トップページ 相談事例を探す 不同沈下が生じている。軟弱地盤の可能性が高いのにもかかわらず、布基礎を採用した施工業者に補修費用の負担を求めたい。
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不同沈下が生じている。軟弱地盤の可能性が高いのにもかかわらず、布基礎を採用した施工業者に補修費用の負担を求めたい。

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ご相談内容

相談年月:2014年2月

施工業者から購入した土地上に、9年前に在来工法で木造2階建注文住宅を建築してもらい、その住宅に現在まで住んでいます。
新築後、まもなく土地に小さな穴が開き、しばらくして扉の開閉不良が生じるようになりました。その後、住宅の床が傾き、敷地内の一部が陥没しました。これを施工業者に申し入れ、住宅の傾きの調査と建物際の地盤調査を行なったところ、東西方向に住宅(建物)の傾斜があることがわかりました。また、敷地内の5箇所で行った地盤調査により、軟弱地盤であることもわかりました。この土地は、もともと河川に近いゴルフ練習場だった土地を分譲地として開発したところです。なお、住宅の基礎は布基礎です。
施工業者に補修等を申し入れましたが、施工業者からは、地盤の補修は有償になると言われました。
この住宅を建築する前に、施工業者から地盤調査を行うと言われ、そのための費用を支払ったのですが、「地盤調査は必要ない」と判断され、地盤調査費用を返金されました。その事を施工業者に伝えると、「この程度の軟弱地盤では、建築当時の法令等においても地盤対策は必要なかっただろう」「地盤の傾きは地下水による不同沈下によるものかもしれない」と言われ、建築前に地盤調査を行なわなかったことに責任はないと主張されていますが、私は納得がいきません。
不同沈下を補修するためにはかなりの費用が必要となりますが、施工業者に無償で補修してもらうことは可能でしょうか。

回答

住宅品確法では、基礎などの構造耐力上主要な部分に瑕疵があれば、10年間は施工業者が補修等の責任を負うと規定されています。住宅の地盤は、構造耐力上主要な部分には含まれませんが、住宅の設計・施工を行う場合には、地盤の状況を適切に調査した上で、調査結果に対応した基礎の設計・施工を行う必要があります。軟弱地盤であるにもかかわらず、地盤の状況を配慮せずに不適切な基礎を採用して設計・施工したために不同沈下が生じた場合には、基本的に地盤の瑕疵ではなく基礎に瑕疵があると考えてよいでしょう。
お住まいは、河川に近い土地であることから、軟弱地盤の可能性があるので、施工業者が主張する「この程度の軟弱地盤では、当時も地盤対策は必要なかっただろう」という判断をした法的根拠を業者に質問してみて下さい。また、河川に近い軟弱地盤である可能性がある土地で、堅固な地盤である場合に使用する布基礎を採用した判断根拠も具体的に確認することをおすすめします。その回答を書面でもらえたら、建築士や弁護士に示して相談するとよいでしょう。
基礎に瑕疵があるとされた場合、施工業者に無償での補修や損害賠償を求めることが可能です。まずは、現在の地盤調査報告書や住宅の傾き調査報告書などを添えて、施工業者と交渉することをおすすめします。その際に、施工業者と無関係な第三者たる建築士に、現在の地盤調査報告書を見てもらうとよいでしょう。
住宅品確法上、基礎に瑕疵がある場合の瑕疵担保責任を追及できる期間は10年ですので、早めに施工業者と交渉した方がいいでしょう。交渉がうまくいかない場合は、この期限を超えてしまう場合もありますので、早めに弁護士に相談して、地盤に対して不適切な基礎が施工されていることが住宅の瑕疵であるから,当該瑕疵担保責任を追及する旨の通知を発送しておくことをおすすめします。

(参考)平成12年6月1日に改正され施行された建築基準法施行令第38条3項では、「建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。」などと定められています。

相談ID:619

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