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2世帯住宅への増築リフォーム工事について見積り金額の妥当性が疑われるケース

相談概要

工事内容
2階の増築工事と2世帯住宅へのリフォーム工事
住宅形式
戸建(木造2階建)
相談内容
築20年の木造2階建て住宅。2階に増築して2世帯住宅へのリフォーム工事を計画している。見積り金額が高額ではないかと思うので、見積りをチェックしてほしい。

相談者から送付された資料

  • 見積書
  • 図面

見積チェック

チェックポイント 項目・数量

  • 仮設足場の数量が、増築部のみの数量程度で、既存部のリフォーム工事の数量が含まれていないように見受けられる。養生範囲がわからない。
  • 塗装工事について、詳細な仕様の記載がない。
  • 屋根板金工事の窯業系サイディングについて、下地工事についての記載がない。
  • 金属製建具工事について、詳細な仕様の記載がない。

チェック内容

  • 屋根板金工事の足場として不足がないか確認する必要がある。養生範囲についても確認が必要である。
  • 塗装工事については、具体的な塗料名、塗り回数の記載を求める。
  • 窯業系サイディングの下地工事としては通常、透湿防水シート貼り、胴縁張り、土台水切り等が必要である。見積書に含まれているか確認が必要。
  • 金属製建具工事について、ガラスの断熱仕様や防火性能の有無などの性能により価格が異なることから確認が必要。

チェックポイント 単価

  • 大工の施工費が、坪単価で記載されており、妥当性が確認できない。

チェック内容

  • 大工施工費については工程表に作業時期や人数を記載してもらい、作業日数や人数を参考に工事費を推測する方法がある。
    参考:公共工事設計労務単価

チェックポイント 問題記述等

  • 既存屋根解体・処分費・金物の項目が2か所ある。

チェック内容

  • 施工範囲について説明を受けるなど、二重計上となっていないか確認することを勧めた。
問題記述等に関するチェックポイントの図

相談者への助言内容のまとめ

  • 見積条件について、見積書の有効期限、工事期間、別途工事について説明を求めるよう勧めた。
  • 解体を伴う増築工事では、既存部分との取合いの処理など雨漏りへの影響がないよう慎重な検討が必要であることを説明した。
  • 間取り変更に伴い、柱や壁の撤去などを含む場合、構造上の問題が生じないかの確認が必要となる。既存の耐震性能の確認、増築後の適切な構造計画および耐震性能の確保がどのように計画されているか、事業者からの十分な説明を求めるように勧めた。
  • 主要構造部の過半にわたり修繕、模様替えを行う場合、確認申請手続きが必要となる場合があることを説明した。
  • 住みながらの工事である場合、設備機器の使用制限期間、増築部分の埃対策として養生方法について注意が必要であるため、事業者に確認することを勧めた。
  • 2世帯とする場合、電気、ガス、水道の各メーターを共用または分離するかを家族で確認することを勧めた。また、分離が可能かどうかを、事業者に確認する必要があることを説明した。
  • トラブルを避けるためには、工事の進捗に応じた支払い条件が望ましいことを説明した。

参考情報

木造戸建の大規模なリフォームは建築確認手続きが必要となりました

2022(令和4)年6月に公布された『脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律』(令和4年法律第69号)により、建築確認手続きの対象の見直しが行われました。

  • 2階建ての木造戸建等で行われる大規模なリフォーム※1で、2025年4月以降に工事に着手するものは、事前に建築確認手続き※2が必要となります。
  • キッチンやトイレ、浴室等の水回りのリフォームや、バリアフリー化のための手摺やスロープの設置工事は手続き不要※3です。

※1:建築基準法の大規模の修繕・模様替にあたるもので、建築物の主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根または階段)の一種以上について行う過半の改修等を指します。例えば、階段の架け替え工事や屋根の全面的な改修等は該当しますが、屋根や壁の仕上げ材のみの改修等は該当しません。

※2:建築確認手続きは、工事に着手する前に手続を終える必要があります。また、現行法に適合していない箇所があれば別途適合させる工事が必要な場合があります。

※3:工事内容によっては大規模なリフォームに該当する場合があるので、建築主事または指定確認検査機関へご相談ください。

木造戸建の大規模なリフォームに関する参考情報の図

※国土交通省資料より作成

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