外壁
<モルタル>

家の外壁モルタル

モルタル外壁からの雨漏り

モルタル外壁のひび割れは、モルタルの塗厚さ(モルタルの厚み)の不足や、ひび割れ低減策(施工時にガラス繊維ネット等の使用等)の不足等の原因により生じることがあります。
窓サッシ等の他部位と接する部分(取合い部)も、対策をとらないとひび割れが生じやすい箇所です。

モルタルにひび割れがあると、そこから雨水が浸入することがあります。モルタル外壁の下の防水紙(アスファルトフェルト等)に破れ等があると、モルタルのひび割れ部から浸入した雨水が、防水紙の破れた箇所を通って、さらに室内側にしみ込んでしまいます。

モルタル外壁からの雨漏り

雨漏りリスク低減のアイデア

  • モルタルがひび割れしにくい対策(窓周囲の金網による補強等)がとられているかどうかを住宅事業者に確認する。
  • 屋根の軒や庇(ひさし)の出を長くして壁にかかる雨が少なくなるデザインとする。
  • ひび割れ部に雨水が浸入しても、室内まで浸入することなく屋外へ排出されるように、外壁内に通気層を設ける構法(通気構法)を選択する。
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住み始めてからは―

モルタル外壁は、基本継ぎ目のない広い面となるため、地震による大きな揺れや、大型車両による頻度の高い振動によってもひび割れが生じることがあります。
同じ面に多数生じたひび割れ、外壁の下地まで到達する(内部の木材や防水紙等が見える)ひび割れ、庇や窓サッシ等開口部と接する部分(取合い部)のひび割れ、モルタルの浮きや剥がれについては注意が必要と言えます。
気になるひび割れ等を見つけた場合は新築時の住宅事業者に相談しましょう。

モルタル外壁のひび割れ

モルタルとは

モルタルとは、セメント、水、砂を練り混ぜたペースト状の建築材料です。建築物の仕上げ・下地・接着等に使用できます。
セメント、水、砂は不燃性のため、モルタルは耐火性に優れています。またペースト状の材料のため、デザイン性や自由度が高い材料です。
施工する際は、外壁下地に取り付けた金網(メタルラス)にモルタルを塗ります。

モルタル外壁を施工する人

通気構法とは

通気構法とは、住宅の外装材と躯体の間に空気を流す連続した通り道(通気層)をつくり、通気層内に浸入した雨水や水蒸気を含む空気を屋外に排出する仕組みを持つ構法です。
建物の上下に「すき間」を設け、壁の下側の「すき間」から外気を取り入れ、温度差や気圧差等で自然に下から上に空気を流し、壁の上側または屋根の棟等の「すき間」から外部に水蒸気を含んだ空気を排出します。

また、部材の継ぎ目等から壁内に雨水が浸入しても、雨水や雨水が滞留して発生した水蒸気は通気層を経由して、「すき間」から外部に排出されます。

通気構法においては、通気の経路が確保されていることが重要です。
施工時に防水紙(透湿防水シート等)のたわみ等があり通気経路をふさいでしまうと、通気層の機能が発揮されず、雨漏り等の不具合につながることがあるため、適切な施工が必要です。

外装材と躯体の間に空気を流す連続した通り道を示した図
外壁材と断熱材間の水分が外気によって押し上げあられる図 外壁材と断熱材間の水分が排出される拡大図

雨漏りを防ぐための二段階の防水対策

外壁材(サイディング、モルタル等)や屋根ふき材(金属、スレート、瓦等)等といった外から見える仕上げ材は、雨水の浸入を最初に防ぎます。
しかし、仕上げ材には部材同士の継ぎ目があり、そこから雨水が浸入してしまう可能性があるため、雨水が室内まで到達しないように、仕上げ材の内側には防水措置(透湿防水シート、アスファルトフェルト等)がとられています。

仕上げ材の内側の防水措置が適切な状態であれば、仕上げ材等から浸入した雨水も室内には到達せず、室内への雨漏り被害を防ぐことができます。

上から見た防水層の断面図
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