外壁
<サイディング>①

サイディングを使用した住宅の外壁

サイディング外壁からの雨漏り

外壁サイディングの継ぎ目(シーリング目地)に、はがれやひび割れがあったり、サイディングに割れ等があったりすると、雨水が外壁の内部に浸入することがあります。
通気構法では、外壁の内部には防水紙等(透湿防水シート等)が設置されていて、室内への雨水浸入を防いでいますが、防水紙等に破れやシワ等があると室内まで雨水が浸入することがあります。

サイディングの割れ、シーリングのはがれ・ひび割れ

雨漏りリスク低減のアイデア

  • 屋根の軒や庇(ひさし)の出を長くして、外壁にかかる雨が少なくなるデザインとする。
  • 防水紙が適切に張られるか住宅事業者に確認する。

住み始めてからは―

サイディングの継ぎ目(シーリング目地)に、はがれやひび割れが発生していないか、サイディングに割れや反り等が発生していないか、住宅の外から状況を確認しましょう。

サイディング外壁のひび割れを見て電話で相談している

サイディングとは

一般に、工場で製作された板状の外壁材を指し、窯業系(セメント・けい酸質原料、繊維質原料等を用いて形成したもの)、金属系(ガルバリウム鋼板、アルミ等)等の種類があります。
窯業系サイディングは、一般的に経年変化や建物の環境等により、表面を手でこすった際に白い粉や塗装の色が手に付くようになること(チョーキング)があります。新築からの経過年数によっては外壁の塗り替えが必要となるため、住宅事業者に相談してください。
※本ページでは、窯業系サイディングを想定して記載しています。

シーリング材とは

外壁サイディングの継ぎ目や、窓やドア(サッシ)回り、手すりと外壁の取合い部等において、部材間・継ぎ目を埋める弾力性を持つ材料で、雨水が建物内部に浸入するのを防ぎます。
シーリング部は長期にわたり紫外線や日射熱が当たると、劣化により、はがれやひび割れが発生するため、定期的なメンテナンスが必要です。

外壁材の継目のシーリングが、経年劣化によってひび割れている

通気構法とは

通気構法とは、住宅の外装材と躯体の間に空気を流す連続した通り道(通気層)をつくり、通気層内に浸入した雨水や水蒸気を含む空気を、屋外に排出する仕組みを持つ構法です。

建物の上下に「すき間」を設け、壁の下側の「すき間」から外気を取り入れ、温度差や気圧差等で自然に下から上に空気を流し、壁の上側や、小屋裏を通じて屋根の棟等の「すき間」から外部に水蒸気を含んだ空気を排出します。

また、部材の継ぎ目等から壁内に雨水が浸入しても、雨水や水蒸気等は通気層を経由して、「すき間」から外部に排出されます。
通気構法においては、通気の経路が確保されていることが重要です。
施工時に防水紙(透湿防水シート等)のたわみ等があり通気経路をふさいでしまうと、通気層の機能が発揮されず、雨漏り等の不具合につながることがあるため、適切に施工することが必要です。

外装材と躯体の間に空気を流す連続した通り道を示した図
外壁材と断熱材間の水分が外気によって押し上げあられる図 外壁材と断熱材間の水分が排出される拡大図

雨漏りを防ぐための二段階の防水対策

外壁材(サイディング、モルタル等)や屋根ふき材(金属板、スレート、瓦等)等といった外から見える仕上げ材は、雨水の浸入を最初に防ぎます。(一段階目)
しかし、仕上げ材には部材同士の継ぎ目があり、そこから雨水が浸入する可能性があるため、雨水が室内まで到達しないように、仕上げ材の内側には防水対策(透湿防水シートやアスファルトフェルト等の施工)が行われています。(二段階目)

仕上げ材の内側の防水措置が適切な状態であれば、仕上げ材等から浸入した雨水も室内には到達せず、室内への雨漏り被害を防ぐことができます。

上から見た防水層の断面図
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