第1回:論点の整理
住宅紛争処理を申請し、受理されたAさん。AさんとB建築会社の新しい担当者が住宅紛争審査会の会議室に集まり、和解に向けた話し合いがスタートしました。
慰謝料も求めるという厳しい口調のAさんに対し、B建築会社は、真摯に対応すること、必要な補修もすることを表明。
そこで住井委員がAさんに、補修の確実な実施を前提とした慰謝料の取り下げを提案したところ、Aさんは現地調査の結果と補修工事の提案内容を見て決めると返答しました。
第2回:現地調査
Aさんの家を紛争処理委員、B建築会社が訪れ、現地調査を行いました。 Aさんが作成したリストをもとに、柱と壁の隙間や床鳴りなどの不具合一つ一つに対して、安井委員が目視や検査機器で確認しました。
安井委員は調査結果をAさんにもわかるように説明し、原因は施工の不手際の可能性があることを指摘しました。
これに対し、B建築会社も素直に非を認める発言をしたため、AさんのB建築会社へ対する信頼もある程度回復した様子でした。
第3回:調停案の検討
後日、再び住宅紛争審査会の会議室に集まったAさんとB建築会社、そして紛争処理委員は、今後の対応を話し合いました。
B建築会社から補修方法の具体的な提案と確実な実行が約束され、紛争処理委員から妥当な提案であるという考えが示されました。
これによりAさんもB建築会社の姿勢を評価して慰謝料は要求しないことを表明し、合意がなされました。
第4回・第5回:調停の成立
第4回の審理で合意した内容を紛争処理委員が調停案としてまとめ、第5回の審理で調停書への調印が行われました。これにより、申請から約6カ月で紛争処理は終結しました。
※この物語は、実際にあった事例を参考に、脚色を加えて構成したものです。