中古住宅におけるさまざまな不具合と瑕疵担保責任
相談年月:2001年4月
築18年の中古戸建住宅を購入しましたが、入居はまだしていません。この住宅は、購入を検討する段階から、以下のような不具合がありましたが、ローン契約が決まってからでないと補修しないと不動産仲介業者に言われ、契約時に売買代金全額を支払いました。
引渡し時まで住んでいた売主が家の手入れをしておらず、契約前に台所の排水管を詰まらせ、放置していたため、シンク下が雑排水で浸水していました。
台所床下の補修工事をしましたが、現在でも床下に湿気があります。台所の浸水については、売主・不動産仲介業者から説明がありました。契約後、床下を不動産仲介業者に見てもらったところ、土台が腐っていました。また、引渡し後、台所に隣接する洗濯機置き場の床がぬけました。売主・不動産仲介業者にこれを言うと、土台の腐り、床の補修は瑕疵補修の対象に含まれないと言います。契約書によると瑕疵担保責任は負わないと記載されています。しかし、私としては台所の床下浸水に付随する事項と考えています。
売主と不動産仲介業者を相手方として、内容証明郵便を出そうと思っているのですが、どうでしょうか。不動産業者の担当者名を入れた方がよいでしょうか。
また、床下を調査した不動産仲介業者によると、シロアリが最近かじった跡が見られたと言います。契約時の重要事項説明書では、シロアリ被害はないと記載されています。この点についても、不動産業者の責任が生じるのではないでしょうか。
中古住宅の取引では現状有姿の引渡しになり、瑕疵担保責任※の期間も2ヶ月程度とする契約が通常です。この物件の場合、契約上、瑕疵担保責任を負わないとされており、その特約に従うことになります。しかし、売主が知っているのに告げなかった瑕疵については、瑕疵担保責任を免除する特約があっても、売り主は瑕疵担保責任を負います。
台所下については、売主から告げられていたと主張されれば、反論は難しいかもしれません。台所に隣接する洗濯機置き場の床について、告げられていたと言えるかどうかは、判断が容易ではありません。
間取りや傾斜などから、排水管が詰まって水があふれれば、台所下から洗濯機置き場に流れることは容易に予想されるかどうかという評価が入るためです。複数の弁護士に同じ内容の説明をして、意見を聞いてみると良いでしょう。
内容証明郵便を出す前に、シロアリの点も含めて、誰に対してどのような請求をできるか、本件は少し複雑な法律関係になりますので、弁護士に相談してからの方がよいでしょう。担当者名を書くか否かについては、いずれでも違いはありません。
※民法改正により、2020年4月以降に締結した売買契約については、瑕疵担保責任から契約不適合責任(売主が契約内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合に生じる責任)に代わりました。瑕疵担保責任と同様、契約書で「契約不適合責任」が定められることもあります。
相談ID:339
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