梁の傾斜・変形を防ぐには

傾斜・変形防ぐには

  1. 住宅の傾きを防ぐために
  2. 梁の傾斜・変形を防ぐには

梁とは

梁(はり)は、住宅の重さや、住宅にかかる風・地震等による力を支える部位である「構造耐力上主要な部分」の一つ、横架材(おうかざい)にあたります。屋根・壁・床等の重さを支え、その重さやかかる力を柱や壁に伝える役割を持ちます。

※このページでは横架材全般を「梁」として解説しています。

梁とは

梁の傾斜・変形を防ぐには

梁の傾斜・変形を防ぐには間取り・デザイン検討
あわせて
柱・梁計画を行う

梁の傾斜・変形のリスクの低減には、適切な梁のかけ方の検討や梁の寸法の確保により、梁への負荷を減らすこと等が有効です。

柱や壁のない大空間や、大きな窓の設置、上下階の外壁の位置が異なるデザインとする場合等は、梁に負荷がかかりやすい傾向にあり、梁の傾斜・変形のリスクが高まるといえます。

間取り・デザインの検討段階において、あわせて柱・梁の計画を行うことが重要です。

間取り・デザインの検討とあわせて柱・梁の計画を行う

無理のない柱・梁の計画 
重い家具にも注意

注意が必要なケースの例に該当する間取り・デザインを希望する場合は、実現が可能か等を住宅事業者に確認するとよいでしょう。

なお、重い家具等(ピアノ、大量の本、金庫等)も梁に大きな影響を与えるため、設置にあたっては重さを考慮した設計が必要となります。
設置の予定がある場合は、住宅事業者へ伝えておきましょう。

梁の傾斜・変形を防ぐには

梁の傾斜・変形を防ぐには注意必要ケース

柱・梁の計画に注意が必要なケースの例を紹介します。
該当する場合は、梁の傾斜・変形のリスク対策がとられているか、構造計算等による安全性の確認ができるか等、住宅事業者に確認するとよいでしょう。
適切な対策をとることが難しく、間取りやデザインの変更が必要となるケースもあります。
住宅事業者と相談の上で、無理のない骨組み・構造とすることが、梁の傾斜・変形のリスク低減のために重要です。

大空間・大きな窓あり(スパンの大きい梁)

大空間や大きな窓がある場合、柱を減らした計画となるため、梁が柱によって支えられていない部分が長くなる傾向があります。(梁のスパンが大きくなる)
スパンが大きい(長い)梁は、柱による支えが少ない分、負荷に耐えるために梁せい寸法を大きくする必要があります。適切な寸法になっていないと、梁の傾斜・変形のリスクが高まります。

大空間・大きな窓あり(スパンの大きい梁)

キャンティバルコニー・
キャンティ居室(片側に柱のない梁・オーバーハング)

下階の外壁面から飛び出しているバルコニーや上階の居室のことを、一般にキャンティバルコニー・キャンティ居室と呼びます。
キャンティとは片側のみ固定された状態を指し、「片持ち」「はね出し」等ともいわれます。
梁が柱で支えられていないと、屋根・床・壁等の重さや、かかる力を下へと伝える先がないため、梁に大きな負荷がかかります。

キャンティバルコニー・キャンティ居室(片側に柱のない梁・オーバーハング)

上下階の窓・外壁の位置が異なる(上下階の柱の位置の不一致)

上下階の窓の位置や大きさが異なる、1階よりも2 階が小さい等で外壁の位置が異なる場合、上下階の柱が揃わないことがあります。
上下階の柱の位置が揃っていないと、梁の一部に負荷が集中し、梁の傾斜・変形のリスクが高まります。

上下階の窓・外壁の位置が異なる(上下階の柱の位置の不一致)