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訪問販売事業者と火災保険の保険金を当てにして屋根をリフォームする工事契約を結んだ。自己負担が生じるため契約解除したい。

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ご相談内容

相談年月:2016年5月

リフォーム事業者が訪問してきて、「自然災害で屋根が損傷した場合、火災保険の保険金を使って自己負担なしで瓦葺き屋根を修繕できる」と勧誘されました。ちょうど先日の台風で屋根が傷んでいたため、リフォーム事業者に言われるままに、屋根補修工事費用35万円の工事請負契約を結びました。しかし、保険会社に保険金を請求したところ、20万円しか支払われませんでした。
そこで、リフォーム事業者に対して「自己負担が15万円もかかるなら工事はできない」と言ったところ、リフォーム事業者は、「契約を結んでいるのだから工事費用35万円を前払いするように」と代金を請求してきました。
保険金を使って自己負担なしで工事ができると言われて契約したのに、15万円も自己負担が生じることに納得がいきません。工事請負契約の解除をしたいのですが、どのようにしたらよいでしょうか。クーリング・オフ期間はすでに経過しています。

回答

保険商品にはいろいろな種類があり、工事費用が必ず保険で補償されるとは限りません。保険の利用をうたってリフォーム工事の勧誘をする事業者の中には、ずさんな工事を行ったり、補修が必要な範囲を超える工事をしたり、契約解除を申し入れると高額な違約金等を請求したりする事業者がいるようです。
契約書等が法定書面に定められた要件※1を満たしていない場合には、クーリング・オフ期間は開始せず、クーリング・オフ期間が経過することもありません(特定商取引法9条1項)。この場合、クーリング・オフが可能です。
クーリング・オフができない場合でも、リフォーム事業者が保険金を使って自己負担なしで屋根の補修工事ができると言って工事を勧誘したのに、最終的には保険金だけでは工事費が不足したことをもって「不実告知」にあたるとして、契約の取消しを求めることが考えられます(特定商取引法9条の3第1項、消費者契約法4条1項)。また、民法による詐欺を理由として契約を取り消したり、錯誤を理由として契約の無効※2を主張したりすることも考えられます。
まずは、写真を撮影するなど、工事の状況を詳細に記録しておくことをおすすめします。リフォームの専門家相談を利用して、リフォーム事業者から交付された契約書等の法定書面が要件を満たしているかについて、法律の専門家からアドバイスを受けるとよいでしょう。リフォーム事業者に対してクーリング・オフを申し入れる場合、直ちに書面や電子メール等で送ることをおすすめします。また、リフォーム事業者と打合せを行う場合は、打合せの内容を書面に残すようにするとよいでしょう。

※1法定書面の要件:特定商取引法(4条、5条)では、訪問販売事業者に対して、契約を締結したときには、商品(権利、役務)の種類、販売価格(役務)の対価、代金の支払い時期、方法等を記載した書面を消費者に渡さなければならないと規定しています。
※2民法改正により、2020年4月以降の法律行為(契約等)に錯誤があった場合の効果は、「無効」から、「取り消すことができる」ものとされました(民法95条1項)。

相談ID:660

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