相談概要
- 工事内容
- 屋根の陶器瓦を金属屋根材(ガルバリウム鋼板)に葺き替える工事
- 住宅形式
- 戸建(木造2階建)
- 相談内容
- 築35年になる住宅において雨漏りしたので、地元の工務店に応急処置として簡易な補修工事をしてもらった。しかし、その後も雨漏りが止まらず、屋根の葺き替え工事をしようと思っていたところ、訪問販売業者の勧誘を受けた。この事業者は屋根の点検を行い、報告書と見積書を受け取った。内容の妥当性について不安があるので、見積書をチェックしてほしい。
相談者から送付された資料
- 見積書、現場調査図、屋根点検報告書
見積チェック
チェックポイント 項目・数量
二重計上されている項目がないか確認。
チェック内容
- 消費税が2回計算されていることを指摘。正しい計算で見積書を再作成してもらうことを助言した。

チェックポイント 項目・数量
不足している項目がないか確認。
数量について確認。
チェック内容
- 高所での作業において必要と思われる「足場」の項目がないことを指摘。事業者に必要がないか確認することを助言した。
- 現場調査図が作成され、屋根面積の算定根拠が示されており、これを確認した。

チェックポイント 相談ニーズ
相談者は、事業者から提示された屋根点検報告書の内容から、雨漏りを止めるには屋根の葺き替え工事を行う必要があると判断した。また、屋根材を軽い素材に葺き替えることで耐震性能が向上するのではないかと考えていた。
チェック内容
- 屋根点検報告書には、瓦の「浮き」や「ズレ」が見受けられると記載されているが、添付されている写真を見る限り、そのような現象がおきているとは言えないことを指摘。事業者に、瓦の「浮き」や「ズレ」が起きている場所と、屋根の葺き替え工事を行う合理的な理由を確認することを助言した。
- 雨漏りの原因が外壁やサッシなど屋根以外にあった場合、屋根を葺き替えただけでは雨漏りが止まらないことも考えられるため、専門的な調査を実施し原因を究明することを助言した。
- 耐震性の向上については、まずは、行政の無料耐震診断を利用することを助言した。

相談者への助言内容のまとめ
- 屋根の葺き替えについて、屋根点検報告書が提示されているが、その内容に不明な点が多く、過大な表現で調査結果が記載されているため、事業者に工事を行う合理的な理由を確認したうえで、工事の必要性を判断することを助言した。
- 雨漏りの本当の原因を究明するため、専門的な調査を検討すること、専門業者に相見積りを依頼すること等を助言した。
- 二重計上されている項目等を指摘し、正しく再作成してもらうことを助言した。