調査方法編

設備に関する不具合

1.住宅における設備の種類

水に係る住宅の設備には、給水設備、給湯設備、排水設備があり、空気に係わる設備としては換気設備、熱に係わる設備には冷暖房設備、床暖房設備、ガス設備などがある。これらは機械設備と呼ばれている。このほか電気設備として、強電設備、弱電設備などがあり、電話、情報設備なども一般に電気設備に含まれる。主要な設備の方式を以下に示す。
給水設備の方式
  • 戸建住宅の場合は、公共水道から上水を直接給水する水道直結(直圧)給水方式が採用される。
  • 共同住宅の場合は、公共水道からの上水を一旦受水槽に貯水し、ポンプで屋内給水管を通して各住戸に給水する方式が多い。受水槽から直接ポンプにより各住戸に給水するポンプ直送方式と、受水槽からポンプにより屋上の高置水槽に揚水し、その後重力を利用して各住戸に給水する高置水槽方式が代表的である。なお、最近は地域によるが、受水槽を必要としない水道直結増圧給水方式も普及している。
給湯設備の方式
  • 給湯方式を大別すると、給湯を必要とする箇所ごとに給湯機を設置する局所方式、各住戸ごとにまとめて熱源機器を置く住戸中央方式と、熱源機器を住棟ごとあるいは複数の住棟で設置し、共用配管で各住棟・住戸に給湯する住棟中央方式に分けられる。通常の戸建及び共同住宅では、住戸中央方式が多く採用されている。
  • 給湯機の熱源は、ガス・灯油・電気が一般的である。給湯機は住宅の外部に設置するタイプと内部に設置するタイプがあり、住宅内の配管を通して各箇所に給湯される。
  • 給湯機には、ガス給湯機に代表される瞬間式と、電気温水器やヒートポンプ給湯機に代表される貯湯式がある。貯湯式では、一般に価格の安い夜間電力が利用される。
排水設備の方式
  • 排水の種類は、汚水(便所の大小便器からの屎尿を含む排水)と雑排水(台所、洗面、洗濯や浴室等からの排水)がある。
  • 戸建住宅の場合は、排水器具から配管を通して屋外の桝に集水され、公共下水道等に放流される。
  • 共同住宅の場合は、各住戸からの排水は共用部にある排水立て管に集められ、最下階の排水横主管を通り、屋外桝を経て放流される。
  • 公共下水道が整備されていない地域では、直接放流することができないため、一旦合併処理浄化槽で処理した後に放流される。
換気設備の方式
  • 住宅の換気設備は、厨房換気設備、浴室等の水まわり換気設備及び居室の換気設備に大別される。
  • 厨房換気設備は、ガスコンロなどで発生する燃焼ガスの排出や、料理等で発生する水蒸気、臭い、油煙(オイルミスト)などを排気することが目的で、レンジフードファンや壁面に設けた換気扇によって換気される。電磁誘導式加熱調理器(IHクッキングヒーター)の場合は、燃焼ガスが発生しないため、排気をしない室内循環レンジフードファンを用いることもある。
  • 浴室等の換気設備は、便所、洗面所、脱衣所、浴室などの汚染空気を排出することが目的で、各箇所ごとに単独に換気する場合と、複数の箇所をダクトで接続して1台の換気扇で換気を行う場合とがある。浴室の換気設備には、浴室の乾燥や、衣類等の乾燥、涼風や暖房などの多機能を有するものが利用されている。
  • 居室換気設備は、建築基準法に基づくシックハウス対策を目的として24時間換気を行うもので、各居室の壁面から外気を給気し、廊下などを経由して浴室に設けた換気設備で集中して排気する方式や、給排気ができる換気装置を用いて、外気をダクトで各部屋に分配したのち、廊下などを経由して、再び換気装置で集中して排気する方式などがある。この際に、外気と室内空気との間で熱交換をして、省エネルギーを図ることができる熱交換型換気装置もある。
冷暖房設備の方式
  • 暖房専用方式には、ボイラーでつくられて温水を循環して、各部屋に設置したパネルヒーター、ファンコンベクターなどの放熱器で暖房を行うセントラルヒーティング方式や、各部屋の壁を貫通して、燃焼用空気を取り入れ、排気ガスを排出する密閉型暖房機(BF型、FF型暖房機)などがある。このほか室内の空気を利用して煙突で排気する半密閉型暖房機や、通常ストーブあるいは、ファーネスとよばれる室内空気で燃焼し排気ガスも室内に放出する開放型暖房機があるが、室内の空気汚染の恐れがあることから、使用する場合には注意が必要である。
  • 冷房は、ヒートポンプ方式を用いたエアコンが多用されている。ヒートポンプ方式は夏と冬とでサイクルを逆転できることが可能で冷暖房兼用で使用できる。この冷暖房方式は室内機と室外機で構成され、この間を冷媒管で接続している。1台の室外機で、数台の室内機を運転できるマルチエアコンも利用されている。
床暖房設備の方式
  • 床暖房は、面状の発熱体を床に埋め込み、温水や電気によって発熱させ、床面を温め、床表面からの放射熱により暖房を行うものである。
  • 熱源としては、ガス給湯暖房機、灯油給湯機(ボイラー)、ヒートポンプ給湯機などからの温水を循環する方式や、電気の面状発熱体による電気床暖房方式がある。
電気設備の方式
  • 戸建住宅では、電柱から直接、住宅の軒先まで引きこむ方式が一般的である。このほか引込小柱を設置してそこまで架空で引き込み、その後地中を通して住宅に引き込む方式がある。
  • 共同住宅では、電柱等から建物内の借室電気室まで高圧で引き込み、トランスで変圧した後に、幹線ケーブルによって各住戸の分電盤まで配線する方式と、柱上に設けたトランスから低圧で直接受電する方式がある。
  • 電気の配線方式には、単相2線式と単相3線式とがあり、200ボルトが必要な場合には、単相3線式とする必要がある。
  • 弱電設備には、電話設備、インターホン設備、TV(CATV)設備、インターネット等の情報設備、防災・防犯設備などがある。

2.設備の不具合の種類

設備の不具合は、耐用年数到来による老朽化と性能低下、配管や材料などの腐食、設置環境によるトラブル、設備機器の故障による機能不全や異臭、異音の発生などさまざまな要因が関係して発生する。ここでは、主に外観目視等から容易に確認できる不具合現象を取扱い、各々の調査方法について以下のように構成している。
漏水(給水配管、水栓周り、給湯配管、排水配管、洗濯機防水パン周り、ユニットバス周り、大便器周り)
結露(給水・排水管、大便器)
騒音(換気設備、給水・給湯配管、排水配管)