中古住宅を購入したが、庭に切り株と木の根が埋まっていたことについて売主の説明がなかった。
相談年月:2023年8月
2023年4月に、木造一戸建て住宅を中古で宅建事業者から購入しました。既存住宅売買瑕疵保険*にも加入しています。購入前に庭に40~50㎝の切り株が1本あることを確認し、売主には庭の更地部分を芝生にしたいという希望を伝えており、仲介業者からは何の支障もない旨の説明を受けました。引渡後、庭から木の芽が出てきたため掘り起こして確認したところ、切り株や木の根が多数埋められていることが分かり、芝を張ることを断念せざるを得なくなりました。売主は、契約前に切り株や木の根を庭に埋めていたにもかかわらず、そのことを一切説明しませんでした。
売買契約時の重要事項説明書には、「地中埋設物は発見せず」との記載もありました。売主に責任を問い、切り株と木の根の撤去を求めたところ、重要事項説明に問題はないとして、根を枯らす薬剤散布1回分の費用だけ支払うと言っていますが、納得できません。
今後、どのように対応したらよいでしょうか。
【弁護士の助言】
地中の切り株・木の根について、契約時に相談者が庭に芝生を張りたいという希望を伝えており、売主もそれを承諾したうえで契約が成立していたとすれば、契約内容に芝生を張ることができる庭を売買するという内容が含まれることになります。よって、地中に切り株・木の根があり、芝生を張れない状態であれば、契約不適合となる可能性があります。
また、仮に、芝生を張ることができる庭を売買するという内容が契約に含まれていないとしても、土地の取引では切り株・木の根は撤去するということが慣習として通常といえるのであれば、現状は通常の取引から逸脱した状態であり、切り株・木の根の撤去を求めることができるでしょう。
なお、木の根は、自然にも地中に存在するものであることから、「地中埋設物」といえるかどうか判断が難しいところはあります。引き抜いた切り株を意図的に埋設したのであれば産業廃棄物であり、地中埋設物と評価できますので、売主がそれを知っていたのであれば重要事項説明で虚偽説明をしていることになり得ますので、その点も視野に入れて交渉するのも一つの方法であると思われます。
【建築士の助言】
土地家屋の購入後に、芝生を植える要望があるのであれば、購入以前に造園業者に見積もりを兼ねて現地調査に来てもらうようなことをしておけば、木の根の存在が発覚し、その撤去を購入条件に盛り込むことができたものと考えます。
購入した住宅の庭には、現況、伐採樹木の根が複数残っていて、その中には新しく切り株から枝が伸びてきているものもあり、このままでは購入時点より望んでいる芝生の育成は難しい状態であると思われます。
現時点で、売主が薬剤によって根を枯れさせる方法を提案していますが、その薬の影響で芝生の育成にも問題が発生することが懸念されます。また、薬剤によって根が朽ち果てることにより地盤面が下がる可能性もあり、庭の一部が陥没することもあり得ます。
以上のことから、根に薬剤を使うことなく引き抜いた後にその部分に腐葉土を埋め戻し、芝生を植え付けることを推奨します。
参照条文:民法562、563、564・415、564・541条
*「既存住宅売買瑕疵保険について(住宅瑕疵担保制度ポータルサイト内)」国土交通省住宅局参事官(住宅瑕疵担保対策担当)付
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/consumer/existing_housing.html
相談ID:712
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