地盤と10年間の瑕疵担保期間義務付け
相談年月:2001年2月
(工務店より)地盤調査によって軟弱地盤であることがわかり地盤改良が必要と判断されたとき、施主側の事情(資金不足)で地盤改良ができなかったとします。それが原因で住宅に不具合が生じた場合、施工会社は住宅品確法の「10年間の瑕疵担保期間義務付け」に基づき補修しなければならないのでしょうか。
施主との間に、基礎について瑕疵担保責任を追及しないという念書、覚書を入れた場合はどうなのでしょうか。
軟弱地盤であることが契約締結後にわかった場合、施工会社が地盤改良費を負担しなければならないのでしょうか。
地盤は土地であり、住宅に含まれません。地盤に問題があったことによって住宅に床の傾斜等不具合が発生した場合には、基本的には地盤の問題として住宅の施工業者(請負人)や売主が瑕疵担保責任を負うわけではありません。
しかし、住宅の設計・施工を行う設計施工業者は、地盤の状況をきちんと把握した上で、その地盤の状況に対応した基礎の設計・施工を行う責任があると考えられています。したがって、設計者が軟弱地盤であるにもかかわらず、これに対応していない基礎を選定し、施工業者が漫然と当該基礎工事を行い、不同沈下などの瑕疵(不具合現象)が発生した場合には、「基礎」の瑕疵として瑕疵担保責任を負わなければなりません。本件のように施主の事情で地盤改良をしなかったとしても、設計者や施工業者の瑕疵担保責任は免責されるとは限りません。設計者及び施工業者は、専門家としての責任があり、施主に地盤改良が必要であることを十分説明し説得をしなければなりません。
住宅品確法における「10年間の瑕疵担保期間義務付け」は、2000年4月1日以降に締結された全ての新築住宅の請負・売買契約について、強制的に適用される制度です。施主が基礎についての瑕疵担保責任の追及をしないという念書や覚書をいれたとしても無効です。
地盤のことを契約内容において特別に定めていないのであれば、地盤改良費は施主の負担になります。土地の所有者は施主であり、地盤改良によって利益を得るのは施主だからです。
相談ID:37
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