賃貸マンションの所有者。補修工事後に保証延長を求めたが認められるか。
相談年月:2012年3月
賃貸マンションのオーナーです。約5年前に9階建ての鉄筋コンクリート造マンションを新築、引渡しを受けました。
ところが、半年もしないうちにタイル張りの外壁に白華現象が現れて、タイルの浮きや剥がれも見つかりました。施工業者に部分補修工事を2回してもらいましたが、十分とは思えないものでした。そこで、足場をかけ、外壁全面の浮きを点検して、外壁面の30%のタイルを張替える補修工事をしてもらいました。保証を求めると、「5年間保証する」という念書の提出がありました。さらに長期の保証を求めたいのですが、断られました。どのように考えられるでしょうか。
*白華現象:タイル目地やコンクリートの表面に発生する結晶化した白色の物質。セメントの硬化で生成した水酸化石灰と大気中の炭酸ガスが化合した炭酸カルシウム
築後半年程度で補修を要する事態となったのは、施工上の問題があったと思われます。そのため、タイルの張り替え工事と5年保証の念書提出となったものと思われます。
補修工事後に、新たに保証期間を設定するか否かは施工業者の考え方によるので、「5年間保証する」との念書の提出があったことは、当事者間での新たな保証契約と考えられ、それなりに評価できると思います。
なお、住宅品確法上、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分については、施工会社に引渡しから10年間の瑕疵担保責任があります。外壁タイルから躯体内部に雨水が入り込み、鉄筋やコンクリートの劣化につながる場合には、念書にかかわらず、引渡後10年間は瑕疵担保責任の対象となります。
相談ID:552
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