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購入した中古マンションで床が傾いている。補修と入居遅延に伴う損害賠償を請求したい。

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ご相談内容

相談年月:2025年7月

 2024年5月に築40年の鉄筋コンクリート造12階建て中古マンションの6階住戸を購入しました。売主である不動産業者がフルリノベーションした買取再販住宅で、既存住宅売買瑕疵保険*1が付いています。
 入居前に、物入に建具を付けるために、設置業者とともに住戸内の現地調査を実施しました。その設置業者から、床に傾斜があることを指摘されました。床は歩行時に弾力性があり、直貼りの遮音フローリングだと思われます。
 設置業者に床のレベル測定をしてもらったところ、基準点から2.2cmも下がっているところもありました。仲介業者を通して、レベル測定結果を売主に提出していますが、回答がありません。売主に対し、床の補修を今後どのように求めていけばよいでしょうか。
 また、6月に現在居住中の住宅の賃貸借契約を解除して当該マンションに入居する予定でしたが、この不具合が解決しないと入居ができないため、売主に今住んでいる住宅の賃料相当額を損害賠償請求できるのでしょうか。

回答

 ご相談の事案では、遮音フローリングが直貼りされているマンションの床、すなわち床スラブに原因があるようです。既存の床材を張り替える場合、もともと(床下地)の鉄筋コンクリート床などに不陸*2や傾斜が生じていることもあるため、その場合には流動性の高い材料(セルフレベリング材)等で床下地コンクリート面などを平滑に均す補修工事を行うこともあります。
分譲マンションの場合、管理規約が定められていることが多く、管理規約上、床スラブは一般に、共用部分(マンションの区分所有者が共有する部分で、管理組合が管理責任を負う部分です。)に該当すると定められています(国土交通省が定めている標準管理規約では、床スラブは共用部分に該当します。)。
 共用部分の修繕等の管理行為は、保存行為を除き、原則として管理組合の総会で決します。そのため、床スラブが共用部分に該当する場合、売主に対する責任追及を検討するに当たっては、そもそも共用部分の瑕疵が売買目的物の契約不適合に含まれるか、という点を検討する必要があります。この点、裁判例では見解が分かれているところです(売主に対する損害賠償の可否は、売主に対して契約不適合責任を問えるかと関連することになります。)。また、共用部分に瑕疵がある場合、既存住宅瑕疵保険が利用できるか、という点についても検討が必要となります(保険の利用の可否とは別に、専門家相談は利用できます。)。
 そして、床スラブの修繕は、管理規約の定めに従い判断することになります(ここでは、建物の区分所有等に関する法律(以下、「区分所有法」といいます。)を前提に検討します。)。傾斜の修繕が保存行為に該当するのであれば、区分所有者が修繕することになります(この点は、売主に対する責任追及の可否にも影響すると思います。)が、修繕が管理組合の負担となる場合、管理組合に対してその修繕を求めることになります。修繕方法ですが、マンションの築年数からすると、鉄筋コンクリート造のスラブ床に生じている不陸*2や傾斜を、モルタル等で平滑に下地処理する方法が考えられるところです。
 なお、傾斜が瑕疵に該当するかを判断するにあたっては、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」*1に床の傾斜の測定方法などが記されていて、参考になります。この基準によれば、部分的な高低差ではなく、凹凸の少ない仕上げによる床の表面において、3m程度以上離れている2点間の角度を測定し、その数値を前提に傾斜が技術的基準で許容されている程度を越えるかを判断することになります。技術的基準を超える場合、管理組合にレベル測定結果を提示し、修繕を求めることになります。

参照条文:民法562、563、564・415、564・541条、区分所有法4条、11条、18条

*1住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」における傾斜の測定方法

https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/2000/26aa0995/26aa0995.html

*2不陸:床、壁、路盤などの面が水平・平坦ではなく、凹凸や高低差がある状態のこと

相談ID:711

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