住まいの雨漏り対策を
考えましょう

戸建ての家の中から家族が窓から雨を見つめている図

当財団の「住まいるダイヤル」にも多く寄せられる、新築木造戸建住宅の雨漏りについて、収集した事例を基に、住宅部位ごとの雨漏りリスクや雨漏り対策のアイデア等をまとめました。

戸建ての家の中から家族が窓から雨を見つめている図

住宅の雨漏りリスクを減らすには、建設時の適切な施工と同様に、
設計段階での工夫や、住み始めてからの定期的な維持管理も重要です。
住宅を取得される際や住み始めてからの注目点として、参考にしていただけると幸いです。

雨漏りはなぜ起こる?

住宅は、屋根・壁・窓・扉等の様々な部位で、多くの部材を組み合わせて構成されています。様々な部位・部材の集合・組み合わせである住宅には、必ず“継ぎ目”が生じ、この継ぎ目に対して雨水の浸入対策が適切に取られていないと、雨漏りのリスクは高まります。
また、近年局地的な大雨や集中豪雨の回数も増加傾向にあり、これまで以上に住宅の雨漏りに対する注意が必要となってきているとも言えます。

家が豪雨に打たれている

いろいろな雨漏りの経路

雨漏りの事例では、外部から雨水が浸入した箇所と室内で雨漏りが確認された箇所が離れているケースや、複数の箇所から雨水が浸入しているケース等も見られます。
住宅が完成すると、壁・屋根等の内部の状況を確認することが難しくなるため、雨漏りの原因となる雨水の浸入箇所を特定することも、容易でなくなります。そのため、住宅を建てる段階で、『雨漏りのリスクを減らす』という視点を持っておくことが、とても大切になります。

遠くの場所から浸入した雨水が雨漏りしている家断面 s雨水浸入箇所複数の家断面

雨水はどこから浸入している?

新築住宅で雨漏りが発生した場合、雨水は住宅のどこから浸入しているのでしょうか。
「住宅瑕疵保険の事故情報」のデータから見てみましょう。

家の外壁開口、天窓、勾配屋根、バルコニー、外壁面を示した図

雨漏りを防ぐには

設計者や住宅事業者に
雨漏り対策について確認しましょう

住宅瑕疵担保責任保険法人より提供を受けた、新築木造戸建住宅の雨漏り事例を基に、住宅各部位の雨漏りリスクと、リスク低減のアイデアを紹介します。

人が家を注意して見ている

住宅について、専門的なことを理解することはなかなか難しいので、各部位のページを参考にしながら、住宅の設計者や住宅事業者に、どのような雨漏り対策をとっているのか等、質問して考え方を確認するとよいでしょう。
住み始めてからの維持管理についても紹介していますので、参考にしてみてください。
住宅に関することであれば、「住まいるダイヤル」でも相談を受け付けています。

住宅の専門家に夫婦が相談をしている図

住まいの維持管理

適切な設計・施工が行われた住宅であっても定期的に維持管理を行わないと、雨漏り等の不具合の発生につながる場合があります。住宅の維持管理をしっかり行い、不具合の発生リスクを減らしましょう。
住宅事業者に、引き渡し後の維持管理の方法や計画等について確認・相談してもよいでしょう。
住まい手が、異変に早めに気づくことで、雨漏り等のトラブルが深刻化する前に対処できます。各部位のページに維持管理についてまとめていますので参考にしてください。

完成予定の家を囲んで4人が調査、話し合いをしている図

雨漏りに気づいたら

雨漏りによる不具合は、天井からぽたぽたと水滴が落ちる現象だけでなく、天井や壁に水染みができる、壁紙が浮く、サッシ回りに水滴がついてくる等、様々な現象があります。
雨漏りと思われる不具合に気がついたら、まずは新築時の住宅事業者へ連絡し、相談しましょう。
住宅に関することであれば、「住まいるダイヤル」でも相談を受け付けています。

住宅事業者等が雨漏りの原因箇所を見つける方法の一つとして、散水試験があげられます。
雨漏りの原因と疑われる箇所に散水し、雨漏りと同じ現象が起きるかどうかを確かめる方法で、散水場所を変えながら、原因箇所を特定します。

壁からの雨漏りを見つけて驚く人 散水調査で原因箇所を探っている人

雨漏りではなく結露かも?

冬の窓ガラス等に発生する結露が、住宅の内部でも発生することがあります。
結露によって生じた水滴がすぐに住宅の不具合につながることは少ないですが、水分が乾かずに長期間住宅内部に留まると、雨漏りと似た不具合が生じることがあります。
散水試験等で雨漏りの原因が特定できない場合は、結露による水分蓄積が原因の不具合かもしれません。

本ページは「住宅瑕疵の発生防止等に資する資料収集整理等業務」において、住宅瑕疵担保責任保険法人(*)並びに業界団体にご助言等のご協力をいただき作成した、雨漏り対策資料を基に再構成したものです。
*株式会社住宅あんしん保証、住宅保証機構株式会社、株式会社日本住宅保証検査機構、株式会社ハウスジーメン、ハウスプラス住宅保証株式会社

【本ページの留意点】

  • 「雨漏りを防ぐには」各部位では、外観から確認できるリスク低減のアイデアを中心に取り上げています。
    取り上げた不具合事例は実例によるもので、原因を推定し、雨漏りリスク低減のアイデアを提案して一例として取りまとめているものです。ここで取り上げた以外にも、外からは見えない壁や屋根等の内側の部分でしっかりと対策を講じる等の様々なリスク低減対策があります。
  • 「雨漏りを防ぐには」で取り上げた部位以外にもいろいろな場所で雨漏りは発生しうるので、気になる場所を併せて住宅事業者に確認するとよいでしょう。例)換気のために外壁にあけた穴等の雨漏り対策
  • 本ページで取り上げる「雨漏り」対策は、当財団が収集した新築木造戸建住宅において雨漏りの生じた事例を基に整理したものであるため、収集した事例では確認できなかった「雨漏り」の原因や部位については、整理・記載できていないことに注意が必要です。
  • 雨水浸入の原因は、設計(材料の選択)や施工(納まり)、地域における環境等多岐にわたり、複数の要因が組み合わさって生じる場合もあるため、本ガイドで取り上げた部位においても、「外壁の種類」や「屋根形状」「部位(「取合い」を含む)」だけをもって、雨水浸入が生じるものではなく、材料や工法自体を否定するものではないことに注意が必要です。
  • 本ページで取り上げているリスク低減のアイデアは、雨漏りリスクを低減する一例に過ぎず、当該アイデアを採用することによって、雨漏りがしないことを保証するものではありません。
  • 本ページに掲載しているイラストは、わかりやすさに重点を置いているため、一部詳細を簡略しており、実際とは異なる部分があります。
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