梁とは
梁(はり)は、住宅の重さや、住宅にかかる風・地震等による力を支える部位である「構造耐力上主要な部分」の一つ、横架材(おうかざい)にあたります。屋根・壁・床等の重さを支え、その重さやかかる力を柱や壁に伝える役割を持ちます。
※このページでは横架材全般を「梁」として解説しています。
梁の傾斜・変形を防ぐには
梁の傾斜・変形を防ぐには間取り・デザインの検討と
あわせて
柱・梁の計画を行う
梁の傾斜・変形のリスクの低減には、適切な梁のかけ方の検討や梁の寸法の確保により、梁への負荷を減らすこと等が有効です。
柱や壁のない大空間や、大きな窓の設置、上下階の外壁の位置が異なるデザインとする場合等は、梁に負荷がかかりやすい傾向にあり、梁の傾斜・変形のリスクが高まるといえます。
間取り・デザインの検討段階において、あわせて柱・梁の計画を行うことが重要です。
無理のない柱・梁の計画
重い家具にも注意
注意が必要なケースの例に該当する間取り・デザインを希望する場合は、実現が可能か等を住宅事業者に確認するとよいでしょう。
なお、重い家具等(ピアノ、大量の本、金庫等)も梁に大きな影響を与えるため、設置にあたっては重さを考慮した設計が必要となります。
設置の予定がある場合は、住宅事業者へ伝えておきましょう。
梁の傾斜・変形を防ぐには
梁の傾斜・変形を防ぐには注意が必要なケースの例
柱・梁の計画に注意が必要なケースの例を紹介します。
該当する場合は、梁の傾斜・変形のリスク対策がとられているか、構造計算等による安全性の確認ができるか等、住宅事業者に確認するとよいでしょう。
適切な対策をとることが難しく、間取りやデザインの変更が必要となるケースもあります。
住宅事業者と相談の上で、無理のない骨組み・構造とすることが、梁の傾斜・変形のリスク低減のために重要です。
大空間・大きな窓あり(スパンの大きい梁)
キャンティバルコニー・
キャンティ居室(片側に柱のない梁・オーバーハング)
下階の外壁面から飛び出しているバルコニーや上階の居室のことを、一般にキャンティバルコニー・キャンティ居室と呼びます。
キャンティとは片側のみ固定された状態を指し、「片持ち」「はね出し」等ともいわれます。
梁が柱で支えられていないと、屋根・床・壁等の重さや、かかる力を下へと伝える先がないため、梁に大きな負荷がかかります。
上下階の窓・外壁の位置が異なる(上下階の柱の位置の不一致)
上下階の窓の位置や大きさが異なる、1階よりも2 階が小さい等で外壁の位置が異なる場合、上下階の柱が揃わないことがあります。
上下階の柱の位置が揃っていないと、梁の一部に負荷が集中し、梁の傾斜・変形のリスクが高まります。