トップページ 相談事例を探す 築1年超で購入した木造住宅。外壁からの雨漏りが続く。補修方法と売主の責任は。
  • 電話相談事例

築1年超で購入した木造住宅。外壁からの雨漏りが続く。補修方法と売主の責任は。

  • 新築工事
  • 戸建
  • 請負契約
  • 雨漏り
  • 外壁
  • 修補(補修)
  • 損害賠償
ご相談内容

相談年月:2009年9月

新築後1年以上の間、人の住んだことのない木造住宅を6年前に購入し、当方が入居後、1年程度で外壁からの雨漏りが始まり、2年間交渉して、ようやく外壁を取り除いて塗り直すことになりました。ところが、外壁を補修する左官業者から、「外壁を剥がしてみたが、水道(みずみち)がはっきりしないから、雨漏りが止まるかどうかわからない」と言われました。そのため、現在補修工事を中断しています。
夫は補修を受けて保証期間を延長することで様子をみてはどうかというのですが、私としては今後が心配です。どうしたらよいでしょうか。
また、実は購入前にも雨漏りしていたことが、後になってわかりました。きちんと補修をしたからという理由で、売買時の重要事項説明では説明がなかったようですが適法なのでしょうか。このような重大なことを隠していたので、この会社が信用できず、今回の補修方法にも疑問があり、本当は自分たちが信用できる他の業者に直してもらいたい気持もあるのです。
補修をすると、いつか転売するときに資産価値が落ちて安くしか売れなくなると思うのですが、資産価値下落分を請求できるでしょうか。

回答

不具合箇所の補修を行う場合には、補修に入る前に、不具合部位や不具合の原因を特定して、補修方法を合意しておくことが望ましいといえます。しかし現状が外壁を剥がした状態であるなら、放置したままにすることはできないでしょう。補修を続行するかは決断を要することだと思いますが、これまで長く交渉して、ようやく補修にこぎ着けたのであれば、予定した補修方法に従って補修を行い、保証期間を延長してもらうことも適切な方法の一つだと思います。
なお、未入居でも築1年を超えて購入したとなると、住宅品確法上の10年間の瑕疵担保責任の特例は適用されませんが、売主が宅建業者の場合には、瑕疵担保期間は2年を下回ることはできません(宅建業法第40条※1)。今回の場合には、引渡しから1年程度で雨漏りが発生しているので、瑕疵担保責任を問える期間を過ぎていないかについて心配する必要はないでしょう。
購入前に雨漏りがあったり、補修をしたりしていることが宅建業法上の重要説明事項にならないのかというご質問ですが、重要事項の説明義務には、戸建て住宅の補修歴は重要事項として規定※2されていないので、補修歴を伝えなかったとしても、説明義務違反とは言えないと思います。
転売時に資産価値が低下するかどうかは、転売時期や購入者の購入希望額により幅があるため、一概には言えません。
戸建て住宅の場合は、前述したように売却時に補修履歴を説明する義務が規定されていないことや、住居は長期間利用することが通常であり、住んでいるうちに傷んだり補修したりすることがある程度予定されていると考えられることから、いつか転売する可能性があるというだけでは、住宅を補修したために生じた価値の低下分について、損害賠償請求しても認められにくいと思われます。

※1民法改正により、2020年4月以降に締結された売買契約は、瑕疵担保責任から契約不適合責任(売主が契約内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合に生じる責任)に代わりました。これに伴い、宅建業法も契約不適合責任に改正されましたが、2年間の期間制限は変わりません(宅建業法35条1項)。
※2宅建業法の改正により、2018年4月以降の既存住宅の売買契約の場合、宅建業者には、建物状況調査を実施した場合の結果等を説明する義務が課されています(宅建業法35条1項)。

相談ID:387

参考になりましたか?

チャットでご相談

チャットサポート