調査方法編

外壁のひび割れ・欠損(ALCパネル)

1.外壁のひび割れ・欠損とは

外壁のひび割れとは、外壁仕上材(サイディング等)や外壁材(ALCパネル等)の表面に部分的な割れが発生することをいう。

外壁の欠損とは、外壁の一部が欠け損ずることをいう。

鉄筋コンクリート造住宅の外壁材として用いられるALCパネルは、中・高層住宅の玄関回り壁やバルコニー側壁の非耐力部材として使用される場合が多い。鉄筋コンクリート造の躯体の間にはさまれる形でALCパネルが設置され、躯体との適切な隙間が確保されていない場合、躯体の変形がわずかでもALCパネルのひび割れ等が発生することがある。
また、ALCパネル工事に問題がなくても、付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)が不適切な場合、比較的大きな荷重のものがALCパネルへ直接取付けられる場合にALCパネルのひび割れ等が発生することがある。
外壁のALCパネルのひび割れ等は、空隙から雨水の浸入の原因となる可能性もあるので、注意を要する。
なお、ALCパネルにはALC厚形パネル(厚さ75㎜以上、200㎜以下)とALC薄形パネル(厚さ35㎜以上、75㎜未満)(参考1)があるが、ここではALC厚形パネルを対象とする。

ALCパネルを下地として外壁仕上材にタイルが用いられている場合は下地の厚さ100㎜以上(参考2)で、施工現場で張付けるタイル仕上げを対象とし、[新築住宅用 鉄骨造住宅 調査方法編]の[外壁のひび割れ・欠損(はがれ・浮きを含む)(サイディング・ALCパネル・タイル張り)]の該当項目に準じて調査する。

2.発生原因

(1)
適切な設計・施工でも通常起こり得る軽微なALCパネルのひび割れ
適切な設計・施工が行われていても、仕上材の経年変化等により、ALC外壁表面に軽微なひび割れが生じることがある。
(2)
基礎の沈下等
基礎が何らかの理由で沈下した場合や、外壁が何らかの理由で変形・傾斜した場合、これらに連動してALCパネルのひび割れ等が発生することがある。(基礎の沈下の発生原因は[基礎の沈下]を参照。外壁の傾斜の発生原因は[外壁の傾斜]を参照)
(3)
不適切な外壁の設計
外壁のALCパネルの設計段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、ALCパネルのひび割れ等につながることがある。
ALCパネルの取付構法の選択
ALCパネル、取付材(※)の選択
ALCパネル、取付材の断面寸法等
ALCパネル、取付材の配置・支持間隔
ALCパネル、取付材の納まり
ALCパネル等の割付け
ALCパネルへの荷重の想定
取付材:定規アングル、受け金物、開口補強材、イナズマプレート等(その他、主に間仕切り壁用の構法としてアンカー筋構法、フットプレート構法等があり、鉄筋やフットプレート等も使用される場合がある。)

参考1
  • 「JIS A5416:2016軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)」((一財)日本規格協会)
参考2
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS19 陶磁器質タイル張り工事」p20 3.9.1c.(3)、p36 4.9.1c.(3)((一社)日本建築学会編集、発行)

<参考:ALCパネル壁の例(高層住宅バルコニー側)>(引用1)
(4)
不適切なALCパネルの施工等
外壁のALCパネル工事の段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、ALCパネルのひび割れ等の発生につながることがある。
(材料)
ALCパネル、取付材の選択
ALCパネル、取付材の品質
ALCパネル、取付材の断面寸法等
(施工)
ALCパネル、取付材の配置・支持間隔
ALCパネル、取付材の納まり
ALCパネル等の割付け
ALCパネルに付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)
参考3
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書 平成22年改訂」p53(5)、p85(8)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
参考4
  • 「公共建築工事標準仕様書 平成28年版」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考5
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS21 ALCパネル工事」((社)日本建築学会編集、発行)
引用1
  • ALC協会提供資料
事前確認等

調査の視点

現場調査等にさきがけて、発生原因特定のための調査に必要な情報を把握し、調査の進め方の詳細等を検討しておく。

調査方法

  1. 居住者及び住宅供給者へのヒアリング並びに次の「2.」により、主として以下のような情報を確認し、整理しておく。
    住宅の構造・建て方、契約の内容等(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造/戸建、集合 等)
    不具合事象の状況、発生部位、施工の状況等
    不具合事象の発見時期(新築後経過年数)
    不具合事象の程度の進行状況
    不具合事象の発生と季節・天候等との相関関係
    他の種類の不具合事象の発生状況
    周辺の住宅における同様の不具合事象の発生状況
    住宅の立地条件(気候・地形等)、近隣の状況
    不具合事象の発生後の処置の有無及び状況
  2. 住宅性能表示制度に基づき、建設住宅性能評価書が交付された住宅の申請図書等は、規定された期間、登録住宅性能評価機関等に保存される。
    したがってその保存期間内であれば、それらの申請図書等を、住宅紛争処理支援センターを経由して当該評価機関等から取り寄せることが可能である。
    (1)
    登録住宅性能評価機関に保存される帳簿は、以下の通りであり、業務の全部を廃止するまで保存される。(品確法第19条第1項、同法施行規則(以下「規則」という。)第20条第1項三号)
    住宅性能評価書に記載した事項を記載した帳簿
    (2)
    登録住宅性能評価機関に保存される図書は、以下の通りであり、建設住宅性能評価書が交付された日から20年間保存される。(品確法第19条第2項、規則第21条第1項・第3項、第15条第1項第一号ロ)
    建設住宅性能評価申請書(変更建設住宅評価申請書を含む)
    建設住宅性能評価申請書の添付図書
    • 設計住宅性能評価書
    • 設計評価申請添付図書
      住宅性能表示制度に基づく認定又は認証を取得した住宅又は住宅の部分については、以下の書類が添付される。
      * 住宅型式性能認定書の写し
      * 型式住宅部分等製造者等認証書の写し
      * 特別評価方法認定書の写し
      * 建築基準法に基づく確認済証
    施工状況報告書
    規則第6条第4項に規定する図書
    検査に際し評価機関が評価申請者に提出させたもの
    (3)
    登録住宅型式性能認定等機関、登録外国住宅型式性能認定等機関、登録試験機関又は登録外国試験機関に保存される図書は、以下の通りであり、認定又は認証が失効した又は取り消されたときから20年間保存される。(規則第68条第3項、規則第94条第3項)

    <住宅型式性能認定の場合>(規則第68条第1項第一号)

    住宅型式性能認定申請書
    住宅型式性能認定申請書の添付図書
    住宅型式性能認定書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <型式住宅部分等製造者の認証(更新)の場合>(規則第55条第1項第二号(第三号))

    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書
    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書の添付図書
    型式住宅部分等製造者等認証書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <特別評価方法認定の場合>(規則第94条第1項、第82条第1項)

    特別評価方法認定のための審査に係る試験申請書
    特別評価方法の概要を記載した書類
    特別評価方法により代えられるべき部分を明示した書類
    平面図等その他の試験を実施するために必要な事項を記載した図書
    試験の結果の証明書の写し
    その他審査の結果を記載した書類
    上記資料に基づき、住宅の性能表示項目に関して調査する場合には、該当する等級毎の基準を参照する。
    なお、評価方法基準の詳細については、平13国交告第1347号による。
  3. 以上の情報に基づき、調査の方法・進め方の詳細等を検討しておく。
不具合事象の程度の確認

-1 ひび割れ等の損傷状況の確認

調査の視点

  • 適切に設計・施工されたALC外壁であっても、仕上材の経年変化等により、ALC外壁表面に軽微なALCパネルのひび割れ等は発生することがある。
  • 適切に設計・施工されたALCパネルであっても、付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)において、ALCパネルに影響を与える部分の不適切な施工がある場合には、ALCパネルのひび割れ等が発生することがある。
  • 表層で発生するひび割れ等には、ALCパネルの外部仕上げ面の塗膜層のひび割れ等が考えられるため、まず塗膜の劣化状況を確認する。
  • さらに、ひび割れ等が塗膜などの表層部にとどまらず、ALCパネルそのものに至っている場合には、ひび割れ等の形状や発生状況等を把握し、不具合の程度を確認する。外壁のひび割れ等は、目視で確認したひび割れの形状・位置等から外力の種類、発生の経緯等が類推できる場合もある。

調査方法

1.塗膜の劣化状況の目視等による確認

(1)調査方法

  • 目視等により、外壁のひび割れ等の形状・位置等を確認する。
  • ALCパネルの塗膜の劣化状況を確認するために、ひび割れ等の発生している部位を中心として、以下の事項について確認する。
    (塗膜の劣化診断)(参考6)
    • 変退色:巨視的に見て、変退色の有無を確認する。
    • 光沢度:乾燥している部分を巨視的に見て、光沢度低下の有無を確認する。
    • 白亜化(チョーキング):指触により、指に粉状物がつくかどうかを確認する。
    • 汚 れ:巨視的に見て、汚れの有無を確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

2.ALCパネルのひび割れ深さ及び幅の測定

ひび割れ等が塗膜等の表層部にとどまっているか、あるいはALCパネルそのものに至っているかを確認する。

(1)調査方法

  • 設計図書に記載された塗膜等の厚さと比較して、ひび割れ等の深さがALCパネルまで達しているかをピアノ線等により確認する。
  • ひび割れ部にクラックスケールまたはルーペをあて、ひび割れ幅(ひび割れ方向に直交する幅)を測定する。
参考6
  • 「建築工事監理指針 平成28年版(第1版)(上巻)」p322表4.1.5(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)

(2)注意事項等

  • わずかなひび割れでも、ひび割れの成長とともに、他の不具合の発生につながることもあるため、必要に応じて、ひび割れ幅、長さの変動状況の成長過程を観察し、ひび割れ等の進行状況を定期的に確認する。(期間は6ヶ月~1年)(参考7)
    ひび割れ先端位置を記録する方法(例)(引用2)
  • ひび割れ幅は温度や湿度によって変化するため、ひび割れ幅の変動を測定する場合は、測定時の温・湿度条件をできるだけ同じようにすることが望ましい。(参考7)
引用2
  • 「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針2013」p27解説図-2.3.1(b)(公社)日本コンクリート工学会編、発行
参考7
  • 「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針2013」p16~28 (公社)日本コンクリート工学会編、発行

調査結果の考え方

1.塗膜の劣化状況からの考え方

  • 塗膜の表面に、ひび割れ等と共に「変退色」「光沢度低下」「白亜化」「汚れ付着」のいずれかの状況が発生している場合は、塗膜そのものまたはALCパネルが損傷している可能性がある。
■ひび割れ等の深さからの考え方
  • ひび割れ等の深さが微小である場合は、ALCパネルそのものの損傷でなく、塗膜(上塗材、主材)の裂け目である可能性がある。
    下の図(引用3一部加筆)は表面の塗膜が損傷している場合と、ALCパネルそのものが損傷している場合を示したものである。
  • ひび割れ等の深さにより、塗膜の損傷状況は浅われ・深われ(※)の2つに分類される。
    浅われ(チェッキング):塗膜表面の浅いわれ(上塗材のわれ)
    深われ(クラッキング):下塗塗膜または被塗物が見える程度の深いわれ(主材のわれ)
  • ALCパネルについては、目地に充填されるシーリング材の劣化によるひび割れ等も考えられる。シーリング材と塗装の適否に関しては、「日本建築学会 建築工事標準仕様書・同解説 JASS8防水工事」第4節シーリング工事の解説表において、主な構法・部位・構成材とシーリング材の適切な組合せ(参考8)について解説されている。
引用3
  • 「ALCパネル外壁の補修・改修技術」p16一部加筆(建設大臣官房技術調査室監修、(財)日本建築センター・(財)建築保全センター編集、発行)

2.ALCパネルのひび割れの考え方

■ひび割れ等の形状・位置からの考え方
  • ひび割れ等の形状が斜め一直線に発生している場合は、鉄筋コンクリート躯体の水平力に対する耐力の不足等に原因がある可能性が高い。
  • ひび割れ等が開口部周辺に発生している場合は、ALCパネルの開口部回りの補強方法に原因がある可能性が高い。付帯する建具工事の不適切な施工(窓やドア開口などの寸法・位置の計画・施工がALCパネルの標準幅寸法に合わせて行われていないこと等)が原因の可能性もある。
  • ひび割れ等が、目地のシーリング部分に縦・横一直線に発生している場合は、シーリングの劣化の可能性が高い。その他、付帯する内装工事の不適切な施工が原因の可能性もある。
(chord作成)


ひび割れ等の形状・位置の例
  • ひび割れ位置に関わらず、以下のような状態が発生している場合は、基礎の沈下等により建物全体が変形(傾斜等)して、これに追随してALCパネルにひび割れ等が発生している可能性が高い。
    • 目地のひび割れ
    • パネル隅角部の欠損
    • パネル中央部のひび割れ
    • パネルの面外方向へのずれ
    • パネルの脱落
■ひび割れ等の幅からの考え方
  • ひび割れ深さが仕上層部分にとどまっており、ひび割れ幅が小さい場合は、劣化等による通常起こりうるひび割れと考えられる。
  • ひび割れ幅が大きくひび割れ深さがALCパネルまで到達している場合は、何らかの外力が加わったと想定され、鉄筋コンクリート躯体の変形等に起因している可能性が高い。また付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)の不適切な施工が原因の可能性もある。
参考8
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年版)」 p400 第4節シーリング工事解説表4.11((一社)日本建築学会編集、発行)

使用する検査機器

1-2 外壁の傾斜の確認

<調査の視点><調査方法><調査結果の考え方>及び<使用する検査機器>については、[外壁の傾斜-1]の該当項目に準ずる。

外壁の設計内容の確認

2-1 外壁(躯体)の設計内容の確認

<調査の視点><調査方法><調査結果の考え方>及び<使用する検査機器>については、[外壁の傾斜-2]の該当項目に準ずる。

2-2 ALCパネル等の設計内容の確認

調査の視点

  • ALCパネルが、適切に設計されているかを確認する。

調査方法

1.ALCパネルの設計内容の確認

確認のポイント
ALCパネルの取付構法の選択
ALCパネル、取付材の選択
ALCパネル、取付材の断面寸法等(a.b)
ALCパネル、取付材の配置・支持間隔(a.b)
ALCパネル、取付材の納まり
ALCパネル等の割付け
ALCパネルへの荷重の想定

(1)調査方法

  • 当該住宅の設計図書(設計図、仕様書等)を用いて、各部材の規格、断面寸法・配置、間隔等が適切であるかにを確認する。なお適切であるかの検討にあたっては関係法令告示、建設住宅性能評価関連図書により、また住宅金融支援機構監修「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書」、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準仕様書」、その他の仕様書、基準等が参考となる。
  • <確認のポイント>に沿って確認する主な項目を以下に列記する。
    ALCパネルの取付構法の選択
    • 想定される躯体変形に適合した取付構法の種類
    ALCパネル、取付材の選択
    • ALCパネルの種類、規格
    • 取付材(定規アングル、受けアングル、開口補強材、イナズマプレート等)の種類、規格
    ALCパネル、取付材の断面寸法等
    • ALCパネルの断面、寸法
    • 取付材(定規アングル、受けアングル、開口補強材、イナズマプレート等)の断面、寸法
    ALCパネル、取付材の配置・支持間隔
    • ALCパネルの配置・支持間隔
    • 取付材(定規アングル、受けアングル、開口補強材、イナズマプレート等)の配置・支持間隔
    ALCパネル、取付材の納まり
    • ALCパネルの取付構法に適合した納まり
    ALCパネル等の割付け
    • ALCパネルの割付け
    • 構法(ロッキング構法等)に適合したALCパネルの取付方法
    ALCパネルへの荷重の想定
    • ALCパネルへの設備機器等の取付け
    • ALCパネル回りの外部建具等の取付け

(2)注意事項等

  • 特になし
建築基準法関連
a.
建基法令第82条の4
b.
平12建告第1458号「屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に~」
参考9
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書 平成22年改訂」p53(5)、p85(8)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
参考10
  • 「公共建築工事標準仕様書 平成28年版」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考11
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS21 ALCパネル工事」((社)日本建築学会編集、発行)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な設計が行われていない場合は、ALCパネルを取付ける各部材がALCパネルや風圧力を十分に支持できないことが原因で、ひび割れ等が発生している可能性が高い。
    ALCパネルの取付構法の選択
    ALCパネル、取付材の選択
    ALCパネル、取付材の断面寸法等
    ALCパネル、取付材の配置・支持間隔
    ALCパネル、取付材の納まり
    ALCパネル等の割付け
    ALCパネルへの荷重の想定
  • 「①ALCパネルの取付構法の選択、⑤ALCパネル、取付材の納まり」について、建物の躯体に想定された層間変位の最大値に比べて、ALCパネルの取付構法及び取付材の納まりによる層間変位最大値が下回っている場合は、それらの層間変位追従性が不足していることが原因で、ひび割れ等が発生している可能性もある。
  • 「⑥ALCパネル等の割付け」について、ALCパネルと取付材とが適切に割り付けられていない場合は、ALCパネルが取付材または躯体に適切に緊結されていないことが原因で、ひび割れ等が発生している可能性もある。
  • 「⑦ALCパネルへの荷重の想定」について、ALCパネルに重量のある設備機器等が直接取付けられている場合、外部建具が受ける風圧力が直接ALCパネルへ加わっている場合等は、ALCパネルへ直接荷重がかからないよう設計されていないことが原因で、ひび割れ等が発生している可能性もある。

使用する検査機器

  • 特になし
外壁の施工状況等の確認

3-1 外壁(鉄筋コンクリート造躯体)の施工状況等の確認

<調査の視点><調査方法><調査結果の考え方>及び<使用する検査機器>については、[外壁の傾斜-3]の該当項目に準ずる。

3-2 ALCパネル等の施工状況等の確認

調査の視点

  • ALCパネル等が適切に施工されているかを確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
(材料)
ALCパネル、取付材の選択
ALCパネル、取付材の品質
ALCパネル、取付材の断面寸法等
(施工)
ALCパネル、取付材の配置・支持間隔
ALCパネル、取付材の納まり
ALCパネル等の割付け
ALCパネル工事に付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)

(1)調査方法

  • 施工記録(施工図、工事状況報告書、工事写真等)及び建設住宅性能評価関連図書により、上記<確認のポイント>に沿って、確認できる範囲において、外壁下地の工事が、設計どおりに行われているかを確認する。なお、設計図書に記載のない部分においては、住宅金融支援機構監修「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書」、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準仕様書」「建築工事監理指針」、その他の仕様書、基準等を参考に、施工が適切に行われているかを確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

2.目視等による施工状況等の確認

(1)調査方法

  • 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを現場において目視・測定等により確認する。
  • 取付材で直接確認できるのは、直接目視できる天井裏等から見える部分に限定されるが、可能な限り各部材や接合部を目視等により確認する。
  • 問題が取付材に起因する可能性が高い場合には、内装仕上材の一部をはがし、取付材の配置等を目視等により確認する。
  • 問題の箇所が発見された場合には、写真等で記録をとる。確認した結果を、設計図書(設計図、仕様書)等と照らし合わせて確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし
参考12
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書 平成22年改訂」p53(5)、p85(8)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
参考13
  • 「公共建築工事標準仕様書 平成28年版(第1版)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考14
  • 「建築工事監理指針平成28年版(第1版)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考15
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS21 ALCパネル工事」((社)日本建築学会編集、発行)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、設計どおりの施工が行われていない場合、または不適切な施工が行われている場合は、ALCパネルまたは取付材が風圧やALCパネル自体の荷重を十分に支持できないことが原因で、ALCパネルのひび割れ等が発生している可能性が高い。
    (材料)
    ALCパネル、取付材の選択
    ALCパネル、取付材の品質
    ALCパネル、取付材の断面寸法等
    (施工)
    ALCパネル、取付材の配置・支持間隔
    ALCパネル、取付材の納まり
    ALCパネル等の割付け
    ALCパネル工事に付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)
  • 「⑤ALCパネル、取付材の納まり、⑥ALCパネル等の割付け」について、ALCパネルと取付材とが適切に割付けられていない場合、取付箇所の強度不足の場合、またはALCパネル、取付材の納まりに問題がある場合は、ALCパネルの荷重がバランス良く取付材や躯体に伝えられないために、ひび割れ等が発生している可能性が高い。
  • 「⑦ALCパネル工事に付帯する関連工事(建具工事、内装工事等)」について、建具工事、内装工事等の付帯する工事でALCパネルに影響を与える部分の不適切な施工がある場合、ALCパネルのひび割れ等が発生している可能性がある。

使用する検査機器

  • スケール
使用・メンテナンス状況の確認

4 使用・メンテナンス状況の確認」による。

外的要因の確認

5 外的要因の確認」による。

詳細調査の必要性の検討

6 詳細調査の必要性の検討」による。