調査方法編

外壁のひび割れ・欠損(はがれ・浮きを含む)(サイディング・ALCパネル)

1.外壁のひび割れ・欠損とは

外壁のひび割れとは、外壁仕上材(サイディング等)や外壁材(ALCパネル等)の表面に部分的な割れが発生することをいう。

外壁の欠損とは、外壁の一部が欠け損ずることをいう。
鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比較して柔らかい構造であり、地震や風に対する揺れが鉄筋コンクリート造よりも大きい。従って構造躯体が適切に設計・施工されていても、振動による躯体の変形に内外装の仕上げが追従しきれず、ひび割れや欠損(以下ひび割れ等という)・はく離・脱落を生じやすい傾向にある。
外壁のひび割れ等は、空隙から雨水の浸入、又は外壁の構造耐力低下の原因となる可能性もあるので、注意を要する。
なお、ALCパネルには、ALC厚形パネル(厚さ75㎜以上、200㎜以下)とALC薄形パネル(厚さ35㎜以上、75㎜未満)(参考1)があるが、ここではALC厚形パネルを対象とする。
ALCパネルを下地として外壁仕上材にタイルが用いられている場合は下地の厚さ100㎜以上(参考2)で、施工現場で張付けるタイル仕上げを対象とする。
また、ここで取り上げるサイディング外壁のひび割れ等は、サイディング張り自体のひび割れ等を想定しているため、窯業系サイディング下地に張るタイルのひび割れ等は対象としない。

2.発生原因

(1)
適切な設計・施工でも通常起こり得る軽微な外壁のひび割れ
適切な設計・施工が行われていても、外壁仕上材の劣化等により軽微な外壁のひび割れが生じることがある。
(2)
基礎の沈下等

基礎の沈下に伴うひび割れの例
(引用1,一部加筆)
基礎が何らかの理由で沈下した場合や、外壁が何らかの理由で変形・傾斜した場合、これらに連動して外壁のひび割れ等が発生することがある。
(基礎の沈下の発生原因は[基礎の沈下]を参照
外壁の傾斜の発生原因は[外壁の傾斜]を参照)
(3)
不適切な外壁の設計
外壁の設計段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、外壁のひび割れ等につながることがある。
外壁下地構成材(※)・外壁仕上材等の材料の選択
外壁下地構成材の断面寸法等
外壁下地構成材の配置・支持間隔
外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法
外壁仕上材等の割付け
※外壁下地構成材:
サイディング張りの場合:
軽量鉄骨壁下地(ランナー、スタッド、振止め、補強材等)や木製壁下地(胴縁、間柱、補強材等)
ALC厚形パネル張りの場合:
鉄骨下地(間柱、耐風梁、定規アングル、受けアングル、開口補強材等)
(4)
不適切な外壁の施工等
外壁工事の段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、外壁のひび割れ等の発生につながることがある。
(材料)
外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の選択
外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の品質
外壁下地構成材の断面寸法等
(施工)
外壁下地構成材の配置・支持間隔
外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法
外壁仕上材等の割付け・接合方法
参考1
  • 「JIS A5416:2016軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)」((一財)日本規格協会)
参考2
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS19 陶磁器質タイル張り工事」p20 3.9.1c.(3)、p36 4.9.1c.(3)((一社)日本建築学会編集、発行)
引用1
  • 「土地・建物の不具合」p194((財)不動産適正取引推進機構、(株)東洋書店発行)
事前確認等

調査の視点

現場調査等にさきがけて、発生原因特定のための調査に必要な情報を把握し、調査の進め方の詳細等を検討しておく。

調査方法

  1. 居住者及び住宅供給者へのヒアリング並びに次の「2.」により、主として以下のような情報を確認し、整理しておく。
    住宅の構造・建て方、契約の内容等(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造/戸建、集合 等)
    不具合事象の状況、発生部位、施工の状況等
    不具合事象の発見時期(新築後経過年数)
    不具合事象の程度の進行状況
    不具合事象の発生と季節・天候等との相関関係
    他の種類の不具合事象の発生状況
    周辺の住宅における同様の不具合事象の発生状況
    住宅の立地条件(気候・地形等)、近隣の状況
    不具合事象の発生後の処置の有無及び状況
  2. 住宅性能表示制度に基づき、建設住宅性能評価書が交付された住宅の申請図書等は、規定された期間、登録住宅性能評価機関等に保存される。
    したがってその保存期間内であれば、それらの申請図書等を、住宅紛争処理支援センターを経由して当該評価機関等から取り寄せることが可能である。
    (1)
    登録住宅性能評価機関に保存される帳簿は、以下の通りであり、業務の全部を廃止するまで保存される。(品確法第19条第1項、同法施行規則(以下「規則」という。)第20条第1項三号)
    住宅性能評価書に記載した事項を記載した帳簿
    (2)
    登録住宅性能評価機関に保存される図書は、以下の通りであり、建設住宅性能評価書が交付された日から20年間保存される。(品確法第19条第2項、規則第21条第1項・第3項、第15条第1項第一号ロ)
    建設住宅性能評価申請書(変更建設住宅評価申請書を含む)
    建設住宅性能評価申請書の添付図書
    • 設計住宅性能評価書
    • 設計評価申請添付図書
      住宅性能表示制度に基づく認定又は認証を取得した住宅又は住宅の部分については、以下の書類が添付される。
      * 住宅型式性能認定書の写し
      * 型式住宅部分等製造者等認証書の写し
      * 特別評価方法認定書の写し
      * 建築基準法に基づく確認済証
    施工状況報告書
    規則第6条第4項に規定する図書
    検査に際し評価機関が評価申請者に提出させたもの
    (3)
    登録住宅型式性能認定等機関、登録外国住宅型式性能認定等機関、登録試験機関又は登録外国試験機関に保存される図書は、以下の通りであり、認定又は認証が失効した又は取り消されたときから20年間保存される。(規則第68条第3項、規則第94条第3項)

    <住宅型式性能認定の場合>(規則第68条第1項第一号)

    住宅型式性能認定申請書
    住宅型式性能認定申請書の添付図書
    住宅型式性能認定書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <型式住宅部分等製造者の認証(更新)の場合>(規則第55条第1項第二号(第三号))

    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書
    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書の添付図書
    型式住宅部分等製造者等認証書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <特別評価方法認定の場合>(規則第94条第1項、第82条第1項)

    特別評価方法認定のための審査に係る試験申請書
    特別評価方法の概要を記載した書類
    特別評価方法により代えられるべき部分を明示した書類
    平面図等その他の試験を実施するために必要な事項を記載した図書
    試験の結果の証明書の写し
    その他審査の結果を記載した書類
    上記資料に基づき、住宅の性能表示項目に関して調査する場合には、該当する等級毎の基準を参照する。
    なお、評価方法基準の詳細については、平13国交告第1347号による。
  3. 以上の情報に基づき、調査の方法・進め方の詳細等を検討しておく。
不具合事象の程度の確認

-1 ひび割れ等の損傷状況の確認

調査の視点

  • 適切に設計・施工された外壁であっても、外壁仕上材自体の劣化等により軽微な外壁のひび割れ等は発生することがある。
  • 表層で発生するひび割れ等には、外壁仕上げ面の塗膜層のひび割れ等が考えられるため、まず塗膜の劣化状況を確認する。
  • さらに、ひび割れ等が塗膜などの表層部にとどまらず、外壁仕上材もしくは外壁材そのものに至っている場合には、外壁のひび割れ等の形状や発生状況等を把握し、不具合の程度を確認する。外壁のひび割れ等は、目視で確認したひびの形状・位置等から外力の種類、発生の経緯等が類推できる場合もある。

調査方法

1.塗膜の劣化状況の目視等による確認

(1)調査方法

  • 目視等により、外壁のひび割れ等の形状・位置等を確認する。
  • ALCパネルやサイディング材の塗膜の劣化状況を確認するために、ひび割れ等の発生している部位を中心として、以下の事項について確認する。
    (塗膜の劣化診断)
    • 変退色:巨視的に見て、有無を確認する。
    • 光沢度:乾燥している部分を巨視的に見て、光沢度低下の有無を確認する。
    • 白亜化(チョーキング):指触により、指に粉状物がつくかどうかを確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

2.打音診断(タイル等の仕上材がある場合)

(1)調査方法

  • ALCパネル外壁のタイル張り仕上げにおいて、タイルにひび割れ等が生じている周辺部をタイル用テストハンマーで軽く叩き、打撃音の変化で仕上材の浮きの有無を確認する。仕上材の浮きやひび割れ等の範囲を立面図等に記録する。

(2)注意事項等

  • タイル仕上げにエフロレッセンス(白華現象)が発生している場合は、タイルの浮きが生じている可能性が高いため、その部分の浮きの有無を確認することが重要である。

3.外壁仕上材もしくは外壁材のひび割れ深さ及び幅の測定

ひび割れ等が塗膜等の表層部にとどまっているか、あるいは外壁仕上材もしくは外壁材そのものに至っているかを確認する。

(1)調査方法

  • ひび割れ部にクラックスケールまたはルーペをあて、ひび割れ幅(ひび割れ方向に直交する幅)を測定する。
  • ひび割れ部にピアノ線等を挿入し、ひび割れ深さを測定する。

(2)注意事項等

  • わずかなひび割れでも、ひび割れの成長とともに、他の不具合の発生につながることもあるため、必要に応じて、ひび割れ幅、長さの変動状況の成長過程を観察し、ひび割れ等の進行状況を定期的に確認する。(期間は6ヶ月~1年)(参考3)

    ひび割れ先端位置を記録する方法(例)(引用2)
  • ひび割れ幅は温度や湿度によって変化するため、ひび割れ幅の変動を測定する場合は、測定時の温・湿度条件をできるだけ同じようにすることが望ましい。(参考3)
  • タイル仕上げ等の場合には、仕上材のひび割れ位置とALCパネルのひび割れ位置等が異なる場合があり、貫通の有無が確認できない場合もあるので注意を要する。
引用2
  • 「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針2013」p27解説図-2.3.1(b)(公社)日本コンクリート工学会編、発行
参考3
  • 「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針2013」p16~28(公社)日本コンクリート工学会編、発行

調査結果の考え方

1.塗膜の劣化状況からの考え方

  • 塗膜の表面に、ひび割れ等と共に「変退色」「光沢低下」「白亜化」のいずれかの状況が発生している場合は、外壁仕上材又は塗膜そのものが劣化している可能性がある。
■ひび割れ等の深さからの考え方
  • ひび割れ等の深さが微小である場合は、外壁仕上材や外壁材そのものの損傷でなく、塗膜(上塗材、主材)の裂け目である可能性がある。
    下の図(引用3一部加筆)はALCパネルを例に取り、表面の塗膜が損傷している場合と、パネルそのものが損傷している場合を示したものである。
  • ひび割れ等の深さにより、塗膜の損傷状況は浅われ・深われ(※)の2つに分類される。(参考4)
    浅われ(チェッキング): 塗膜表面の浅いわれ(上塗材のわれ)
    深われ(クラッキング): 下塗塗膜又は被塗物が見える程度の深いわれ(主材のわれ)
引用3
  • 「ALCパネル外壁の補修・改修技術」p16一部加筆(建設大臣官房技術調査室監修、(財)日本建築センター・(財)建築保全センター編集・発行)
参考4
  • 「ALCパネル外壁の補修・改修技術」p13(建設大臣官房技術調査室監修、(財)日本建築センター・(財)建築保全センター編集・発行)
  • 外壁仕上材や外壁材については、目地に充填されるシーリング材の劣化によるひび割れ等も考えられる。シーリング材と塗装の適否に関しては、「日本建築学会 建築工事標準仕様書・同解説 JASS8防水工事」第4節シーリング工事の解説表において、主な構法・部位・構成材とシーリング材の適切な組合せ(参考4)について解説されている。

2.打音診断からの考え方

  • 打音診断の結果、他の部分と明らかに異なる音がした場合には、仕上材と外壁ALCパネルとの間に浮きがある可能性が高いと考えられる。
    外装接着剤張りでは、タイルと接着剤との接着状態が施工の良否の重要な判断材料になる。タイル裏面への接着剤の接着率が60%以上、かつ、タイル全面に均等に接着していること(引用4)が判断基準とされている。
    「住宅の調査と補修 -平成28年度版
    住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
    外装接着剤張りにおける接着面積の例(引用4)

  • ALCパネル外壁のタイル張り仕上げにおいて、直線状に浮きやひび割れ等が発生している場合はALCパネル目地をまたいでタイルが張られている可能性が高い。また、ALCパネル外壁のタイル張り仕上げのひび割れ・欠損は、躯体や下地ALCパネルの挙動との関係性が強い。(引用5)
参考5
  • 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8防水工事(2014年)」p400 第4節シーリング工事解説表4.11((一社)日本建築学会編集・発行)
引用4
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS19 陶磁器質タイル張り工事」p163(4.4.2 b.)、p164 (4.4.2 解説図4.2~4.9)、p165(4.4.3 b.)(2012)
    ((一社)日本建築学会編集、発行)
引用5
  • 「ALC外壁補修工法指針(案)・同解説」p27(日本建築仕上学会)

3.外壁仕上材もしくは外壁材のひび割れの考え方

■ひび割れ等の形状・位置からの考え方
  • ALC外壁の例
    現在主流であるロッキング構法(※1)は、躯体の変形に対する追従性が極めて高く、ALCパネルのみではひび割れの発生はほとんどない。ロッキング構法でパネルやタイルにひび割れが発生している場合には設計上または、施工上など何らかの要因により発生していることが考えられる。従来主流であった、挿入筋構法(※2)のひび割れ例(引用6)を参考として以下に示す。
 ※1 ロッキング構法:
構造躯体の変形に対し、ALCパネルが1 枚ごとに微小回転して追従する機構であり、ALC パネル内部に設置されたアンカーと取付け金物により躯体に取り付ける構法(引用7)

※2 挿入筋構法:
ALC パネル間の縦目地空洞部にタテカベプレートなどのALC パネル重量支持を兼ねた取付け金物を介して鉄筋を挿入し、この空洞部にモルタルを充填し、躯体に取り付ける構法(引用7)

ロッキング構法の例(引用7)

挿入筋構法の例(引用7)
  • サイディングの例
    サイディング材は「複合金属サイディング」と「窯業系サイディング」に大別される。窯業系サイディングには、開口隅角部を始端とした斜めひび割れなどが発生することがある。
  • ひび割れ位置に関わらず、以下のような状態が発生している場合は、基礎の沈下等により建物全体が変形(傾斜等)して、これに追随して外壁仕上材にひび割れ等が発生している可能性がある。
    • 目地のひび割れ
    • パネル隅角部の欠損
    • パネル中央部のひび割れ
    • パネルの面外方向へのずれ
    • パネルの脱落
■ひび割れ等の幅からの考え方
  • ひび割れ深さが仕上層部分にとどまっており、ひび割れ幅が小さい場合は、劣化等による通常起こり得るひび割れと考えられる。
  • ひび割れ幅が大きくひび割れ深さが下地まで到達している場合は、何らかの外力が加わったと想定され、骨組の変形等に起因している可能性が高い。
引用6
  • 「ALC外壁補修工法指針(案)・同解説」p7(日本建築仕上学会)
引用7
  • 「ALCパネル構造設計指針・同解説」p37付表2(ALC協会)

使用する検査機器

1-2 外壁の傾斜の確認

<調査の視点><調査方法><調査結果の考え方>及び<使用する検査機器>については、[外壁の傾斜 1]の該当項目に準ずる。

外壁の設計内容の確認

2-1 外壁(骨組)の設計内容の確認

<調査の視点><調査方法><調査結果の考え方>及び<使用する検査機器>については、[外壁の傾斜 2]の該当項目に準ずる。

2-2 外壁下地構成材等の設計内容の確認

調査の視点

  • 外壁下地構成材等が、適切に設計されているかを確認する。

調査方法

1.外壁下地構成材等の設計内容の確認

確認のポイント
外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の選択
外壁下地構成材の断面寸法等
外壁下地構成材の配置・支持間隔
外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法
外壁仕上材等の割付け

(1)調査方法

  • 当該住宅の設計図書(設計図、仕様書等)を用いて、各部材の断面寸法・配置、間隔等が適切であるかを確認する。なお、適切であるかの検討にあたっては建設住宅性能評価関連図書及び(独)住宅金融支援機構監修「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書」、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準仕様書」、その他の仕様書、基準等が参考となる。
  • <確認のポイント>に沿って確認する主な項目を以下に列記する。
    外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の選択
    <サイディング>
    • サイディングの種類(窯業系・金属系)
    <ALCパネル>
    • ALC厚形パネルの種類、規格
    • 取付金具(イナズマプレート等)の寸法
    • タイル、張付け材料、下地調整の仕様(タイル張りの場合)
    外壁下地構成材の断面寸法等
    <サイディング>
    • 金属製下地(間柱、胴縁、胴縁受け等)の寸法、規格(JIS規格)
    <ALCパネル>
    • 鉄骨下地(間柱、耐風梁、定規アングル、受けアングル、開口補強材等)の寸法、規格
    外壁下地構成材の配置・支持間隔
    <サイディング>
    • 間柱、胴縁の間隔
    • 開口補強材の材種・配置
    <ALCパネル>
    • 鉄骨下地(間柱、耐風梁、定規アングル、受けアングル、開口補強材等)の配置・支持間隔
    外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法
    <サイディング>
    • 留付工法
    <ALCパネル>
    • 留付構法
    • タイル張りの工法(タイル張りの場合)
    外壁仕上材等の割付け
    <サイディング>
    • 仕上材の割付け
    <ALCパネル>
    • ALC厚形パネルの割付け
    • 構法(ロッキング構法等)に適合したALC厚形パネルの取付方法
    • タイルの割付け(タイル張りの場合)
    • 伸縮調整目地の割付け(タイル張りの場合)

(2)注意事項等

  • 凍害のおそれのある地域で、ALCパネルを下地として外壁仕上材にタイルが用いられている場合、凍害のための必要な対策を講じていたかを確認する。(参考8)
参考6
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書・平成22年改訂」p62(6)、p85(8)、p158(16.14)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
参考7
  • 「公共建築工事標準仕様書・平成28年版(第1版)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考8
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS19 陶磁器質タイル張り工事」p141 (3.9.1 c.(1)(2012)
    ((一社)日本建築学会編集、発行)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な設計が行われていない場合は、外壁の下地を構成する各部材が外壁仕上材や風圧力を十分に支持できないことが原因で、ひび割れ等が発生している可能性が高い。
    外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の選択
    外壁下地構成材の断面寸法等
    外壁下地構成材の配置・支持間隔
  • 「④外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法」について、建物の骨組に想定された層間変位の最大値に比べて、外壁仕上材の留付方法の層間変位最大値が下回っている場合は、外壁仕上材の層間変位追従性が不足していることが原因で、ひび割れ等が発生している可能性もある。
  • 「⑤外壁仕上材等の割付け」について、外壁仕上材(サイディングまたはALCパネル本体)と下地材(胴縁または間柱等)とが適切に割り付けられていない場合は、外壁仕上材が下地材に適切に緊結されていないことが原因で、ひび割れ等が発生している可能性もある。
    また、ALCパネル外壁タイル張り仕上げにおいて、下地(ALCパネル)のパネル間目地とタイル面の伸縮調整目地が一致していない場合は、タイルが下地材(ALCパネル)の伸縮調整目地をまたぐ、または伸縮調整目地に跳ね出すかたちで張られていることが原因で、ひび割れ等やはく離・浮きが発生している可能性もある。
    なお、サッシ等の他部材とタイルとのクリアランスを適切に確保していない場合は、タイルがはく離するおそれがある。

使用する検査機器

  • 特になし
外壁の施工状況等の確認

3-1 外壁(骨組)の施工状況等の確認

<調査の視点><調査方法><調査結果の考え方>及び<使用する検査機器>については、[外壁の傾斜 3-1]該当項目に準ずる。

3-2 外壁下地構成材等の施工状況等の確認

調査の視点

  • 外壁下地構成材等が適切に施工されているかを確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント (材料)
外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の選択
外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の品質
(施工)
外壁下地構成材の断面寸法等
外壁下地構成材の配置・支持間隔
外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法
外壁仕上材等の割付け・接合方法

(1)調査方法

  • 施工記録(施工図、工事状況報告書、工事写真等)及び建設住宅性能評価関連図書により、上記<確認のポイント>に沿って、確認できる範囲において、外壁下地の工事が設計どおりに行われているかを確認する。なお、設計図書に記載のない部分においては、(独)住宅金融支援機構監修「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書」、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準仕様書」「建築工事監理指針」、その他の仕様書、基準等を参考に、施工が適切に行われているかを確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

2.目視等による施工状況等の確認

(1)調査方法

  • 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを現場において目視・測定等により確認する。
  • 外壁の下地構成材で直接確認できるのは、直接目視できる天井裏・小屋裏から見える部分に限定されるが、可能な限り各部材や接合部を目視等により確認する。
  • サイディングの場合、問題が外壁下地構成材に起因する可能性が高い場合には、外壁仕上材の一部をはがし、外壁下地構成材の配置等を目視等により確認する。
  • ALCパネル外壁タイル張り仕上げの場合、問題がALCパネルのパネル間目地とタイルの伸縮調整目地の割り付け位置が異なることに起因する可能性が高い場合には、ひび割れ等が直線状に生じているか確認するとともに、外壁仕上材(張付けモルタルを含む)の一部をはがし、外壁下地構成材の割付等を目視等により確認する。
  • 問題の箇所が発見された場合には、写真等で記録をとる。確認した結果を、設計図書(設計図、仕様書)等と照らし合わせて確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし
参考9
  • 「鉄筋コンクリート造・鉄骨造等住宅工事仕様書・平成22年改訂」p62(6)((独)住宅金融支援機構監修、(財)住宅金融普及協会発行)
参考10
  • 「公共建築工事標準仕様書・平成28年版(第1版)」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)
参考11
  • 「建築工事監理指針・平成28年版(第1版)」(下巻)(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修、(一社)公共建築協会発行)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、設計どおりの施工が行われていない場合、又は不適切な施工が行われている場合は、外壁の下地を構成する各部材が外壁仕上材や風圧の荷重を十分に支持できないことが原因で、外壁仕上材のひび割れ等が発生している可能性が高い。
    (材料)
    外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の選択
    外壁下地構成材・外壁仕上材等の材料の品質
    (施工)
    外壁下地構成材の断面寸法等
    外壁下地構成材の配置・支持間隔
  • 「⑤外壁仕上材又は外壁下地構成材の留付方法」について、設計どおりの留付がされていない場合は、外壁仕上材の層間変位追従性が不足していることが原因で、ひび割れ等が発生している可能性がある。
    ALCパネル外壁タイル張り仕上げにおいて、タイル等の下地材(ALCパネル)に吸水調整材塗りが適切に行われていない場合は、タイルの接着不良が原因で、ひび割れ等やはがれ・浮きが発生している可能性がある。また、モルタル(タイル張付け材)によるALCパネル外壁タイル張りにおいて、
    「住宅の調査と補修 -平成28年度版
    住宅紛争処理技術関連資料集-」のCD-ROMをご参照ください
    (引用8)ことが原因で、ひび割れやはく離が発生している可能性が高い。
  • 「⑥外壁仕上材の割付け・接合方法」について、仕上材(サイディングまたはALCパネル本体)と下地材(胴縁または間柱等)とが適切に割付けられていない場合、留付箇所の強度不足の場合、又は材の継手方法や継ぎ位置に問題がある場合は、外壁材の荷重がバランス良く下地構成材に伝えられないために、ひび割れ等が発生している可能性が高い。
    また、ALCパネル外壁タイル張り仕上げにおいて、下地(ALCパネル)の伸縮調整目地に沿って、ひび割れ等が直線状に生じている場合は、タイルが下地材(ALCパネル)の伸縮調整目地をまたぐ、または伸縮調整目地に跳ね出すかたちで張られていることが原因で、ひび割れ等やはく離・浮きが発生している可能性が高い。
    なお、サッシ等の他部材とタイルとの取合い部において、タイルがはく離している場合は、サッシ等の他部材とタイルとのクリアランスを適切に確保していないことが原因で、はく離が発生している可能性が高い。
引用8
  • 「建築工事標準仕様書・同解説 JASS19 陶磁器質タイル張り工事」p120 (3.6.3 b.(4))(2012)
    ((一社)日本建築学会編集、発行)

使用する検査機器

  • スケール
使用・メンテナンス状況の確認

4 使用・メンテナンス状況の確認」による。

外的要因の確認

5 外的要因の確認」による。

詳細調査の必要性の検討

6 詳細調査の必要性の検討」による。