)

(2)注意事項等

  • 目視調査等は降雨時又は降雨の直後がわかりやすい場合もあるので、想定される漏水原因によって、調査日を検討する。
  • 居住者へのヒアリングにより事前確認をし、漏水時期等を把握しておくことも重要である。新築直後か、経過年数が長いか、又は漏水発生の直前に防水改修工事や設備機器設置等の工事を行ったか等を調査する。
  • 結露による漏水の発生も想定されるため、漏水の発生した居室等の使用状況(暖房、換気等)またドレン、樋が部屋内に配管されていないか確認する。
参考19
  • 「建築技術1994年10月号」 漏水診断のテクニック((株)建築技術編集、発行)

調査結果の考え方

  • 屋根平面部の防水層の破れ、はがれが生じている場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。
  • 防水層にふくれや浮きがあり、かつ防水層の内部に水が回っていることが確認された場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。
  • 防水層端部(パラペットや塔屋の立ち上がり部等)の金物押えの外れ、シール材の切れが生じている場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。
  • ドレン部のつまりや、植物が繁茂している場合は、当該部が漏水原因の一つである可能性が高い。

使用する検査機器

設計内容の確認

調査の視点

  • 設計段階において、防水対策が適切に行われているかを確認する。

調査方法

1.防水層の設計内容の確認

確認のポイント
防水工法の選択
防水層端部の設計上の納まり
排水ルート、ドレン等の設置箇所

(1)調査方法

  • 当該住宅の設計図書(設計図、仕様書等)を対象として、防水層に係る設計が適切に行われているかを確認する。なお確認にあたっては建設住宅性能評価関連図書等が参考となる。
  • <確認のポイント>に沿って確認する主な項目を示す。
    防水工法の選択
    • 屋上の使用目的に照らして適切な工法が選択されているか。(歩行用・非歩行用、屋上緑化(参考23,参考24)、設備機器(参考25,参考26,参考27)の設置の有無等)
    • 断熱計画(内断熱・外断熱)、屋根スラブの構造種別(RC・ALCか、ムーブメントの大小等)に照らして適切な工法が選択されているか。
    防水層端部の設計上の納まり
    • パラペットの立上がり・寸法、防水層端部の押え、エキスパンションジョイント部、トップライトとの取合い部、設備機器設置箇所、出入口枠部等の納まりの設計が適切に行われているか。
    排水ルート、ドレン等の設置箇所
    • 必要な水勾配が確保されているか。
    • 排水方向、排水溝、ドレンが屋根の面積・平面形状に応じて適切に設置されているか。
    • 建設地の過去の最大降雨量を考慮してそれに対応した排水管径と設置箇所数が確保されているか。(参考28)

(2)注意事項等

  • 特になし
参考20
  • 「建築工事標準仕様・同解説JASS8 防水工事(2014年版)」((一社)日本建築学会編集、発行)
参考21
  • 「建築技術1998年5月号」「屋根の設計術」(㈱建築技術編集、発行)
参考22
  • 「建築知識1987年3月号」メンブレン防水を再考する(㈱建築知識編集、発行)
参考23
  • 「公共建築工事標準仕様書 平成28年版(第1版)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)P391~393
参考24
  • 「建築工事監理指針 平成28年版(第1版)(下巻)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)P909~929
参考25
  • 「既存住宅の瑕疵担保責任保険施工・検査基準(住宅用太陽電池モジュール設置工事編)」(2010)国土交通省住宅局
    ホームページ
参考26
  • 「住宅瑕疵担保責任保険[現場検査]講習テキスト(リフォーム瑕疵保険&既存住宅売買瑕疵保険)」(2010)(国土交通省住宅局、(一社)住宅瑕疵担保責任保険協会・発行)
参考27
  • 「住宅用太陽光発電システム設計・施工指針」平成19年3月(住宅用太陽光発電システム施工品質向上委員会編集)
参考28
  • 「空気調和・衛生工学会規格 SHASE-S206-2009 給排水衛生設備規準・解説」((社)空気調和・衛生工学)P131、132、281~286)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な設計が行われていない場合は、防水対策上の配慮不足が原因で漏水につながっている可能性が高い。
    防水工法の選択
    防水層端部の設計上の納まり
    排水ルート、ドレン等の設置箇所
施工状況等の確認

調査の視点

  • 防水工事が適切に施工されているかを確認する。
  • 防水施工の不備により、防水層に不具合事象が発生している可能性があるため、書類及び目視等により、施工状況を確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
防水層の品質

(1)調査方法

  • 施工記録(施工計画書、工事状況報告書、工事写真、材料納入伝票等)及び建設住宅性能評価関連図書等により、把握できる範囲において施工が設計どおりに適切に行われているかを確認する。
    防水層の材料の品質、規格(JIS規格)
    防水層の種類、種別、仕様(密着・絶縁、保護防水・露出防水)
    施工の工程(下地を含む)

(2)注意事項等

  • 特になし

2.目視等による施工状況の確認

確認のポイント
防水層の施工
排水ルート、ドレン等の施工

(1)調査方法

  • 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを目視等により確認する。
  • 不適切な箇所が発見された場合には写真等で記録する。
  • 記録した結果を設計図書等と照らし合わせて確認する。
  • 防水の部位は、陸屋根面の「平面部」とパラペット等の「防水層の端部」とに分けられる。漏水の事故例によると、防水層の端部にその発生原因がある場合が多く、まず漏水の発生しやすいパラペット周辺、出入口周辺、設備機器設置箇所等の防水層の端部から確認していくと効率が良い。
参考29
  • 「建築技術1989年7月号」「防水層の診断、漏水の診断(㈱建築技術編集発行)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、設計どおりの施工が行われていない場合、又は不適切な施工が行われている場合は、防水の施工不良等が原因で漏水につながっている可能性が高い。
    防水層の品質
    防水層の施工
    排水ルート、ドレン等の施工

使用する検査機器

  • スケール
  • 懐中電灯
使用・メンテナンス状況の確認

4 使用・メンテナンス状況の確認」によるほか、以下の確認を行う。

調査の視点

  • 屋根防水は、屋根の使用目的により適切な工法・仕様が選択される。設計、施工が適切に行われても、当初予定されていた目的以外の使用がなされた場合は、漏水につながることがある。
  • 通常、屋根は人の目が届きにくいため、定期的なメンテナンスが行われていない場合は、ドレンのつまり等により排水不良が生じ、漏水につながることもある。

調査方法

1.使用状況等の確認

(1)調査方法

  • 事前確認等を参考にして、屋根が当初予定されていた目的以外に使用がされていないか、また、使用・メンテナンス状況が適切かを目視により確認する。
    屋根が当初予定されていた使用目的以外の使われ方をしていないか。
    重量物の設置・移動等による防水層又は保護層の破損につながる行為がなかったか。
    ドレン等が落葉やゴミによってつまっていないか。
    保護防水のコンクリート目地部分などに植物等が繁茂していないか。

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの状況がある場合は、使用・メンテナンスの不備が原因で漏水につながっている可能性が高い。
    当初予定されていた目的以外の使用
    想定した荷重以上の重量物の設置等
    ドレン等排水部分のメンテナンス不良
    植物等の繁茂

使用する検査機器

  • 特になし
外的要因の確認
5 外的要因の確認」による。
詳細調査の必要性の検討
6 詳細調査の必要性の検討」による。