台風で地下駐車場が浸水し、車が被害を受けた。損害賠償請求したい。
相談年月:2010年9月
昨年竣工した新築マンションに住んでいます。マンションの機械式駐車場は、地下2階、地上1階なのですが、昨年の台風時に地下部分が浸水し、駐車していた車の約半数が全損しました。管理組合と売主で話し合いましたが、売主は責任を認めず、大雨でも車を避難させなかった区分所有者の責任だといいます。しかし、地下駐車場を設置したことに問題があるのではないかと考えるようになりました。なぜなら、市のハザードマップによると、この付近は市内でも2番目に浸水の危険が高い地域で、この近辺で地下駐車場のあるマンションは当マンションだけです。さらに、過去に治水工事が行われたのですが、重要事項説明書には「浸水や冠水の事例がないことを確認している」と記載されています。
管理会社は、排水溝の清掃等メンテナンスは行っていたと言いますが、売主によれば、急な大雨で下水道の本管が満杯になり、処理しきれなかったとのことです。駐車場に冠水した場合は、警報が鳴るようになっているのですが、管理人は日勤で、夜間は警備会社に通報が行くようになっています。冠水したのは夜中の4時ですが、実際に警備会社が到着したのは、警報が鳴ってから2時間後でした。当日は、あちこちで警報が鳴り対応に手間取ったとのことです。
現在、私は理事をしていますが、管理組合で対応していくとともに、車の被害についても、慰謝料を求めたいのですが、どうしたらよいでしょうか。
瑕疵とは、一般的には契約内容と異なることや通常求められる性能を有していないことと考えられています。
そうであれば、浸水しやすい地域や地下水位の高い地域などでは、それに対応した設計・設備が通常必要と考えられます。予期できないほどの自然災害の場合は、売主の責任が免責とされることも考えられますが、当日、どの程度の雨量であったか、地下駐車場の排水処理能力はどれくらいの雨量を想定して設計されているか等も検証が必要と思われます。
また、下水道本管が満杯になり、それにより排水できなくなったという売主の主張が事実であるかどうかも確認する必要があるでしょう。
駐車場は共用部分であるので、できれば管理組合が主体となって売主と交渉するのがよいと思われます。
評価住宅や保険付き住宅の場合は、弁護士と建築士による専門家相談を受けることができますので、利用ください。また、当事者間での解決が困難な場合には、管理組合からの申請により、紛争処理の利用を検討するのも一つの方法です。
相談ID:413
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