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セキュリティシステム設置工事の際、既存の柱を欠き込まれてしまった。

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ご相談内容

相談年月:2016年10月

築2年になる木造住宅ですが、防犯カメラと戸建住宅用のセキュリティシステムの設置工事を行いました。工事担当者は、図面などは必要ないと言って工事を始めましたが、壁に穴を開ける際に柱も欠いてしまいました。大きさはコンセントプレート相当、深さは2cm程度で、貫通はしていません。
安全性に不安があるので、建物の建て替えなどを求めたいのですが、可能でしょうか。

回答

【弁護士の助言】

今回、施工業者に対する責任追及としては、瑕疵担保責任※1に基づく請求が考えられます。しかし、瑕疵担保責任が認められたとしても、修補や損害賠償を求めることはできますが、建物の建替えまで求めるには、建物に重大な瑕疵があって建替えざるを得ない場合などに限られます※2。相談を担当した建築士によれば構造的な問題は生じていないようですので、施工ミスであるとしても建替工事費用等を瑕疵担保責任に基づいて追及することは難しいように思われます。
現状、施工業者から、柱の補修工事の実施と工事費の免除という提案が来ているとのことですが、必ずしも相談者にとって不利な提案ではないと考えられます。現実的に実現可能な範囲で、相手方と交渉を進めてみてはいかがでしょうか。

※1 民法改正により、2020年4月以降に締結された請負契約については、瑕疵担保責任から、契約不適合責任(請負人が契約内容に適合しない目的物を注文者に引き渡した場合に生じる責任)に代わりました。(民法559、562条)
※2 建物に重大な瑕疵があって建替えるほかはない場合には、建替えに要する費用相当額の損害賠償請求が認められるとする判例があります。(最三小判平14.9.24集民 第207号289頁)


【建築士の助言】

今回、工事担当者が住宅の構造体に傷をつけてしまったことは問題ですが、持参された資料から判断すれば、構造的な問題は生じていないと思われます。また、工事担当者が配線をできる限り露出せずに壁の中に収めようと配慮した結果でもあるようにも推察されます。当該箇所の壁の仕上げ方法を変えるなど前向きな検討をされるのもよいのではないでしょうか。

相談ID:27

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