浴室ユニットの取り付けとPL責任
相談年月:2001年7月
(工務店から)1年ほど前に住宅建築を請け負い、浴槽メーカーの浴室ユニットを取り付けました。その製品は左右で1cm程の狂いがあり納まらないので、メーカーに対して対処するように言ったのですが、一向に対応しません。実際に現場で施工組立てするのは特約店で、メーカーとのつながりは強いはずです。こちらは約束した納期があるので、やむを得ず、根太から1cm浮かして浴室ユニットを取り付けて、床のレベル差を調整しました。今後、その部分に歪みが生じ、欠陥であると言われた場合は、対応ができません。経営者として、また、建築士として、放置できません。
このように半完成品を現場で施工して組立てるものである場合、組み立てた製品が現場で納まらないということは、PL法の第二条の「この法律において[製造物]とは、製造又は加工された動産をいう」に該当するかどうかについて教えてください。
製造物責任法(PL法)は、製造物の欠陥で生命、身体及び財産等に拡大損害が生じた場合、製造業者等の責任を問えるルールを定めたものです。1995年7月に施行されています。
本件相談の対象である浴室ユニット自体は、PL法のいう「製造物」に該当します。しかし、この浴室ユニットが現場で納まらないこと自体が、PL法のいう「拡大損害」に当たるとは考えにくいですし、浴室ユニットが半完成品であって、現場で納まってはじめて「製造物」になるという整理は、通説的な解釈とは異なります。
一般的に納まり不良の原因は、三通り考えられます。
一つは、浴室ユニットに相当程度の寸法不良があった場合です。これはメーカーの責任です。二つ目は、浴室ユニットの取付説明書等に問題があった場合で、これもメーカーの責任となります。三つ目は、住宅躯体の寸法等の精度及び施工不良・ミスの場合で、この場合は、貴社の責任です。
貴社が責任追及を受けた場合には、最低限、メーカー側からの情報提供や主張との突き合わせ、整理が必要です。なお、寸法誤差が現場施工で吸収できるレベルを超えていることについては、貴社側で反論すべきかと思われます。
相談ID:266
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