調査方法編

給水配管・排水配管の結露

1.給水配管・排水配管の結露

給水配管・排水配管の結露とは、配管の表面温度が、内部の物体によって低下して、周囲の空気中の水分が管表面につき濡れる状態を言う。

2.発生原因

(1)
不適切な設計
設計段階において、結露対策上以下の事項に不適切な点がある場合には、結露につながることがある。
保温材の仕様
配管ルート
換気設備の設計
(2)
不適切な施工等
施工段階において、結露対策上以下の事項に不適切な点がある場合には、結露につながることがある。
保温工事の施工
保温材の仕様
施工中の養生等
(3)
不適切な使用・メンテナンス
適切な設計・施工が行われていても、居住者の使用に、以下のような状況があった場合には、結露につながることがある。
室内空気中の水蒸気量の増加
不十分な換気
部分的な温度低下
(4)
間違いやすい類似の不具合
給水配管、給湯配管、排水配管等から漏水している場合があるので、注意を要する。
事前確認等

調査の視点

現場調査等にさきがけて、発生原因特定のための調査に必要な情報を把握し、調査の進め方の詳細等を検討しておく。

調査方法

  1. 居住者及び住宅供給者へのヒアリング並びに次の「2.」により、主として以下のような情報を確認し、整理しておく。
    住宅の構造・建て方、契約の内容等(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造/戸建、集合 等)
    不具合事象の状況、発生部位、施工の状況等
    不具合事象の発見時期(新築後経過年数)
    不具合事象の程度の進行状況
    不具合事象の発生と季節・天候等との相関関係
    他の種類の不具合事象の発生状況
    周辺の住宅における同様の不具合事象の発生状況
    住宅の立地条件(気候・地形等)、近隣の状況
    不具合事象の発生後の処置の有無及び状況
  2. 住宅性能表示制度に基づき、建設住宅性能評価書が交付された住宅の申請図書等は、規定された期間、登録住宅性能評価機関等に保存される。
    したがってその保存期間内であれば、それらの申請図書等を、住宅紛争処理支援センターを経由して当該評価機関等から取り寄せることが可能である。
    (1)
    登録住宅性能評価機関に保存される帳簿は、以下の通りであり、業務の全部を廃止するまで保存される。(品確法第19条第1項、同法施行規則(以下「規則」という。)第20条第1項三号)
    住宅性能評価書に記載した事項を記載した帳簿
    (2)
    登録住宅性能評価機関に保存される図書は、以下の通りであり、建設住宅性能評価書が交付された日から20年間保存される。(品確法第19条第2項、規則第21条第1項・第3項、第15条第1項第一号ロ)
    建設住宅性能評価申請書(変更建設住宅評価申請書を含む)
    建設住宅性能評価申請書の添付図書
    • 設計住宅性能評価書
    • 設計評価申請添付図書
      住宅性能表示制度に基づく認定又は認証を取得した住宅又は住宅の部分については、以下の書類が添付される。
      * 住宅型式性能認定書の写し
      * 型式住宅部分等製造者等認証書の写し
      * 特別評価方法認定書の写し
      * 建築基準法に基づく確認済証
    施工状況報告書
    規則第6条第4項に規定する図書
    検査に際し評価機関が評価申請者に提出させたもの
    (3)
    登録住宅型式性能認定等機関、登録外国住宅型式性能認定等機関、登録試験機関又は登録外国試験機関に保存される図書は、以下の通りであり、認定又は認証が失効した又は取り消されたときから20年間保存される。(規則第68条第3項、規則第94条第3項)

    <住宅型式性能認定の場合>(規則第68条第1項第一号)

    住宅型式性能認定申請書
    住宅型式性能認定申請書の添付図書
    住宅型式性能認定書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <型式住宅部分等製造者の認証(更新)の場合>(規則第55条第1項第二号(第三号))

    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書
    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書の添付図書
    型式住宅部分等製造者等認証書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <特別評価方法認定の場合>(規則第94条第1項、第82条第1項)

    特別評価方法認定のための審査に係る試験申請書
    特別評価方法の概要を記載した書類
    特別評価方法により代えられるべき部分を明示した書類
    平面図等その他の試験を実施するために必要な事項を記載した図書
    試験の結果の証明書の写し
    その他審査の結果を記載した書類
    上記資料に基づき、住宅の性能表示項目に関して調査する場合には、該当する等級毎の基準を参照する。
    なお、評価方法基準の詳細については、平13国交告第1347号による。
  3. 以上の情報に基づき、調査の方法・進め方の詳細等を検討しておく。
結露の発生状況の確認

調査の視点

  • 結露は,さまざまな原因で発生するため、結露の発生場所・時期等の状況を入念に調査する。

調査方法

1.結露発生部位の確認

(1)調査方法

  • 結露している配管の種類と保温材の仕様を確認する。
  • 結露がどの部分から発生しているかを目視・触診にて確認する。

(2)注意事項等

  • 漏水と誤認する場合もあるため、注意を要する。

調査結果の考え方

結露は保温材の仕様と施工と周辺の空気環境に起因する場合が主となることが多く、次のことが考えられる。
  • 保温材の仕様選択が不適切な場合。
  • 配管ルートが悪く湿度が高い場所に配管がある。
  • 天井裏など隠ぺい配管部分の換気設備が配慮されていない。
  • 保温工事の施工が悪く保温材の合わせ目にすき間がある。
  • 締め切った室内での開放形暖房器具等の使用により、室内空気中の水蒸気量が増加している。

使用する検査機器

  • 懐中電灯

<診断(調査)の専門性>

①給排水衛生設備に関する専門技術者
②保温工事に関する専門技能者
結露防止対策の設計内容の確認

調査の視点

  • 設計段階において、結露防止対策の配慮、断熱の設計・換気計画等が適切に行われているかを確認する。

調査方法

1.結露防止対策等の設計内容の確認

(1)調査方法

  • 設計図書(設計図、仕様書等)を用いて、結露防止対策等の設計が適切に行われているかを確認する。
  • 以下に確認する主な項目を示す。
    保温材の仕様
    • 給水管、排水管の保温材の仕様選択が適切でない。
    配管ルート
    • 湿度が高い場所へ配管を通すようになっている。
    換気設備の設計
    • 天井裏など隠蔽配管部分の換気設備が配慮されていない。

(2)注意事項等

  • 必要に応じて設備設計者へのヒアリングを行う。

調査結果の考え方

  • 調査時に確認を行った主な項目について、設計が適切に行われていない場合は、配管等の結露防止対策の設計内容が原因で結露につながっている可能性がある。

使用する検査機器

  • 懐中電灯

<診断(調査)の専門性>

①給排水衛生設備に関する者
②保温工事に関する専門技能者
結露防止対策の施工状況等の確認

調査の視点

  • 結露防止対策の保温工事の施工が適切に行われているかを確認する。
  • 設計仕様書どおりの保温工事が適切に行われているかを確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
保温工事の施工状況
保温材の仕様
施工中の養生等

(1)調査方法

  • 施工記録(施工図、施工状況報告書、工事写真等)により、把握できる範囲において、保温等の施工が設計どおりに適切に行われているかを上記<確認のポイント>に沿って確認する。
  • 特に、給水管の保温材の仕様が設計どおりとなっているかを確認する。

(2)注意事項等

  • 設計仕様書どおりの保温工事が適切に行われているかを確認する。
  • 設計時点とリフォーム等により、配管周辺における空気環境が変化していないかを確認する。

2.目視等による施工状況の確認

(1)調査方法

  • 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを目視等により確認する。
  • 不適切な箇所が発見された場合には写真等で記録する。記録した結果を設計図書等と照らし合わせて確認する。
  • 保温工事の状態を触診により確認する。
  • 戸建住宅の場合、床は床下点検口等、天井・小屋裏は天井点検口等より目視等にて確認する。
  • 必要に応じ、結露が発生している部分の保温材の一部をはがし、保温材等の仕様、施工状況を目視・触診により確認する。
  • 以下に確認する主な項目を示す。
    保温工事の施工
    • 保温材の合わせ目にすき間がある。
    • 保温材が配管に密着して取り付けられていない。
    保温材の仕様
    施工中の養生等
    • 施工中の保温材の養生等が十分になされず、雨等に保温材が濡れて保温性能が劣化している。

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 調査時に確認を行った主な項目について、設計どおりの施工が設計どおりに行われていない場合、又は不適切な施工が行われている場合は、保温工事の施工等が原因で結露につながっている可能性がある。

使用する検査機器

  • 懐中電灯

<診断(調査)の専門性>

①給排水衛生設備に関する専門技術者
②保温工事に関する専門技能者
使用・メンテナンス状況の確認

4 使用・メンテナンス状況の確認」によるほか、以下の確認を行う。

調査の視点

  • 結露は、居住者の部屋等の使用方法に起因する場合も多いため、住まい方などの状況や設備の使用状況を確認する。

調査方法

1.使用状況等の確認

(1)調査方法

  • 事前確認等を参考にして、結露防止対策上の使用・メンテナンス状況が適切に行われているかを居住者へのヒアリングや目視等により確認する。
    室内空気中の水蒸気量の増加
    不十分な換気
    部分的な温度低下

(2)注意事項等

  • 室内の加湿の状況を確認する。

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項に該当する場合は使用・メンテナンスの不良が原因で結露につながっている可能性がある。
    室内空気中の水蒸気量の増加
    • 締め切った室内での開放型暖房器具等の使用の有無
    • 加湿器の使用の有無
    不十分な換気
    • 換気設備の作動状況、給気口・排気口の設置の有無、目詰まりの有無
    部分的な温度低下
    • 冷房期におけるルームエアコンの吹き出し口

使用する検査機器

  • 懐中電灯

<診断(調査)の専門性>

①給排水衛生設備に関する専門技術者
②保温工事に関する専門技能者
外的要因の確認

5 外的要因の確認」による。

詳細調査の必要性の検討

6 詳細調査の必要性の検討」による。