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断熱性能の高い仕様で新築した住宅の冬の寒さがひどい

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ご相談内容

相談年月:2015年2月

一昨年新築した木造住宅に住んでいますが、冬は大変寒く夏も家の中の気温が36度を超える暑さで困っています。施工業者からは、フラット35Sの基準に適合し、床・壁・天井にロックウールの断熱材が入っており、窓には複層ガラスサッシを使用しているので耐熱性が高い家と言われました。エアコンは最初から設置していません。
施工中に雨が10日降り続いたので、断熱材に水が染み込み、そのせいで断熱が機能していないと思います。
施工業者に断熱材の性能不足を指摘したところ、ロックウールは袋状なので水が染み込むことはないと言われ、エアコンの取り付けをすすめられました。
施工業者と交渉していきたいと思っているのですが、どうすればよいでしょうか。

回答

【弁護士の助言】

施工業者に補修等を請求する場合、原則として、請負契約書に書いてある期間内に行う必要があります。断熱性能の不足は、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分ではなく、住宅品確法(※1)に定められる10年間保証の対象外です。契約書では、瑕疵担保責任に基づき修補を請求できるのは、引渡しから1年以内となっています(※2)。
なので、第三者である建築士等の専門家による調査内容を元に、契約時の設計図書(断熱工事の仕様等)との相違や不適切な施工等の具体的な内容、断熱性能を向上させるために必要な改修費用等を明記した資料等を作成し、引渡しから1年以内に配達証明付内容証明郵便で施工業者に送付し、補修等の請求を行うとよいでしょう。
話し合い等による解決ができない場合は、住宅紛争審査会の紛争処理を利用することも、ひとつの方法です。

※1 住宅品確法:住宅の品質確保の促進等に関する法律
※2 民法改正により、2020年4月以降に締結された請負契約については、瑕疵担保責任から契約不適合責任(請負人が契約内容に適合しない目的物を注文者に引き渡した場合に生じる責任)に代わりました。瑕疵担保責任と同様、契約書で「契約不適合責任」の内容や請求可能な期間等が定められることもあります。いずれの場合にも、事案により適用される期間制限等が異なる可能性があります。


【建築士の助言】

写真を確認すると壁や天井に隙間があり、天井の断熱材の敷き方が雑なところがある箇所が見受けられ、これが断熱不良等の原因になっている可能性があります。また、ロックウールは袋状になっているので通常水が染みこむことは少ないのですが、施工中の管理方法や施工方法によっては水が染みこむことはあり得ます。
ただ、持参資料を確認すると、フラット35Sの物件検査を受け基準に適合している証明書(適合証明書)が発行されていますので、躯体や開口部以外に問題があるかもしれません。
断熱不良等には、様々な原因があり、住まい方や換気方法等によって室内に熱がこもることもあります。
資料や写真だけでは断熱不良等の原因を特定するのは難しいので、一度、第三者である建築士等の専門家に現場を見てもらい、不具合の状況や原因に関する調査を実施し、その結果をもとに交渉されるとよいかもしれません。

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相談ID:21

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