調査方法編

床のたわみ

1.床のたわみとは

「住宅の調査と補修 -平成28年度版
住宅紛争処理技術関連資料集-」
のCD-ROMをご参照ください
曲げ材のたわみ性状(引用1)
床のたわみとは、床の表面が凹型に変形することをいう。
床のたわみには、家具等が置かれた直後に発生する初期たわみ(初期変形)の他、長期にわたる載荷により次第に増大するクリープたわみ(クリープ変形)、荷重が繰り返されるたびに発生する弾性たわみ(繰り返し変形)がある。
(右図参照)
また、床のたわみは、
  • 全体が広い範囲にわたってたわむもの
  • 歩行等に伴い局部的にたわむもの
    の2つに分けられる。


床に比較的大きなたわみが発生した場合には、「床鳴り」や「振動」等他の不具合を伴うことが多い。

たわみの概念図
床のたわみは、たわみが生じている部分の水平方向距離(支持間隔)(L)に対する最大たわみ量(たわみの中心)の距離(d)=d/Lで表す。

床の変形として、「床のたわみ」とは反対に中央部が凸型に変形する「床のむくり」もまれにあるが、ここでは「床のたわみ」のみについて対象とする。
引用1
  • 「木質構造設計 規準・同解説」(2006) p181((社)日本建築学会編集・発行)

2.発生原因

(1)
適切な設計・施工でも通常起こり得る軽微なたわみ
適切な設計・施工が行われていても、床自体の重量や家具、人等の荷重により軽微なたわみは発生することがある。
(2)
基礎の沈下

(chord作成)
基礎が何らかの理由で沈下した場合、これに連動して床のたわみが発生することがある。(基礎の沈下の発生原因は[基礎の沈下]を参照)
(3)
不適切な床の設計
床の設計段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、床のたわみにつながることがある。
床構成部材(※1)の断面寸法等
床構成部材の材料の選択
床構成部材の配置・間隔
床構成部材の架構・接合方法
水平構面の剛性の仕様
木材の基準強度
床高の設定(※2)
基礎立ち上り高さの設定
基礎断熱の仕様
地盤の防蟻
床下の防湿・換気
※1
床構成部材:床仕上材・下地材および大梁・小梁・土台・大引き・根太・床束・根がらみ等
※2
床高:平均地盤面または基準とするレベルからの床面の高さ
(4)
不適切な床組の施工等
床組の工事段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、床のたわみにつながることがある。
(材料)
床組構成部材(※3)の断面寸法等
床組構成部材の材料の選択
床組構成部材の材料の品質
(施工)
床組構成部材の配置・間隔
床組構成部材の架構・接合方法
水平構面の剛性確保の仕様
木材の基準強度
床高の設定
基礎立ち上り高さの設定
基礎断熱の仕様
地盤の防蟻
床下の防湿・換気
※3
床組構成部材:大梁・小梁・土台・大引き・根太・床束・根がらみ等
(5)
不適切な床仕上材等の施工等
床仕上げの工事段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、床のたわみにつながることがある。
(材料)
床仕上材等(※4)の選択
床仕上材等の品質
(施工)
床仕上材等の留付け
※4
床仕上材等:床仕上材・床下地材
(6)
不適切な使用・メンテナンス
居住者の使用に、以下のような不適切な点がある場合には、床のたわみにつながることがある。
床下換気口を荷物等でふさいでいる。(部材等の早期腐食、劣化の誘発)
重量物(ピアノ、本棚等)の設置等、想定以上の載荷がある。
事前確認等

調査の視点

現場調査等にさきがけて、発生原因特定のための調査に必要な情報を把握し、調査の進め方の詳細等を検討しておく。

調査方法

  1. 居住者及び住宅供給者へのヒアリング並びに次の「2.」により、主として以下のような情報を確認し、整理しておく。
    住宅の構造・建て方、契約の内容等(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造/戸建、集合 等)
    不具合事象の状況、発生部位、施工の状況等
    不具合事象の発見時期(新築後経過年数)
    不具合事象の程度の進行状況
    不具合事象の発生と季節・天候等との相関関係
    他の種類の不具合事象の発生状況
    周辺の住宅における同様の不具合事象の発生状況
    住宅の立地条件(気候・地形等)、近隣の状況
    不具合事象の発生後の処置の有無及び状況
  2. 住宅性能表示制度に基づき、建設住宅性能評価書が交付された住宅の申請図書等は、規定された期間、登録住宅性能評価機関等に保存される。
    したがってその保存期間内であれば、それらの申請図書等を、住宅紛争処理支援センターを経由して当該評価機関等から取り寄せることが可能である。
    (1)
    登録住宅性能評価機関に保存される帳簿は、以下の通りであり、業務の全部を廃止するまで保存される。(品確法第19条第1項、同法施行規則(以下「規則」という。)第20条第1項三号)
    住宅性能評価書に記載した事項を記載した帳簿
    (2)
    登録住宅性能評価機関に保存される図書は、以下の通りであり、建設住宅性能評価書が交付された日から20年間保存される。(品確法第19条第2項、規則第21条第1項・第3項、第15条第1項第一号ロ)
    建設住宅性能評価申請書(変更建設住宅評価申請書を含む)
    建設住宅性能評価申請書の添付図書
    • 設計住宅性能評価書
    • 設計評価申請添付図書
      住宅性能表示制度に基づく認定又は認証を取得した住宅又は住宅の部分については、以下の書類が添付される。
      * 住宅型式性能認定書の写し
      * 型式住宅部分等製造者等認証書の写し
      * 特別評価方法認定書の写し
      * 建築基準法に基づく確認済証
    施工状況報告書
    規則第6条第4項に規定する図書
    検査に際し評価機関が評価申請者に提出させたもの
    (3)
    登録住宅型式性能認定等機関、登録外国住宅型式性能認定等機関、登録試験機関又は登録外国試験機関に保存される図書は、以下の通りであり、認定又は認証が失効した又は取り消されたときから20年間保存される。(規則第68条第3項、規則第94条第3項)

    <住宅型式性能認定の場合>(規則第68条第1項第一号)

    住宅型式性能認定申請書
    住宅型式性能認定申請書の添付図書
    住宅型式性能認定書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <型式住宅部分等製造者の認証(更新)の場合>(規則第55条第1項第二号(第三号))

    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書
    型式住宅部分等製造者等認証(更新)申請書の添付図書
    型式住宅部分等製造者等認証書の写し
    その他審査の結果を記載した書類

    <特別評価方法認定の場合>(規則第94条第1項、第82条第1項)

    特別評価方法認定のための審査に係る試験申請書
    特別評価方法の概要を記載した書類
    特別評価方法により代えられるべき部分を明示した書類
    平面図等その他の試験を実施するために必要な事項を記載した図書
    試験の結果の証明書の写し
    その他審査の結果を記載した書類
    上記資料に基づき、住宅の性能表示項目に関して調査する場合には、該当する等級毎の基準を参照する。
    なお、評価方法基準の詳細については、平13国交告第1347号による。
  3. 以上の情報に基づき、調査の方法・進め方の詳細等を検討しておく。
不具合事象の程度の確認

調査の視点

  • 適切に設計・施工された住宅であっても、軽微な床のたわみは発生することがある。
  • たわみ量を測定し、発生しているたわみの程度を確認する。

調査方法

1.たわみ量の測定

  • 床面が水平面に対してどの程度たわんでいるかを測定する。具体的方法としては、水糸を用いた方法(1-1)、レーザーレベル等を用いた方法(1-2)、勾配計を用いた方法(1-3)が想定される。
  • 発生しているたわみが「歩行等に伴い生じるたわみ」の場合には、測定は荷重をかけた状態(最大たわみの状態)で行う。
  • 測定は、部屋単位を基本として行う。
  • 仕上材に局部的な浮きや反りがある場合は、その部分を測定部位に含まないようにする。
  • カーペット敷きのような床が平滑でない仕上げの場合には、可能な限り仕上材をはがし、平滑な床下地材等の面で測定する。はがすことが不可能な場合は、カーペット等の影響を受けないよう、スケールをあてる部分に硬いプレートを置いて測定する。
  • 積載荷重がある場合は、除荷した状態で測定する。

1-1.水糸を用いた方法

<方法1>

(1)調査方法

たわみがあると想定される部屋の床に対角線上に水糸を張る。
中央または最もたわんでいると見られる箇所で、床と水糸との垂直の距離を測定する。
上記②の測定値を部屋の短辺方向の水平距離で除し、たわみ量「xx/1000」を算定する。

(2)注意事項等

  • 特になし
<方法2>

(1)調査方法

たわみがあると想定される部分を中心にして、(部屋の壁の線に平行になるように)直交するX軸、Y軸を想定する。
脚部に底板がついて安定した棒(固定具)を2本1組で2組(計4本)用意し、うち2本の固定具の底板の下から5cmの位置に水糸を巻き付ける。
X軸、Y軸方向の部屋の長さを測定し、水糸の総長(2本の固定具間の水糸の長さ)はこのそれぞれの部屋の長さより長くなるように用意する。水糸の一方の端部を床から5cmの位置に固定する。

(chord作成)
固定した端部を基点にして、X軸、Y軸に沿って、水糸がたるまないように両側を固定する。
X軸、Y軸の各軸について、最もたわんでいる地点の床と水糸の垂直距離をスケールを用いて測定する。
局部的なたわみと想定される場合は、水糸を短くして、部分的に測定し、その時に使用した水糸の長さを確認しておく。
測定値から5cm引いたものを、部屋の短辺方向の水平間距離で除し、たわみ量「xx/1000」を算定する。

(2)注意事項等

  • 部屋の壁際にもたわみが発生している場合は、壁際に沿ってたわみを同様に測定し、上記のたわみに加える。

1-2.レーザーレベル等を用いた方法

(1)調査方法


(chord作成)
たわみがあると想定される部分を中心にして、(部屋の壁の線に平行になるように)直交するX軸、Y軸を想定する。
各軸毎に、両側の向かい合う壁の一方にレーザーレベルを設置し、反対側の壁に投射されたレーザーの中心と床との垂直距離が、レーザーレベルの発射位置の中心と床との垂直距離と同じになるよう調整する。
(レーザーレベルの発射位置は、できるだけ床の近くにした方が測定しやすい。)
各軸について、最もたわんでいる地点でレーザーを遮るもの(白い紙等)を垂直に置き、投射されたレーザーの中心と床の垂直距離をスケールを用いて測定する。
測定値からレーザーレベルの発射位置の中心と床との垂直距離を引いたものを、部屋の短辺方向の水平距離で除し、たわみ量「xx/1000」を算定する。

(2)注意事項等

  • レーザーレベルのかわりに、レーザープレーナーを使用して測定することもできる。これらの機器の中には、自動的に水平調節するものもある。この場合は水平面に対する測定値となるため、測定結果を補正する必要がある。

1-3.勾配計を用いた方法

(1)調査方法

たわみがあると想定される部分を中心にして、(部屋の壁の線に平行になるように)直交するX軸、Y軸を想定する。
各軸毎に、両側に向かい合う壁のそれぞれから、たわみの凹部(最も低い地点)までの水平距離を測定する。
測定した水平距離を勾配計の1回の測定可能長さで割り(小数点以下を切り上げ)、測定回数を決める。
②で測定した距離を測定回数で割り、1回で測定する距離を決める。

(chord作成)
②で水平距離を測定した線に沿って、それぞれの壁際からたわみの凹部まで④で決めた測定距離ごとに勾配計をずらしながらたわみを測定する。
(最後の1回はたわみの中心から測定する。)
たわみの凹部を挟む両側の傾斜の測定値の平均を1/2し、部屋の短辺方向のたわみ量「xx /1000」を算定する。
Ex.
  • 1mの勾配計を使用する場合で測定長②が5.5mであれば、
    5.5÷1=5.5→切り上げて6→6回計測する。
    5.5÷6=0.92→92cmごとに計測する。
    よって92cmずつずらして6回測定する。
  • 凹部を挟む両側の3回ずつの測定値が以下の場合
    *6/1000,4/1000,2/1000 の平均 4/1000
    *6/1000,5/1000,1/1000 の平均 4/1000

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 測定されたたわみ量については、たわみ制限等に係る資料を参考にして、不具合事象の程度の大きさを判断する必要がある。
  • たわみ量が大きい場合は、基礎の沈下や軸組の変形等に起因する床のたわみである可能性がある。
  • たわみ量が小さく、かつ他の不具合事象が確認されない場合は、適切な設計・施工が行われていても発生することがある軽度の傾斜である可能性がある。
  • たわみ量を測定した結果、最大たわみの発生位置から原因を推定しておくと、以降の調査が進めやすくなる。
    たわみ量の最大の位置が、床組を構成する水平部材(大引き、根太等)の支点間距離の中央部にある場合は、「床組を構成する水平部材(大引き、根太等)」に起因している可能性がある。
    たわみ量の最大の位置が上記以外で、その部分に重量物が設置されている場合には、「過荷重」に起因している可能性がある。
    たわみ量の最大の位置が、床束の直上にある場合には、「材の収縮」または「床束の沈下、転び等」に起因している可能性がある。
    たわみ量の最大の位置が、基礎の直上にある場合には、「基礎の沈下」に起因している可能性がある。

使用する検査機器

床の設計内容の確認

調査の視点

  • 床組が適切に設計されているか等を確認する。

調査方法

1.床組構成部材の設計内容の確認

確認のポイント
床構成部材の断面寸法等(b. f.※3)
床構成部材の材料の選択(※3)
床構成部材の配置・間隔(※3)
床構成部材の架構・接合方法(☆1、※1)
水平構面の剛性確保の仕様(☆1、※1)
木材の基準強度(c.e.g)
床高の設定
基礎立ち上り高さの設定(a.d.☆2、※2)
基礎断熱の仕様(※4)
地盤の防蟻(☆2、※2)
床下の防湿・換気(☆2、※2)

(1)調査方法

  • 当該住宅の設計図書(設計図、仕様書等)を対象として、上記<確認のポイント>に沿って、各部材の断面寸法・配置等が適切であるかを確認する。なお、適切であるかの検討にあたっては、関係法令告示、建設住宅性能評価関連図書等により、また住宅金融支援機構編集「木造住宅工事仕様書」、日本建築学会「木質構造設計規準・同解説」、 (財)日本住宅・木材技術センター編集「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」、その他の仕様書、基準等が参考となる。
  • 確認する主要な対象部位は、1階床組の場合、「大引き」「根太」「床下地面材」「釘ピッチ」、2階床組の場合、「根太」「小梁」「大梁」「床下地面材」「釘ピッチ」とする。(小梁とは大梁の間に2~3尺(約600~900㎜)間隔で入れられる3~4寸(約90~120㎜)角前後の梁)
  • <確認のポイント>に沿って確認する主な項目を以下に列記する。
    床構成部材の断面寸法等
    • 床仕上材、下地材および大梁、小梁、土台、大引き、根太、床束、根がらみ等(b.f.☆1.※1.※3)
    • 部材断面に生じる応力度が許容応力度を超えないことを確かめる計算結果またはその結果によるスパン表への適合(☆1.※1.※3)
    • たわみ制限(b.f.)
    床構成部材の材料の選択
    • 部材断面に生じる応力度が許容応力度を超えないことを確かめる計算結果またはその結果によるスパン表への適合(☆1.※1.※3)
    • 土台の防腐防蟻措置(☆2、※2)
    • 浴室、脱衣室の床組の防水措置(☆2、※2)
    床構成部材の配置・間隔
    • 部材断面に生じる応力度が許容応力度を超えないことを確かめる計算結果またはその結果によるスパン表への適合(☆1.※1.※3)
    床構成部材の架構・接合方法
    • 通し柱と胴差の接合部と水平構面外周横架材の接合部(☆1、※1)
    水平構面の剛性確保の仕様
    • 火打ち材の設置(☆1、※1)
    • 存在床倍率に応じた床組の仕様(☆1、※1)
    • 耐力壁線の相互の間隔(☆1、※1)
    木材の基準強度(c.e.g.)
    床高の設定
    • 床下に防湿上有効な措置を講じない場合45センチ以上
    基礎立ち上り高さの設定
    • 30センチ以上(a.d.)
    • 40センチ以上(☆2、※2)
    基礎断熱の仕様
    • 断熱材の施工位置と防蟻措置(※4)
    地盤の防蟻
    • 基礎の内周等の防蟻措置(☆2、※2)
    床下の防湿・換気
    • 床下の防湿措置と換気口(☆2、※2)
    • 床下の地盤面の高さ

(2)注意事項等

  • 3階建て等の場合で、建築基準法の構造計算によって構造耐力上の安全性を確かめる場合には、平12建告第1459号「建築物の使用上の支障が起こらないこと~」(f.)に適合する必要がある。
建築基準法関連
a.
建基法令第38条3・4項
b.
建基法令第82条4号
c.
建基法令第89条
d.
平12建告第1347号「建築物の基礎構造方法~」
e.
平12建告第1452号「木材の基準強度~」
f.
平12建告第1459号「建築物の使用上の支障が起こらないこと~」
g.
平13国交告第1024号「特殊な許容応力度及び特殊な材料強度を定める件」
品確法告示
(住宅性能表示制度の関連等級が2以上の場合適用)
☆1
平13国交告第1347号「評価方法基準」第5の1「構造の安定~」
☆2
平13国交告第1347号「評価方法基準」第5の3「劣化の軽減~」
参照
※1
「2015年版木造住宅のための住宅性能表示(構造編)」第5版((公財)日本住宅・木材技術センター企画・発行)
※2
「2015年版木造住宅のための住宅性能表示(基本編)」第5版・劣化の軽減((公財)日本住宅・木材技術センター企画・発行)
※3
「木造軸組工法住宅の横架材及び基礎のスパン表[増補版]」 (2012)((財)日本住宅・木材技術センター発行)
※4
「木造住宅工事仕様書 平成28年版」 p47,48(3.4)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
参考1
  • 「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」2008年版((財)日本住宅・木材技術センター編集発行)
参考2
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版」p104(5.8)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
参考3
  • 「木質構造設計規準・同解説」(2006)-許容応力度・許容耐力設計法 ((社)日本建築学会編集・発行)
参考4
  • 「頑丈で長持ちする木造住宅施工チェックブック」(2008)p19~20((財)日本住宅・木材技術センター)
参考5
  • 「木造住宅の設計法」p103(学芸出版社)
参考6
  • 「新・木のデザイン図鑑」((株)エクスナレッジ)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な設計が行われていない場合は、鉛直力に対して床組の剛性が十分得られないことが原因で、床のたわみが発生している可能性が高い。
    床構成部材の断面寸法等
    床構成部材の材料の選択
    床構成部材の配置・間隔
    床構成部材の架構・接合方法
    水平構面の剛性確保の仕様
    木材の基準強度
    床高の設定
    基礎立ち上り高さの設定
    基礎断熱の仕様
    地盤の防蟻
    床下の防湿・換気
  • ⑦から⑪について、床高、床下の防腐防蟻、防湿・換気等、適切な設計が行われていない場合は、床下の通風換気が悪くなるなど、床下の木材の早期劣化を招くことが原因で、床のたわみが発生している可能性が高い。

使用する検査機器

  • 特になし
外壁の施工状況等の確認

3-1 床組の施工状況等の確認(床下または下階天井裏)

調査の視点

  • 床組が適切に施工されているか等を確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
床組構成部材の断面寸法等
床組構成部材の材料の選択
床組構成部材の材料の品質
床組構成部材の配置・間隔
床組構成部材の架構・接合方法
水平構面の剛性確保の仕様
木材の基準強度
床高の設定
基礎立ち上り高さの設定
基礎断熱の仕様
地盤の防蟻
床下の防湿・換気

(1)調査方法

  • 確認すべき項目は表1による。
  • 施工記録等(施工図、工事状況報告書、工事写真等)および建設住宅性能評価関連図書により、上記<確認のポイント>に沿って、把握できる範囲において、床の工事に係る以下の項目が設計通りに行われているかを確認する。なお、それらに記載のない部分については、住宅金融支援機構編集「木造住宅工事仕様書」、日本建築学会「木質構造設計規準・同解説」、その他の仕様書、基準等を参考に、施工が適切に行われているかを確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし
参考7
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版」p104(5.8)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)
参考8
  • 「木質構造設計規準・同解説」(2006)-許容応力度・許容耐力設計法((社)日本建築学会編集・発行)

2.目視等による施工状況等の確認

(1)調査方法

  • 確認すべき項目は表1による。
  • 問題の箇所が発見された場合には、写真等で記録をとる。確認した結果を、設計図書(設計図、仕様書)等と照らし合わせて確認する。
  • 1階床組の場合は、床下点検口の他、必要に応じ和室や押入等の床板を取り外し目視等により確認する。床構成部材の他、床下換気口、床下の防湿シート、建物周囲の地盤面に対する床下の地盤面の高さ等の施工状況、地盤面のカビや水たまりの発生の有無等を確認する。
  • 2階床組の場合は、天井点検口の他、必要に応じて2階の床仕上材等を一部はがして目視等により確認する。

(2)注意事項等

<1階床下確認の注意事項>
  • 床下の湿度の状況を確認するため、湿度の高い日(雨天や曇天等)に床下の調査を行うことが望ましい。
表1-床組のチェック項目
調査箇所 調査部材 調査項目 調査方法
1階床下 土台
  • 樹種・等級
  • 目視、設計図書と照合
  • 継ぎ位置が床下換気口や内部連絡口の上で継がれていないか。
  • 目視、継ぎ位置を平面図等に記入。写真
  • 腐朽や蟻害が生じていないか。
  • 防腐・防蟻処理はなされているか。(または耐久性の高い樹種を用いているか。)
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 割れ、裂け等の損傷がないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 材の反り、曲がりがないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 土台が基礎の天端に密着しているか。
  • アンカーボルトのピッチは適切か。
  • 目視、接していない部分を平面図等に記入。
  • 土台の寸法は、柱以上か。
  • 目視、計測
  • 土台の含水率はどの程度か
  • 含水率計等で測定
大引き
  • 間隔、断面寸法(床束の間隔との関係もチェック)
  • 目視、計測
    設計図書と照合
  • 継ぎ位置
  • 目視、継ぎ位置を平面図等に記入
  • 継ぎ方
  • 目視
  • 土台との継ぎ方
  • 目視
  • 樹種・等級
  • 目視、設計図書と照合
  • 腐朽や蟻害が生じていないか。
  • 防腐・防蟻処理はなされているか。(または耐久性の高い樹種を用いているか。)
  • 目視、写真
  • 床束との緊結状況
  • 目視、写真
  • 含水率
  • 含水率計で測定
  • 割れ、裂け等の損傷がないか。
  • 特に抜け節を下端側にして使っていないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 材の反り、曲がりがないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
床束
  • 根がらみの設置状況、束石との接合状況(床束のはずれ、ころびの有無等)
  • 目視
根太
  • 間隔、断面寸法
  • 目視、計測
    設計図書と照合
  • 含水率
  • 含水率計等で測定
  • 樹種・等級
  • 目視、設計図書と照合
  • 腐朽や蟻害が生じていないか。
  • 防腐・防蟻処理はなされているか。(または耐久性の高い樹種を用いているか。)
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 割れ、裂け等の損傷がないか。
  • 特に抜け節を下端側にして使っていないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 材の反り、曲がりがないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
床下地材
  • 厚さ
  • 目視、計測
    設計図書と照合
  • 根太のないところで継がれていないか。
  • 目視
2階床下
  • 間隔、断面寸法
  • 目視、計測
    設計図書と照合
  • 含水率
  • 含水率計で測定
  • 樹種
  • 目視、設計図書と照合
  • 腐朽や蟻害が生じていないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 割れ、裂け等の損傷がないか。
  • 特に抜け節を下端側にして使っていないか。
  • 中央部付近の下部に耐力上支障のある欠込みがされていないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 材の反り、曲がりがないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
根太
  • 間隔、断面寸法
  • 目視、計測
    設計図書と照合
  • 含水率
  • 含水率計等で測定
  • 樹種・等級
  • 目視、設計図書と照合
  • 腐朽や蟻害が生じていないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 割れ、裂け等の損傷がないか。
  • 特に抜け節を下端側にして使っていないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
  • 材の反り、曲がりがないか。
  • 目視、該当部を平面図等に記入。写真
床下地材
  • 厚さ
  • 目視、計測
    設計図書と照合
  • 根太のないところで継がれていないか。
  • 目視
<資料>

1.木材の腐朽調査

(考え方)(参考9)
  • 木材の腐朽は木材に水分が長期間滞留することによって起こるため、まず水掛かりや湿気の滞留する部分を重点的に診断することが有効である。
  • 診断方法を大きく分けると、用具をほとんど必要としない診断法と診断用具などを用いる診断法とに2分される。ここでは、現場で使用される方法に絞り、腐朽診断方法を整理する。
  • 住宅の診断現場では、主に用具をほとんど必要としない診断法が中心に用いられる。種類は、目視、触診、打診である。ただし、多くの経験をつむ必要がある。
  • 機器を用いた診断法の種類には、木材の強度的性質を測定するもの、木材の化学的性質を測定するもの、生理化学的あるいは遺伝学的方法がある。
参考9
  • 「蟻害及び腐朽の検査診断手法」(平成28年版)p69~72(1.4~3.)((公社)日本しろあり対策協会)
(1)
木材を観察する方法(引用2)
以下の3つの方法を駆使して腐朽箇所の発見および腐朽箇所の広がりを調べる。
カビ汚染の例(引用3)

腐朽の例(引用3)
目視(視診)
濡れた木材上では、腐朽菌類以外にも多種類の菌類が繁殖し、これらをカビ汚染(変色菌類や表面汚染菌類による)と呼ぶ。そして、外見状から木材に発生した腐朽とカビ汚染とを見分けることは容易ではなく、多くの事例に接して経験をつむことが重要となる。しかし、一般的にはカビ汚染の場合、菌糸の生育は比較的貧弱で、木材上で様々な色のくすんだ染みとして現れることが多く、木材の強度や硬度は減少しない。このカビ汚染の一例を右図に示す。
一方腐朽の場合、木材が湿っていれば菌糸の旺盛な生育が見られ、時としてフワフワした綿状になることもある。乾燥したり腐朽の末期になると木材上では干からびた植物の根の様になって見えたり、脆い革状になって見えることがある。この一例を右図に示す。時としてキノコ(子実体)が出現することもある。目視で木材が腐朽しているか、腐朽していないかを判別する要点として、木材特有の色や光沢を持っているか否か、暗褐色に変色しているか否か、脆く砕けやすくなっているか否か、乾燥状態で亀裂が入っているか否かなどを肉眼で観察し、総合的に判断する。
触診
錐やマイナスのドライバー等を突き刺し、その際の突き刺し易さを調べる。腐朽していれば錐やドライバーは容易に突き刺さる。
打診
腐朽していると思われる部分と明らかに健全な部分を金槌等で交互に叩き、音を聞き比べてみる。腐朽していれば鈍い音がし、健全ならばすんだ音がする場合が多い。
引用2
  • 「しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識」2016年版p62(3.10(3)(a))((公社)日本しろあり対策協会)


引用2
  • 「しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識」2016年版p62(図3.25,図3.26)((公社)日本しろあり対策協会)
(2)
木材含水率の調査(参考11)
含水率を測定する方法
  • 含水率計を用いて含水率を測定する。含水率20%以上であれば腐朽の危険性があるといえるが、実際に腐朽するかどうかは水分の滞留している時間の大小で決まる為、20%以上であれば必ず腐朽しているというのではない。
    (含水率計の使用にあたっては、機器使用方法編を確認する。)
参考11
  • 「しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識」2013年版p51(3.6(2))((公社)日本しろあり対策協会)

2.蟻害の調査

(考え方)
  • シロアリの被害は、地域条件によって大きく左右される。シロアリは、湿気が多く温度が高い状況を好んで生育する。
  • 本来本州を中心とした日本全土ではヤマトシロアリが主流であるが、千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域と南西諸島、小笠原諸島にはイエシロアリが生育している。(参考12)
  • イエシロアリは、小屋裏までも食い荒らしてしまうことがあるので、注意を要する。(参考12)
  • その他の主要なシロアリには、ダイコクシロアリとアメリカカンザイシロアリの2種類の乾材シロアリが挙げられる。ダイコクシロアリは、奄美大島以南の南西諸島、小笠原諸島に分布し、アメリカカンザイシロアリは、宮城県仙台市から沖縄本島までの24 都府県で確認されている。(参考12)
  • 乾材シロアリは、特別に加工した巣や蟻道をつくることなく、建物の乾燥した木材やたんす・机などの家具類を食害する。(参考13)
参考12
  • 「しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識」2013年版p23第2.3表 ((公社)日本しろあり対策協会)
参考13
(1)
現場での方法(参考14)
蟻道・蟻土の発見による方法
  • 目視により蟻道を発見するには、シロアリの「明るい部分を好まず暗く湿気の多い所を好む」という習性を良く認識しておく必要がある。一般にシロアリは住宅に侵入した場合、上へ上へと上っていく傾向にある。その際に、住宅の外壁を通るために、蟻道と言われる土が細長くトンネル状に連続するこんもりと盛りあがった道(隠れる為の道)を作る。
    また、木材の内部を加害している場合には、割れ目や隙間、継ぎ目などに蟻土が詰め込まれている。基礎や土台などに土が盛り上げられたりした場合でも、シロアリである可能性が高い。(引用4)
  • 従って、シロアリに侵されているかどうかを確認する為には、まず住宅の床下(床束や基礎コンクリート等)を観察して、この蟻道または蟻土を発見することが最も有効な方法である。
食痕の発見による方法
  • ヤマトシロアリとイエシロアリは、木材の柔らかい早材(春材)部分をまず食害し、硬い晩材(秋材)部分を残すので、木口面では同心円状の食痕が残り、板目面では紙を重ねたような食痕となる。また、乾材シロアリ類は食害部分にある砂粒状の糞を残す。これらの痕跡からシロアリの害を確認することができる。
打音による方法
  • シロアリは木材の表面を残し、内部だけを加害するので、外部からは被害を目で確認できない場合があるが、食害が内部に進行している場合には、内部に空洞ができているので、ハンマー等の打診で空洞音を確認することにより、被害を確認することができる。この際にシロアリが内部で活動中であれば、シロアリの発する警戒音を聞くことができる。
機器類による方法
  • シロアリ探知機はシロアリの活動音を増幅して感知するものであるが、音の捕捉範囲が狭いことと雑音が混じることなどから、別の方法で推定した被害箇所や営巣場所などの確認には有効である。また、活動が停止する冬季には使用できない。
  • そのほかに、内視鏡やX線透視装置などを用いる方法がある。
参考14
  • 「しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識」2013年版p38~43 (2.4.2~2.4.4) ((公社)日本しろあり対策協会)
引用4
  • 「しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識」2013年版p41、42 (2.4.4.2) ((公社)日本しろあり対策協会)

3.乾燥収縮によるあばれの調査(参考15,参考16)

(考え方)
  • 木材は、生木の時には相当の水分を含んでいる。これが木材として伐採されると次第に乾燥し、収縮してゆく。ところが、乾燥は規則的に行われるのではなく、繊維の方向によって著しく差があり、反りや割れ等を生じるので、建築用製材として使用する場合には慎重に検討する必要がある。
  • この木材の水分量を示す指数が含水率である。
    木材の乾燥中に生じる主な損傷は以下である。
    表面割れ・木口割れ
    内部割れ
    落ち込み
    狂い
    (日本農林規格で一定程度のものは許容されている。)
(1)
含水率の測定方法
  • 含水率を測定する方法は正しくはJIS Z 2101(木材の試験方法)④含水率の測定方法で規定された全乾法によるが、現場では含水率計を用いて測定する。
参考15
  • 「新・木のデザイン図鑑」p137((株)エクスナレッジ)
参考16
  • 「木構造(軸組式)丈夫な木造建築 の建て方」p32、p33(日本建築士会連合会)

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、設計どおりの施工が行われていない場合、または不適切な施工が行われている場合は、鉛直力に対して床組の耐力が十分得られないことが原因で、床のたわみが発生している可能性が高い。
    床組構成部材の断面寸法等
    床組構成部材の材料の選択
    床組構成部材の材料の品質
    床組構成部材の配置・間隔
    床組構成部材の架構・接合方法
    水平構面の剛性確保の仕様
    木材の基準強度
    床高の設定
    基礎立ち上り高さの設定
    基礎断熱の仕様
    地盤の防蟻
    床下の防湿・換気
  • 「③床組構成部材の材料の品質」について、床束や大引き等に用いる木材の乾燥が不十分な場合は、竣工後乾燥して、床束と大引き、床束と束石等の間に隙間を生じ、床のたわみが発生している可能性が高い。
  • ⑧から⑫について、床高、床下の防腐防蟻、防湿・換気等、設計通りの施工が行われていない場合は、床下の通風換気が悪くなるなど、床下の木材の早期劣化を招くことが原因で、床のたわみが発生している可能性が高い。
    なお、継続して床下に水たまり等が生じている場合には、基礎の沈下、床下の設備配管からの漏水等が発生しているか、または床下の地盤面の高さが建物周囲の地盤面より低くなっている可能性がある。

使用する検査機器

3-2 床仕上材等の施工状況の確認

調査の視点

  • 床仕上材等が適切に施工されているかを確認する。

調査方法

1.書類による確認

確認のポイント
床仕上材等の選択
床仕上材等の品質

(1)調査方法

  • 施工記録(施工図、施工状況報告書、工事写真等)により、上記<確認ポイント>に沿って、把握できる範囲において、床仕上げが設計どおりに行われているかを確認する。なお、設計図書に記載のない部分については、住宅金融支援機構編集「木造住宅工事仕様書」、その他の仕様書、基準等を参考に、施工が適切に行われているかを確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし
参考17
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版」p104(5.8)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)

2.目視等による施工状況確認

確認のポイント
床仕上材等の留付け

(1)調査方法

  • 床仕上材等の施工が設計どおりに行われているかを確認する。
  • 床仕上面の釘の浮き等がないか(フローリング等)、接着不良の浮きがないか(ビニル床シート等)を目視にて確認する。
  • 必要に応じ、床仕上材の一部をはがし、材の厚さ・変形や留付け方法(釘のピッチ、種類、釘のゆるみ・浮き等)を目視・計測等により確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

調査結果の考え方

  • 次のいずれかの事項について、適切な床仕上材の施工が行われていない場合は、床仕上材等の施工不良が原因である可能性が高い。
    床仕上材等の選択
    床仕上材等の品質
    床仕上材等の留付け
参考(引用5)
合板下地板:張り方は、板の長手方向が根太と直交するように張り、根太心で突き付け、くぎ間隔は根太当たり150mm内外で、N50くぎを平打ちする。
引用5
  • 「木造住宅工事仕様書 平成28年版」p149(8.1.2)((独)住宅金融支援機構編著、(株)井上書院発行)

使用する検査機器

  • スケール
使用・メンテナンス状況の確認

4 使用・メンテナンス状況の確認」によるほか、以下の確認を行う。

調査の視点

  • 床のたわみは、床が支持できる許容範囲を超える重量の載荷(過荷重)が原因である場合も考えられるため、設計時に想定された積載荷重と実際に当該床に積載された重量とを比較検証する。

調査方法

1.設計段階で設定した積載荷重の確認

床の設計段階で、積載荷重をどのように設定したかを確認する。具体的には、設計図書、建設住宅性能評価関連図書等や設計者に確認する。

(1)調査方法

設計図書等により、設定した積載荷重の数値を確認する。
設計図書等が不備であったり、判定できない場合は、設計者に、設定した積載荷重の数値を確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし

2.目視確認

(1)調査方法

たわみが発生している部分に、重量物が設置されているかを確認する。
重量物がある場合には、製品カタログ等により、重量(㎡当たり)を確認する。

(2)注意事項等

  • 重量物が置かれていない場合でも、過去に置かれていたかを確認する。

3.除荷後のたわみ量の測定

床が支えることのできる許容範囲を超える載荷(過荷重)が原因であるかを確認するために、重量物が許容範囲を超える可能性がある場合は、重量物を移動し、その後の床のたわみ量を測定する。

(1)調査方法

前記2で確認された重量物が比較的容易に移動できる場合には、重量物を取り除いた上で、 不具合事象の程度の確認<調査方法>1-1により、たわみ量の測定を再試行する。
測定は方法1により、直後と1時間後の2回実施する。さらに6時間後、1日後、2日後・・・と必要に応じて一定期間毎に観察を行う。
たわみ量の変化が概ね止まった時点で、詳細な方法(不具合事象の程度の確認<調査方法>1-1の方法2、1-2、または1-3)により測定する。

(2)注意事項等

  • 前記1で確認した設計荷重と比べて、載荷重量の方が小さい場合でも、検証のため、必要に応じて重量物を除荷して床のたわみの状況を観察する。

調査結果の考え方

  • 設計の段階で積載荷重の条件設定が行われているが、想定以上の積載荷重があった場合は、「不適切な使用」が原因である可能性が高い。
  • 重量物の移動後、たわみ量が大幅に軽減する場合(時間の長短は問わない)は、床の設計・施工ではなく、「不適切な使用」が原因である可能性が高い。
  • 重量物移動後、たわみ量が軽減しない場合には、「不適切な使用」が原因である可能性があるほか、重量物が直接の原因でなく、他に原因がある可能性がある。

使用する検査機器

  • 特になし(測定時はに準ずる)
外的要因の確認

5 外的要因の確認」による。

詳細調査の必要性の検討

6 詳細調査の必要性の検討」による。