図面や書類を出さない地場工務店とのつきあい方
相談年月:2001年5月
住宅を新築しようと思い、地場の工務店と何度か話し合いをして、契約寸前のところまできています。その工務店は20年ほどのキャリアがあり、年間15軒くらいの建設を手がけていて、地元では有名です。そのせいか文書を交わして話をすすめるという意識がなく、すべて「信用問題だから大丈夫」という言葉で済ませてしまいます。
先日、その工務店の手がける別の現場を見に行ったとき、住宅内部のにおいが気になりました。シックハウス症候群なども心配なため、その旨を伝え、わが家にはどのような建材を使うのかと聞いたら、「なぜそんなことを聞くのか。そんなに細かいことまで聞く客は初めてだ」と言われました。
設計図面等の提出を求めても、「今まで出したことはない」とつっぱねられてしまいます。
工務店は、「とにかく契約をして、窓やドアの位置などは、その場その場で話しながら決めていく」と言います。こんな状態で契約しても大丈夫でしょうか。
契約書や設計図面等の文書を一切交わさず、口頭での話し合いのみで施工する工務店や、工務店にすべてを任せきりにして家を建てる施主もいると聞きます。それで、何のトラブルもなく、信頼関係が築けている場合は問題はないのでしょうが、もしも、住宅に不具合が生じたり、言った言わないの論争になったりしたときには、解決が難しくなる可能性があると思われます。
工務店のやり方にあなたが不信感を抱くのであれば、不審に思う点は何でも質問をし、必要な書面の提出を求める等、納得いくまで確認をしてから契約をしたほうがいいでしょう。契約は当事者間の合意によるものであり、書面にしなくても成立はしますが、トラブルが生じた時のことを考えると、必ず書面で残しておくことが重要だと思われます。
相談ID:310
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