屋根に設置した太陽光発電パネル(太陽電池モジュール)から落雪し、隣家の窓ガラスを壊してしまった。
相談年月:2012年10月
昨年、地元の施工業者に依頼して木造2階建て住宅を新築しました。屋根の勾配はゆるく、太陽光発電のためのパネルが設置してあります。
年によっては雪が多く降ることもある地域なので、設計段階から、「ご近所に迷惑をかけないよう、落雪の対策をしてください」とお願いしてきました。ところがこの冬、屋根の雪が隣地に落ち、隣家の窓ガラスを割ってしまいました。隣家には十分にお詫びをしましたが、次の冬に備えて何らかの対策をとらなければなりません。施工業者は、屋根に雪止めを付け、隣地との境にフェンスを造ることをすすめますが、費用が50万円くらいかかるそうです。設計段階から「雪の対策」を頼んでいたのに、新たな費用がかかることに納得がいきません。
太陽光発電パネルは、表面がガラスに覆われて滑らかなため、雪がすべり落ちやすい状態にあります。パネル上をすべり落ちた雪は、一般的な屋根に比べて勢いよく落下する傾向があり、屋根から数メートル離れたところまで到達した事例もあります。そのため、太陽光発電パネルを設置する場合は、特に落雪対策について配慮する必要があります。
相談者は、設計段階から近隣に配慮した落雪対策を要望していたわけですから、施工業者は当地の積雪状況に適した住宅および太陽光発電パネルの設計を行う必要があります。具体的には、太陽光発電パネルからの落雪を想定して、住宅の配置、屋根の形状・傾斜方向、太陽光発電パネルの設置場所、雪止め及びフェンスの設置等に注意して設計する必要があったと考えられます。
そこで、施工業者が上記のような点に注意を怠って設計したのであれば、施工業者に対して、無償で必要な落雪対策を行なうよう要求できる可能性があります。
まずは、施工業者から提案されている雪止めとフェンスの設置が適切なものかどうか分かりませんので、これらによりどのような効果が期待できるのか、両方設置する必要があるのか、具体的にどのような施工をするのか等の説明を求めるべきでしょう。
相談ID:591
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