調査方法編

使用・メンテナンス状況の確認

調査の視点

適切な設計・施工が行われた住宅であっても、その使用方法が不適切であったり、メンテナンスが不十分である場合、不具合事象の発生につながることがあるため、使用・メンテナンスの状況を確認しておく。

調査方法

(1)調査方法

使用状況
不具合事象の発生箇所及び周辺の使用状況を、居住者又は住宅管理者へのヒアリング、現場調査等により確認する。特に、住宅の性能・機能等に著しく悪影響を及ぼすような通常想定されないような使い方をしていないか確認する。
メンテナンス状況
不具合事象の発生箇所及び周辺の部位のメンテナンス状況(清掃、手入れ等の状況)を、居住者又は住宅管理者へのヒアリング、現場調査等により確認する。特に、定期的に必要なメンテナンスを怠たるなど、不具合事象の進行につながるようなメンテナンスの状況ではなかったか確認する。

(2)注意事項等

特に木造住宅では、小屋裏換気口・床下換気口等をふさぐなど換気を阻害するような住まい方をした場合には、構造材等の劣化を早めることとなり、種々の不具合事象につながることがあるため注意が必要である。

調査結果の考え方

不具合事象の発生に関連して、住宅の性能・機能等に著しく悪影響を及ぼすような通常想定されない使い方がされている場合には、不適切な使用方法が不具合事象の原因の一つである可能性が高い。
定期的に必要なメンテナンスを怠たるなど、不具合事象の進行や関連部位の劣化を速めるようなメンテナンス状況があった場合には、不適切なメンテナンスが不具合事象の原因の一つである可能性が高い。
外的要因の確認

調査の視点

地震、台風等の自然現象や、周囲の工事の影響、重量物の衝突等の外的要因により不具合事象が発生することがあるため、これらの外的要因の有無を確認する。

調査方法

(1)調査方法

地震、台風等の場合
  • 地震、台風等の発生時期、規模等を気象庁のデータ等で確認し、不具合事象の発生時期との関係を確認する。
  • 周辺の類似した構造の建築物における同様の不具合事象の発生の有無、発生時期を調べる。
  • ただし、不具合事象の発生原因が地震等であることを特定するためには高度な知見を必要とするため、必要に応じて構造の専門家等による調査を行うことを検討する。
広域的な地盤沈下の場合
  • 周辺の類似した構造の建築物における同様の不具合事象の発生の有無、発生時期を調べる。
  • 広域的な地盤沈下の発生に関する情報について、地方公共団体等に確認する。
周辺における工事の場合
  • 周辺における工事の実施時期を確認し、不具合事象の発生時期との関係を確認する。
  • 周辺の類似した構造の建築物における同様の不具合事象の発生の有無、発生時期を調べる。
  • 必要に応じて地下水の水位や周辺における工事の計画等を確認する。
重量物の衝突等の場合
  • 不具合事象発生時期以前に、当該部分又はその周辺部分における重量物の衝突等の外力が加えられた可能性の有無を、居住者へのヒアリング等により確認する。

(2)注意事項等

  • 特になし。

調査結果の考え方

以下のような状況の場合には、地震・台風、広域的な地盤沈下、周辺の工事、重量物の衝突等の外的要因が不具合事象発生の原因の一つである可能性が高い。
大地震、大型の台風等の直後に不具合事象が発見され、かつ周辺の類似した構造の建築物に同様の不具合事象が発生している場合
地方公共団体等において広域的な地盤沈下に関する情報が確認され、かつ周辺の類似した構造の建築物において同様の不具合事象が同時期に発生している場合
周辺の建設工事の実施時期と不具合事象の発生時期との関連が確認され、かつ周辺の類似した構造の建築物において同様の不具合事象が発生している場合
不具合事象が発生した時期に、不具合事象の発生部位において、故意・過失等による自動車等の重量物の衝突、近隣でのガス爆発等、外力が加えられたことにより、相当の衝撃を受けたことが確認できる場合
詳細調査の必要性の検討

当該不具合事象及び複合して発生している他の不具合事象の状況、各調査段階の結果、構造耐力上主要な部分に瑕疵の存する可能性等を勘案して、より専門性の高い知見を有する者による詳細な調査の実施について検討する。

この場合、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」第74条に基づく住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準等が参考となるものと考えられる。