事業者からの申請例【その1】
エスカレートする施主の要求。どこまで応じればいいか。

 E社が新築住宅の注文を受けた際に、施主から子ども部屋の壁には珪藻土を、リビングには気に入った壁紙を使いたいと希望されました。引渡し後、施主から珪藻土壁にひび割れと色ムラが発生し、リビング壁紙の仕上がりにも納得がいかないと補修の求めがあり、E社はこれに応じました。
 補修工事が完了したところで、施主からまだ仕上がりに納得がいかないので全面的にやり直すことに加え、他の箇所の補修も要求されました。E社はサービスで補修できる範囲には限度があることを理解して欲しいと訴えましたが、施主は納得してくれません。
 E社は、際限なく要求に応じることもできず、要求を断って信用問題になっても困ると悩んだ末に住まいるダイヤルに相談し、専門家相談を受け住宅紛争処理を通して解決を図ろうと申請を行いました。

 第一回の審理で、E社は施主の要求に応じて壁以外も補修をしてきたが、これ以上の要求全てに応えることは出来ないと訴え、どこまで対応すべきか紛争処理委員に判断して欲しいと希望しました。一方、施主は仕上がりに納得がいかないため、全面的な補修を要求しました。
 双方の主張がかみ合わないため、第二回で現地調査を行い紛争処理委員が状況を確認しました。

 第三回の審理では、紛争処理委員が現地調査の結果を基に、子ども部屋の珪藻土壁の仕上がりは常識的なレベルであったこと、リビングの壁紙は現状では全面補修ではなく部分補修が一般的であると施主に説明しました。また、委員はE社に補修方法の提案書作成を指示し、E社はこれを受けて提案書を提出することにしました。

 第四回の審理で、E社の提案書について紛争処理委員から一般的な補修方法であるという説明がなされ、これ以上の要求は法的にも難しいとの見解が示されたため、施主はE社の提案した補修方法を受入れることに合意し、申請から6カ月で紛争処理が終結しました。

<まとめ>

 事業者が施主の要求にどこまで応じるべきかという点について、紛争処理委員の判断を仰ぐことで解決の道筋がついたケースです。委員が第三者として客観的な妥当性を示したことで、施主が事業者の提案する補修方法を受け入れました。

※フィクションです。

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