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南側隣地に住宅建設の計画がある。わが家の日当たりが悪くなってしまうので心配だ。

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ご相談内容

相談年月:2014年1月

10年以上前から木造2階建て住宅を建てて住んでいます。このたび隣接する南側敷地に建売住宅が何棟も建つことになりました。建物はすべて2階建てですが、以前から隣地が30センチほど高くなっているため、わが家の1階の日当たりが悪くなりそうで心配しています。
自治体の建築担当部署に確認したところ、法律違反はないとのことでした。違反がなければすべてあきらめるしかないのでしょうか。日当たりのほかにも、雨水がこちらの敷地に流れ込んでくるのではないかと心配でたまりません。隣地はまだ着工していませんが、建物を低くするなど、設計変更をするよう要求することは可能でしょうか。

回答

日当たりは、人々が快適で健康な生活をおくるために欠かせないものです。建築基準法では「日影規制」や「北側斜線制限」などの条項を設けて近隣の日照(日当たり)を保護しています。お住まいの地域よっては、規制内容が変わってきますが、相談者はすでに自治体に確認しているとのことですので、法律や条令等の規制に違反がないと考えられます。
もちろん、法律や条令等の規制に違反がないとしても、建物の形状や配置を工夫するなど、何らかの設計変更を求めて話し合いをすることは問題ありません。但し、隣地に建売住宅を販売する事業者(建売業者)も関係法令を守って建築する以上、建売住宅としての価値を低下させるような変更要求には応じない可能性が高いと思われます。
事業者が要求に応じない場合、工事の差し止めや、日当たりが悪くなる住環境の悪化についての補償金等を請求していくことも全く考えられないわけではありません。もっとも、日当たりの悪化によりこうした請求ができるかどうかについては「社会通念上の受忍限度(一般の人が我慢できる範囲)を超えているかどうか」により判断され、今回は住宅地で、隣地も2階建てということですので、隣地が30センチ高いことも考慮しても、受忍限度を超えるとの主張は容易ではありません。粘り強く話し合いを続けるべきか、差止め等の強硬な手段をとるべきかどうかについては、専門家の助言を仰ぐことが適切と思われますので、まず弁護士に相談をされてはいかがでしょう。
隣地からの雨水の流入に関して、 建築基準法19条3項では、建築物の敷地には、雨水等の排出、処理のため、適当な施設の設置を定めています。また、民法218条では、雨水を隣地に注ぐ工作物の設置を禁止しています。同法234条1項では、建築物は、隣地境界線から50cm以上の距離を保たなくてはならないことも規定しています(ただし、建築基準法65条(※)が適用される場合を除きます。)。その他に、お住まいの地域によっては、条例で定めている場合もあるので、自治体に確認してもいいでしょう。
いずれにしても、まだ着工前ですので、建売業者に、雨水や積雪の被害を防ぐため適切な設計をしてほしい旨を伝え、説明を受け、記録を残しておかれてはどうでしょう。第三者の建築専門家に図面と現況を確認してもらい、意見を聞いてみるのも有意義だと思われます。

※建築基準法65条:防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができると規定されています。

相談ID:616

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